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道路撮影の申請図面はどう作る?

8月22日
読了時間: 9分

更新日:9月26日


道路撮影の申請図面は、大きく分けて、


「どこで撮るか」を示す現場案内図

と、

「その道路をどう使うか」を示す道路使用状況図

を作ります。


道路使用状況図には、必要に応じて、


  • カメラ

  • 出演者

  • スタッフ

  • 三脚・照明などの機材

  • 車両

  • 交通誘導員

  • 一般の歩行者や車両が通る場所


などを書き込みます。


専門的なCAD図面を作ることよりも、

警察が見て、撮影方法と一般交通への影響を判断できること

が重要です。


ただし、図面の様式や求められる記載内容の細部は、撮影内容や申請先によって異なることがあります。


この記事では、道路撮影の申請図面に何を書けばよいのか、実際のロケを想定しながら整理します。



この記事で分かること

  • 現場案内図と道路使用状況図の違い

  • 撮影範囲やカメラ位置の示し方

  • 出演者・スタッフ・機材の書き方

  • 歩行者や車両の通路の考え方

  • 交通誘導員や撮影車両の配置

  • ロケハンで確認しておきたいこと

  • 許可後に配置を変更したい場合の考え方




現場案内図と道路使用状況図は役割が違う


(例)


まず、この2つを分けて考えると分かりやすくなります。


現場案内図

撮影場所がどこなのかを示す図です。

周辺道路、交差点、駅、建物などを含めて、撮影場所を特定できるようにします。

警視庁も、ロケーション等の道路使用許可申請では、実施場所周辺の見取図として現場案内図を案内しています。



道路使用状況図

その場所で、道路をどのように使うのかを示す図です。

警視庁は、東京都内のロケーション等について、道路使用状況図に、

  • 経路

  • 交通誘導員の配置

  • 資器材の配置

などを記載するよう案内しています。


他道府県では、様式や求められる記載内容が異なる場合があります。


撮影では、実際の現場が分かるように、


  • 撮影範囲

  • カメラ

  • 出演者

  • スタッフ

  • 車両

  • 一般の歩行者や車両が通る場所


なども必要に応じて整理します。


単に地図へ丸を付けただけでは、「その場所で何をするのか」までは分かりません。




図面は「きれいさ」より「状況が分かること」


申請図面というと、


「CADで作らないといけない?」

「専門的な図面じゃないとダメ?」


と思うかもしれません。


しかし、ロケ撮影の図面で重要なのは、見た目の豪華さではありません。


警察が見て、道路の使い方と一般交通への影響を判断できることが大切です。


道路や歩道の形が分かる図に、カメラや機材、出演者などの位置を書き込む形でも作成できます。


複雑な撮影では、最初から細部まで作り込むより、基本的な配置が分かる図を作って事前相談し、その内容に応じて修正していく方が進めやすいこともあります。


警察庁も、ロケ撮影については十分な時間的余裕をもって警察へ事前相談するよう案内しています。




撮影範囲とカメラ位置を示す


まず、実際に撮影で使用する範囲を図面上に示します。


たとえば、


  • 歩道の一部

  • 店舗前から交差点まで

  • 道路の一定区間

  • 出演者が歩く範囲


などです。


演技やカメラが動く場合は、1地点だけではなく、移動する範囲全体を示します。


カメラ位置も、


  • CAM①

  • CAM②

  • CAM③


のように番号を付けて示すと分かりやすくなります。


三脚を使う場合は、カメラ本体だけではなく、三脚やオペレーターを含めて実際に使うスペースを考えます。


カメラが歩道の端にあっても、その周囲にスタッフや機材が集まれば、実際にはカメラ1台分以上の場所を使います。




機材・出演者・スタッフも図面に入れる


道路上に設置する機材がある場合は、それも図面へ記載します。


たとえば、


  • 照明スタンド

  • レフ板

  • 録音機材

  • モニター

  • 電源

  • ケーブル

などです。


特に注意したいのがケーブルです。


カメラや照明だけを書いても、電源ケーブルが歩道を横切るのであれば、道路の使い方や安全面に影響します。


機材本体だけではなく、その機材を使うために道路上へ何が出るのかまで考えます。


出演者の動きも、


  • 店から出てくる

  • 歩道を歩く

  • この位置で立ち止まる

  • 横断歩道方向へ移動する


など、必要に応じて矢印で示します。


演技を繰り返す場合は、どこからどこまでを反復するのかも分かるようにします。


また、忘れやすいのがスタッフの待機場所です。


実際の現場には、


  • 監督

  • 撮影

  • 録音

  • 照明

  • 制作

  • 待機中の出演者


などがいます。


全員がカメラ周辺へ集まれば、歩道を塞いでしまうことがあります。


道路使用状況図では、完成映像の画角だけではなく、撮影当日に道路上にいる撮影隊全体を考えます。




一般の歩行者や車両が通る場所も考える


道路撮影の図面では、撮影隊の位置だけでなく、一般の道路利用者がどこを通るのかも重要です。


撮影隊を配置して、余った部分を通ってもらえばよいという考え方ではなく、実際に通行できるスペースが確保されているかを確認します。


歩道なら、


  • 歩行者

  • ベビーカー

  • 車椅子

  • 自転車を押して通る人


なども利用します。


車道を使う場合は、一般車両の通行との関係も整理します。


撮影隊が収まるかではなく、一般交通を含めて道路全体がどう使われるかを見るのがポイントです。




交通誘導員と車両の配置を書く


交通誘導員を配置する場合は、その位置も図面に示します。


たとえば、


  • 誘導員①

  • 誘導員②


のように記載します。


配置する場所としては、


  • 撮影範囲の両端

  • 曲がり角

  • 店舗や駐車場の出入口

  • 車両が出入りする場所


などが考えられます。


ただし、交通誘導員を置けば、撮影側が一般交通を自由に止められるわけではありません。


実際にどのような誘導を行うかは、警察との相談内容や許可条件に従います。


車両を使用する撮影では、


  • 出演車両

  • 撮影車両

  • 機材車

  • その他の車両


を分けて整理します。


必要に応じて、


  • 車両の位置

  • 走行方向

  • 撮影区間

  • 停止する場所

  • 出入りする場所

  • 戻る経路


などを示します。


同じ道路を何度も走行する場合は、

撮影区間だけでなく、車両がどのように戻るのか

まで考えておくと、現場全体の流れが分かりやすくなります。


車両を使う撮影については、他記事「車の走行シーンを撮りたい」でも整理しています。




店舗前の撮影では敷地境界にも注意する


店舗から道路へ出演者が出てくる撮影では、


  • 店舗内

  • 建物敷地

  • 公開空地

  • 歩道


など複数の場所をまたぐことがあります。


この場合、どこからが公道なのかを確認しておくことが重要です。


店舗から撮影許可をもらっていても、店舗が歩道まで管理しているとは限りません。


反対に、歩道のように見える場所でも、民間施設の敷地であることがあります。


ロケハンの段階で管理範囲を確認し、必要であれば図面にも境界を示します。


店舗前の道路を使う撮影については、他記事「店舗前の道路や建物の共用部分も使う場合」でも整理しています。




ロケハンで図面に必要な情報を確認する


申請図面は、机の上だけで作るより、ロケハンで現地の状況を確認してから作る方が現実に合ったものになります。


現地では、


  • 道路や歩道の幅

  • 店舗・住宅の出入口

  • 交差点

  • 横断歩道

  • ガードレール

  • 街路樹

  • 標識

  • 自転車置場

  • 人の流れ

  • 車の流れ

  • 機材を置けそうな場所


などを確認します。


地図上では十分なスペースがあるように見えても、現地には街路樹や標識があり、実際には三脚を置けないこともあります。


図面だけでは現場の状況が伝わりにくい場合は、


  • カメラ位置から見た写真

  • 歩道の幅

  • 店舗入口

  • 機材を置く予定場所


などの写真を補助資料として用意すると、説明しやすくなることもあります。


現地写真が全国一律で必要というわけではありません。


図面を作るためのロケハンという視点で現場を見ると、申請後の修正も減らしやすくなります。




許可後に配置を変えたくなったら?


撮影当日になって、


「こちらの方が画がいいからカメラを移したい」

「誘導員の位置を変えたい」


となることがあります。


ただし、道路使用許可は申請した内容を前提に審査されています。


警視庁は、東京都内の道路使用許可について、


許可内容に実質的な変更が及ばない範囲


であれば、資器材や交通誘導員の配置変更などを


道路使用許可証記載事項変更届で処理できる場合がある


と案内しています。


一方、新たな審査が必要になる場所の変更などは、新規申請が必要になる場合があります。


これは警視庁の運用例です。


他道府県でも、自己判断で配置を変えず、申請先の警察署へ確認するのが基本です。


道路使用許可を取った後の変更については、別記事で詳しく整理します。




図面を作るときのチェックリスト


道路使用状況図を作るときは、次の項目を確認します。


  • 道路・歩道の形が分かるか

  • 撮影する範囲が分かるか

  • カメラ位置が分かるか

  • 照明・三脚などの機材位置が分かるか

  • 出演者の位置・動線が分かるか

  • スタッフの待機場所が分かるか

  • 一般歩行者の通路が確保されているか

  • 一般車両への影響が分かるか

  • 交通誘導員の位置が分かるか

  • 車両を使う場合、位置や経路が分かるか

  • 店舗・住宅などの出入口を塞いでいないか

  • ケーブルなど道路上に出るものが分かるか

  • 公道と私有地の範囲を整理できているか

  • 図面と実際の撮影計画が一致しているか


必要書類全体については、他記事「道路使用許可の申請に必要な書類」で整理しています。




まとめ


道路撮影の申請図面は、きれいな図面を作ることが目的ではありません。


警察が、


「この撮影では、道路上のどこに誰がいて、何を置き、一般交通にどのような影響があるのか」


を確認できることが重要です。


現場案内図では撮影場所を示し、道路使用状況図では、


  • 撮影範囲

  • カメラ

  • 機材

  • 出演者

  • スタッフ

  • 一般交通の動線

  • 交通誘導員

  • 車両


などを必要に応じて示します。


特に忘れやすいのが、カメラに映らないスタッフや機材の位置です。


完成映像の画角ではなく、撮影当日の現場全体を図にすると考えると分かりやすくなります。


なお、ここで紹介した警視庁の案内は東京都内での申請を前提としたもので、他道府県では様式や記載内容が異なる場合があります。


複雑な撮影では、基本となる図面を作った段階で申請先へ相談し、必要な修正を加えていきます。



関連記事



参考


※道路撮影の許可手続や申請図面について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。



 
 

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