車の走行シーンを撮りたい
更新日:5 日前
結論からいうと、車の走行シーンは、全部を本当に走らせて撮る必要はありません。
外観だけ実走行
車内芝居は停車状態
車窓は別撮り
という組み合わせでも、十分に走っているように見せられます。
しかも実際の撮影では、時速20km程度でも画角や背景の流れ方によって、きちんと走行しているように見えることがあります。
高い速度を出すより、
どのカットを本当に走行中に撮るか
どこから撮るか
小型カメラをどう使うか
公道ならどこまで警察へ相談するか
を先に決める方が重要です。
この記事で分かること
車の走行シーンにはどんな撮り方があるのか
公道で撮影するとき、道路使用許可はどう考えるのか
時速20km程度でも走行感を出せる理由
GoProなどの小型カメラが便利な場面
車内芝居を本当に走行中に撮る必要があるのか
低予算で走行シーンを成立させる方法
まず「本当に走っていないと撮れないカット」を分ける
走行シーンというと、
車を走らせながら全部撮ろう
と考えがちです。
でも実際には、
車が道路を走っている外観
運転席の人物
助手席との会話
ハンドルを握る手元
バックミラーを見る顔
車窓
発進や停車
と、カットごとに分けられます。
この中で、本当に走行中でなければ成立しないものだけ実走行にすると、かなり撮りやすくなります。
外観は実走行
車内の会話は停車状態
車窓だけ別撮り
でも、編集すれば一つの走行シーンとして成立します。
最初から全部を公道上で撮ろうとしない方が、許可も安全管理も軽くできます。
実際には時速20km程度でも十分「走っている」ように見える
車の走行シーンだからといって、高い速度を出す必要はありません。
私が撮影に関わった現場でも、時速20km程度でも十分に走行しているように見えました。
特に、
車体に近い位置から撮る
背景が流れやすい方向で撮る
車窓を入れる
短いカットでつなぐ
走行音を後から足す
と、速度以上に走行感が出ます。
逆に、広い道路を遠くから撮ると、実際には速度が出ていても遅く見えることがあります。
つまり、速度そのものより画角の方が重要です。
撮影のために無理にスピードを上げるより、低速で安全に走りながら、カメラ位置で走行感を作る方が現実的です。
GoProなどの小型カメラがあるとかなり楽
走行撮影では、GoProなどの小型カメラがあるとかなり便利です。
大きなカメラを持った撮影者が車内で無理な姿勢を取るより、
ダッシュボード付近
助手席側
後部座席
車内から窓越し
車体に近い位置
などへ小型カメラを固定した方が、少人数でも撮影しやすくなります。
特に、
運転手の横顔
ハンドル操作
助手席との会話
車窓
などは、小型カメラと相性がいいです。
ただし、便利だからといって固定方法まで雑にしてはいけません。
脱落しないか
運転者の視界を妨げないか
操作のために運転者が前方から目を離さないか
車体から危険な形で張り出していないか
は確認します。
小さいカメラほど設置しやすいですが、設置場所は安全優先です。
公道で撮るなら、道路使用許可は「撮影方法」で考える
公道で車を撮影するからといって、すべての撮影で道路使用許可が必要になるわけではありません。
たとえば一般車と同じように走る車を、道路脇から手持ちで撮る場合と、
撮影車を並走させる
道路上にスタッフや機材を配置する
同じ区間を何度も繰り返し走る
一般交通へ影響する形で撮影する
通常の道路利用とは違う方法で撮る
場合では意味が違います。
警察の道路使用許可では、ロケーション撮影が対象になることがあります。
ただし、道路使用許可を取れば危険な運転までできるわけではありません。
道路交通法上禁止されている行為や、安全上問題のある撮り方まで許可されるわけではないからです。
そのため公道で走行シーンを撮るなら、
〇月〇日、〇〇付近で車両の走行シーンを撮影予定です。 出演車両1台、撮影車1台で、時速〇km程度で走行しながら〇〇の方法で撮影します
というように、実際の撮影方法を管轄警察署へ伝えて相談するのが分かりやすいです。
「車の撮影です」だけではなく、
車両台数
撮影位置
使用機材
走行方法
何回程度走るのか
まで伝えます。
並走撮影は、できれば別の方法を考える
走っている車を横から撮りたい場合、
「撮影車を横に並べて、そのまま一緒に走ればいい」
と思うかもしれません。
でも実際には、並走撮影はかなり難しい方法です。
速度を上げれば、撮影できる区間がすぐ終わります。
逆に低速で並走すれば、後続車の流れを妨げやすくなります。
同じ区間を何度も撮り直すとなれば、一般交通への影響もさらに大きくなります。
特に東京都内のように交通量が多い道路では、最初から公道での並走撮影を前提にしない方が現実的です。
横並びの車両を撮りたいなら、
私有地や貸切可能な敷地で2台を並べて走らせる
横から見た車両だけ別に撮る
実際の道路を走るカットと組み合わせて編集する
GoProなどの小型カメラで必要な画角を補う
といった方法を先に考えます。
つまり、「並走しているように見える画」と「本当に公道で並走して撮ること」は別なのです。
映像として必要なのは前者です。
車内芝居は、停車状態の方が撮りやすいことも多い
車内の会話シーンでは、本当に走らせない方が楽なことがあります。
走行中だと、
運転者が演技と運転を同時にする
外の音が大きい
カメラ位置が限られる
撮り直しが面倒
光が変わる
背景が毎回違う
という問題が出ます。
そのため、車を安全な場所に停めて芝居を撮り、必要な走行カットだけ別に撮る方法はかなり使えます。
停車状態の車内で芝居するなら、
車体を外から軽く揺らす
カメラもほんの少し揺らす
窓外の光を動かす
通過する光を作る
走行音を後から足す
役者の身体も少しだけ揺らす
といった方法でも、十分に走行中らしく見せられます。
特に低予算作品では、全部を本当に走らせるより、この方が現実的です。
私有地が使えるなら選択肢は増える
公道より、
私有地内の道路
大型駐車場
サーキット
撮影施設
貸切可能な敷地
の方が撮りやすい場合があります。
ただし、私有地なら自由というわけではありません。
所有者や管理者と、
使用時間
走行範囲
速度
車両台数
機材
騒音
タイヤ痕
原状回復
などを確認します。
特に急発進や急停車など、通常の施設利用とは違うことをするなら、最初から伝えます。
低予算なら「全部実写」にこだわらない
車の走行シーンは、やろうと思えばいくらでも大掛かりになります。
でも低予算なら、必要な部分だけ本当に走らせれば十分です。
たとえば、
外観の走行カットだけ実走行
車内芝居は停車状態
車窓は別撮り
走行音は後から追加
GoProで手元や横顔を撮る
夜なら照明の動きで走行感を出す
短いカットをつないで長距離走行に見せる
という方法があります。
実際には、時速20km程度でも画角次第で十分に走って見えます。
大切なのは、本当に速く走ることではなく、観客に「走っている」と伝わることです。
脚本や絵コンテの段階で、
「ここは実走行」
「ここは停車状態」
「ここは小型カメラ」
と分けておくと、撮影も許可もかなり整理しやすくなります。
まとめ
車の走行シーンは、全部を走行中に撮る必要はありません。
まず、
実走行が必要なカット
停車状態で撮れるカット
別撮りできるカット
に分けます。
公道で通常とは違う撮り方をするなら、撮影計画を管轄警察署へ相談します。
ただし、道路使用許可は危険な運転を認めてもらうためのものではありません。
そして実際の映像では、時速20km程度でも十分に走行感を出せることがあります。
GoProなどの小型カメラも使いやすく、少人数撮影との相性がいいです。
高い速度を出すより、
安全に低速で走る
画角を工夫する
必要なカットだけ実走行にする
方が現実的です。
撮影許可から考えるより先に、どの絵を本当に走行中に撮る必要があるのかを決める。
そこから考えると、車の走行シーンはかなり撮りやすくなります。
参考
※個別の車両撮影や道路上での撮影方法についてご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
