道路使用許可が必要になりやすい撮影とは
更新日:9月29日
道路使用許可が必要になりやすいのは、撮影によって普段の歩行者や車の通行に影響が出る場合です。
たとえば、
三脚や照明を道路上に置く
出演者が同じ場所で何度も演技する
スタッフが道路上に滞留する
通行人の流れを調整する
撮影車両を使う
といった撮影です。
ただし、「〇人以上なら必要」「スマートフォンなら不要」「三脚を置いたら必ず必要」という一律の基準ではありません。
小規模撮影でも、場所や撮影方法によっては道路交通へ影響します。
反対に、機材を使っているという理由だけで、すべての撮影が同じ扱いになるわけでもありません。
大切なのは、その撮影によって道路を普段どおり使える状態がどの程度変わるのかを見ることです。
この記事で分かること
道路使用許可が必要になりやすい撮影の特徴
三脚・照明・スタッフ配置をどう考えるか
出演者が道路上で演技する場合
通行人への影響をどう見るか
車両や店舗前を使う撮影の注意
事件・事故と誤認されやすい撮影
早朝・夜間や東京都内での考え方
機材・演技・スタッフで道路を使う撮影
道路使用許可が問題になりやすいのは、撮影のために道路上の一定の場所を使い続ける場合です。
三脚や照明を置く
たとえば、
三脚
照明スタンド
レフ板
録音機材
モニター
ケーブル
その他の撮影機材
などを道路や歩道へ置く場合です。
歩道が広く、
端に置けば邪魔にならない
と思うこともあります。
しかし、機材によって歩ける範囲が狭くなったり、通行人が避けて歩いたりするのであれば、通常の通行には影響しています。
特にケーブルやスタンド類は、接触や転倒の原因になることもあります。
機材の大きさだけではなく、配置した結果として、人や車が安全に普段どおり通行できるかを考えます。
同じ場所で演技を繰り返す
出演者が道路を一度歩くだけの場合と、同じ場所で何度もテイクを重ねる場合では、道路の使い方が変わります。
たとえば、
店から出てきて歩道を歩く
横断歩道へ向かって歩く
道路上で立ち止まって会話する
同じ区間を何度も往復する
決めた位置で何度も演技する
といった撮影です。
テイクを重ねれば、出演者だけでなくカメラやスタッフも同じ場所に長くいることになります。
一回の動作だけではなく、撮影全体として道路をどのように使うのかを見る必要があります。
スタッフの待機場所も考える
撮影では、画面に映る人だけが道路上にいるわけではありません。
現場には、
監督
撮影
録音
照明
制作
出演者
ヘアメイク
などがいることがあります。
機材を置いていなくても、何人ものスタッフが歩道上で待機すれば、通行できる幅が狭くなることがあります。
道路撮影では、出演者とカメラだけではなく、現場にいる人全体をどこへ配置するのかまで考えます。
通行人を止めなくても、影響が出ることはある
道路撮影では、
通行人を止めなければ大丈夫
と考えがちです。
しかし、直接「止まってください」と声をかけていなくても、
スタッフが歩道を狭くしている
機材を避けて歩いている
カメラの前を通らないよう遠回りしている
演技を避けて進路を変えている
撮影を見て人が立ち止まっている
ことがあります。
制作側が道路を塞いでいないつもりでも、結果として人の流れが変わっていることはあります。
撮影側の感覚ではなく、一般の道路利用者が普段どおり利用できているかを見ることが重要です。
また、撮影の都合で、
今だけ少し待ってください
こちら側を通ってください
と一般の歩行者へ協力を求めたくなる場合もあります。
道路は撮影隊が自由に交通を管理できる場所ではありません。
通行への影響が想定されるなら、
通行スペースを確保する
撮影位置を変更する
時間帯を変更する
必要な交通誘導方法を検討する
などを含めて撮影方法を考えます。
大人数だから必要、小人数だから不要ではない
撮影人数だけで道路使用許可の要否が決まるわけではありません。
ただし、人数が増えれば、
出演者
エキストラ
撮影スタッフ
制作スタッフ
機材
車両
などが使うスペースも大きくなります。
そのため、大人数の撮影では道路交通への影響や安全管理が必要になる可能性も高くなります。
反対に、小規模撮影でも、
狭い歩道に数人が滞留する
三脚を置く
出演者が何度も演技する
通行人が避けなければならない
という状態なら影響は出ます。
つまり、見るべきなのは人数そのものではなく、その場所でその人数がどう動くかです。
車両を使う撮影は、走らせ方まで確認する
車を使った道路撮影では、通常の歩行撮影より確認事項が増えます。
たとえば、
出演車両を何度も同じ区間で走らせる
車両を道路上で一時停止させる
走行中の車両から撮影する
撮影機材を車両へ取り付ける
撮影車と出演車を並走させる
複数の車両を一定の形で走らせる
といった撮影です。
道路使用許可以外にも、撮影方法によっては通行禁止道路通行許可や制限外許可など、別の交通関係手続が必要になることがあります。
そのため、
車を使います
だけではなく、
どの道路を走るのか
何台使うのか
どのように撮影するのか
停止するのか
撮影機材を取り付けるのか
通常の交通方法と異なる動きがあるのか
まで具体化して確認します。
道路使用許可を取れば、どのような走行撮影でもできるわけではありません。
店舗前や人が集まる撮影も注意する
店舗前の歩道まで使う場合
店舗内の撮影から、そのまま道路へ撮影範囲が広がることがあります。
たとえば、
店から出演者が出てくる
店舗前で会話する
歩道から店舗外観を撮る
カメラや照明を店舗前へ置く
といった場面です。
店舗から撮影許可を得ていても、店舗前の歩道まで店舗が自由に使わせられるとは限りません。
道路を使うなら、道路については別に考えます。
また、店舗と歩道の間に私有地や建物の敷地があることもあります。
ロケハンでは、どこからどこまでが道路なのかも確認しておくと整理しやすくなります。
撮影を見て人が集まる場合
撮影隊そのものは小規模でも、撮影内容によって人が集まることがあります。
たとえば、
有名な出演者がいる
人目を引く衣装や演技をする
大きな撮影機材を使う
特殊な車両を使う
といった場合です。
見物人が集まれば、その人たちによって歩道が狭くなったり、交通へ影響が出たりすることがあります。
東京都では、警視庁が道路使用許可の対象となる行為の例として、ロケーションなどのほか、道路上で人寄せをする行為も挙げています。
撮影隊だけではなく、撮影によって周囲に何が起こりそうかも考えておきます。
事件・事故と誤認されやすい撮影は、交通とは別の配慮も必要
作品では、
喧嘩
事件
事故
人が倒れる
武器のように見える小道具
大声で争う
といった場面を道路で撮ることがあります。
このような撮影では、道路交通への影響だけでなく、周囲の人から実際の事件や事故だと思われる可能性があります。
撮影内容によっては、通報につながることもあります。
道路使用許可が必要かどうかだけではなく、
周囲からどう見えるのか
現場をどのように管理するのか
誤認を防ぐために何が必要か
まで考えます。
この点は「道路撮影当日の安全管理と、許可を受けた後の注意点」で詳しく整理しています。
スマートフォン撮影や早朝・夜間なら?
スマートフォンでも考え方は同じ
スマートフォンや小型カメラでも、高品質な映像を撮れるようになりました。
しかし、使用するカメラの大きさだけで道路使用許可の要否が決まるわけではありません。
スマートフォン1台でも、
出演者が道路上で演技する
同じ場所で何度も撮影する
複数人が道路上に滞在する
通行人の動きに影響する
のであれば、通常の道路利用とは違う状況になることがあります。
反対に、大きなカメラを持っているという理由だけで、必ず道路使用許可が必要になるわけでもありません。
あくまで、道路をどう使うかで考えます。
早朝・夜間でも自動的に不要にはならない
人通りや交通量が少ない時間帯へ変更することで、交通への影響を小さくできる場合があります。
ただし、
人が少ないから許可はいらない
という意味ではありません。
また、早朝や夜間には、
住宅への騒音
照明
車両の出入り
スタッフの話し声
など、交通とは別の問題も出てきます。
周辺住民への配慮については「道路で撮影するとき、周辺住民へのお知らせは必要?」で詳しく扱っています。
東京都内ではどう考える?
道路使用許可制度そのものは道路交通法に基づく制度ですが、ロケーションなどの具体的な対象行為は各都道府県の道路交通規則も関係します。
東京都では警視庁が、ロケーション、撮影会などを行い、一般交通に著しい影響を及ぼす場合を道路使用許可の対象として案内しています。
ロケーション等の申請では、道路使用状況図に、
経路
交通誘導員
資器材
などの配置を記載した資料を求めています。
つまり東京都内でも、撮影が大きいか小さいかではなく、実際に一般交通へどのような影響が出るのかを整理することが重要です。
道路使用許可が必要になりやすいか確認するポイント
道路撮影を計画するときは、次の点を確認します。
三脚や照明などを道路上に置くか
同じ場所に一定時間滞在するか
出演者が道路上で演技を繰り返すか
スタッフが道路上で待機するか
通行人が撮影隊を避ける必要があるか
通行人や車両の動きに影響するか
車両を通常とは異なる方法で使うか
撮影によって見物人が集まりそうか
店舗前など、道路と別の管理場所をまたいで使うか
事件・事故などと誤認される可能性があるか
該当する項目が多ければ、それだけ道路交通への影響も大きくなる可能性があります。
ただし、このチェックの数だけで道路使用許可の要否が決まるわけではありません。
場所の広さ、交通量、時間帯、機材配置、撮影方法などを合わせて考えます。
判断しにくい場合は、撮影内容や配置を整理したうえで、撮影場所を管轄する警察署へ事前相談します。
まとめ
道路使用許可が必要になりやすいのは、撮影によって道路の通常の交通や利用へ影響が生じる場合です。
特に、
三脚・照明などを道路上に置く
同じ場所で演技を繰り返す
スタッフが道路上に滞留する
通行人の動きに影響する
車両を使って特殊な撮影をする
見物人が集まる
といった撮影では、影響が大きくなりやすくなります。
ただし、「〇人以上なら必要」「三脚を置いたら必ず必要」「スマートフォンなら不要」という単純な基準ではありません。
まずは、その撮影をしたとき、普段その道路を使っている人や車にどのような影響が出るのかを考えることが大切です。
そのうえで判断しにくい場合は、撮影場所、時間、出演者・スタッフ、機材配置、車両の使い方などを具体化して、所轄警察署へ事前相談します。
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参考
※道路撮影の許可手続について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
