道路で撮影するとき、周辺住民へのお知らせは必要?
更新日:6 日前
道路撮影で、すべてのロケについて周辺住民や店舗へお知らせ(協力依頼文など)を配らなければならない全国共通のルールはありません。
ただし、
店舗や住宅の前で長時間撮影する
早朝・夜間に撮影する
音や強い照明が出る
車両を多数使う
事件や事故に見える演出をする
といった場合は、道路使用許可とは別に、周辺への事前説明や協力依頼を検討した方がよいことがあります。
特に、撮影によって直接影響を受ける店舗や住宅がある場合は、当日に突然撮影を始めるより、事前に日時や撮影内容を伝えておいた方がトラブルを防ぎやすくなります。
この記事では、近隣へのお知らせや事前説明が必要になる場面と、配布時に書いておきたい内容について解説します。
この記事で分かること
周辺住民へのお知らせは必須なのか
事前説明をした方がよい撮影の条件
店舗前・住宅地で撮影するときの配慮
早朝・夜間撮影における搬入・撤収の注意点
事件や事故と誤認される演出への対応
お知らせ(協力依頼文)に書いておきたい内容
どの範囲まで周知するかの考え方
道路使用許可と近隣への説明は別の話
道路使用許可は、道路交通の安全や円滑を確保するための手続です。
一方、周辺住民や店舗への説明は、撮影によって周囲へどのような影響が出るのかを伝え、必要な協力を得るための対応です。
たとえば、
騒音が出る
人や機材が集まる
店舗への出入りに影響する
同じ場所を長時間使う
早朝や夜間に撮影する
といった場合です。
そのため、「道路使用許可を取ったから、周辺への説明も不要になる」わけではありません。
許可の有無と、近隣対応の必要性は分けて考えます。
どんな撮影なら事前説明をした方がいい?
周辺への説明を検討したいのは、次のような撮影です。
大人数のスタッフ・出演者が集まる
長時間同じ場所を使う
店舗や住宅の前で撮影する
機材や車両の搬入出がある
強い照明を使う
大きな声や音が出る
早朝・夜間に撮影する
通行人の動線へ影響する
複数の撮影車両を使う
事件や事故に見える演出をする
こうした撮影では、当日に突然始めるより、「いつ、どこで、何をするのか」を周囲へ知らせておいた方が、撮影をスムーズに進めやすくなります。
店舗前で撮影する場合
道路ロケでは、店舗の前の歩道を使うことがあります。
たとえば、
店舗から出演者が出てくる
店の前で会話する
店舗外観を背景に撮る
店の前にスタッフが待機する
カメラや照明を置く
といった撮影です。
道路使用許可が取れていても、店舗の営業に影響が出ることがあります。
入口が入りづらく見えたり、来店客が撮影を避けたり、スタッフや機材で店の前が混雑したりすることもあります。
直接影響を受ける店舗があるなら、事前に説明しておく方がよいでしょう。
「撮影場所が公道だから、店舗には関係ない」ということではありません。
住宅地で撮影する場合
住宅地でも、撮影規模によって対応は変わります。
日中の小規模撮影で、周囲への影響がほとんどなければ、広い範囲へお知らせを配る必要まではない場合もあります。
一方で、
スタッフが長時間滞在する
車両が何度も出入りする
大きな照明を使う
大声を出す
早朝・夜間に撮影する
のであれば、住民への影響も大きくなります。
道路は公共の場所でも、その周囲には普段生活している人がいます。
撮影そのものだけでなく、その周辺で何が起こるかまで考えることが必要です。
早朝・夜間は、搬入と撤収にも注意
交通量を避けるために、早朝や夜間を選んで撮影することがあります。
交通への影響は減らせても、今度は住宅への影響が大きくなることがあります。
たとえば、
スタッフの話し声
台車の音
機材の搬入音
車のドアを閉める音
エンジン音や発電機の音
照明の光
などです。
本番中だけ静かでも、搬入や撤収の音で苦情が出ることがあります。
近隣へ時間を知らせる場合も、本番時間だけではなく、準備から撤収までを含めて伝えておく方が親切です。
事件や事故に見える撮影は、誤認にも注意
作品によっては、
喧嘩シーン
人が倒れる描写
追いかけるシーン
大声で叫ぶ演出
血糊の使用
武器のように見える小道具の使用
事故のように見える演出
を行うことがあります。
こうした撮影は、周囲から見ると本物の事件や事故との区別がつかないことがあります。
道路使用許可を受けていても、近隣住民や通行人が撮影だと知らなければ、警察や消防へ通報することがあります。
これは、周囲から見れば自然な反応です。
そのため、誤認される可能性がある撮影では、警察との事前相談に加えて、誰に、どのように撮影だと知らせるかも考えておきます。
お知らせには何を書けばいい?
周辺へ協力依頼文などを配る場合は、難しい文章にする必要はありません。
最低限、次の内容が分かるようにしておきます。
撮影日・予備日
撮影時間(準備・撤収時間を含む)
撮影場所
どのような撮影か
人や車の出入りがあるか
音や照明などの影響
制作会社・制作団体名
現場責任者・連絡先
問い合わせ先
必要に応じて、
「店舗への出入りは可能です」
「通行を完全に止める撮影ではありません」
など、周囲が気にしそうなことを具体的に書いておくと分かりやすくなります。
どこまで知らせればいい?
全国一律に、「撮影場所から半径〇メートルまで配る」と決まっているわけではありません。
必要な範囲は、
撮影規模
音の大きさ
撮影時間
車両の出入り
スタッフや出演者の人数
周辺の住宅や店舗の状況
によって変わります。
まずは、直接影響を受ける店舗や住宅を中心に考えるのが分かりやすいでしょう。
撮影規模や地域によっては、町会・自治会・商店街などへの説明を検討することもあります。
警察庁も、ロケ撮影について、内容や地域の特性を踏まえ、合同説明会や地域住民への協力依頼文の配布など、必要かつ十分な合意形成の方法について警察が助言するとしています。
警察への相談時に、近隣対応も整理しておく
道路使用許可の事前相談では、撮影による交通への影響だけでなく、周辺住民や道路利用者との調整について話題になることがあります。
警察庁は、ロケ撮影のための道路使用について、地域住民や道路利用者などとの合意形成が必要不可欠としたうえで、撮影内容や地域の特性に応じた方法について警察が助言・情報提供を行うとしています。
ただし、これは、「すべての撮影で必ずチラシを配らなければならない」という意味ではありません。
事前相談の段階で、
どの店舗や住宅に影響しそうか
どの程度の音や人の動きがあるか
周辺へどのように説明する予定か
まで整理しておくと、警察との相談も進めやすくなります。
お知らせを出したら、書いた内容を守る
近隣へ「18時には撮影を終了します」と知らせておきながら、20時まで撮影を続ければ、当然トラブルになりやすくなります。
同じように、
使用する場所
スタッフ・出演者の人数
使用車両
騒音の程度
撮影時間
なども、説明した内容と実際の撮影が大きく変わらないようにします。
予定が変わり、周囲への影響も変わるのであれば、必要に応じて改めて説明します。
「今回だけ撮れればいい」ではない
道路や店舗、住宅街でのロケは、制作チームだけで完結するものではありません。
撮影側の対応が悪ければ、「もう撮影には協力したくない」と思う住民や店舗が出てくることがあります。
それは、自分たちが次にその場所を使いにくくなるだけではありません。
後から同じ地域で撮影したい別の制作チームにも影響することがあります。
特に、店舗や地域に協力してもらっている場合は、
約束した時間を守る
通路を塞がない
ゴミを残さない
騒音をできるだけ抑える
撤収後は元の状態に戻す
苦情があればきちんと対応する
といった基本的なことが大切です。
その場所を、次の撮影でも使える状態で返す。
これも、ロケをする側の大切な仕事です。
周辺への説明が必要か迷ったら
撮影前に、次の点を確認します。
すぐ近くに住宅や店舗があるか
長時間同じ場所を使うか
大人数が集まるか
機材や車両の搬入出があるか
大きな音が出るか
照明が住宅などへ向くか
早朝・夜間の撮影か
店舗の営業に影響するか
事件や事故と誤認される演出があるか
周辺の人に普段と違う行動を求めるか
当てはまる項目が多いほど、事前説明を検討する必要性も高くなります。
まとめ
道路撮影で、すべてのロケについて周辺住民や店舗へお知らせを配る全国共通のルールがあるわけではありません。
一方で、道路使用許可とは別に、撮影によって影響を受ける住民・店舗・道路利用者との調整が必要になることがあります。
特に、
大人数・長時間の撮影
早朝・夜間の撮影
騒音や強い照明が出る
車両の出入りが多い
店舗前での撮影
事件や事故に見える演出
がある場合は、早い段階で周辺への説明方法や配布範囲を考えておくと安心です。
道路使用許可を取ることだけが、道路撮影の準備ではありません。
その場所を普段使っている人たちに、どんな影響が出るのかまで考えて撮影計画を作ること。
それが当日のトラブルを減らし、その場所で今後も撮影しやすい環境を残すことにつながります。
関連記事
参考
※道路での撮影について、周辺住民・店舗への説明や道路使用許可の進め方で個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページからご相談ください。
