映り込んだポスター・写真・美術作品を使いたい|許可はどこに取る?
更新日:7 日前
撮影した映像を確認したら、店内のポスター、写真、絵画、キャラクターグッズなどが思ったよりはっきり映っていた。
「このまま使うのは少し不安だから、許可を取りたい」
と思っても、次に困るのが、
誰に連絡すればいいのか分からない
という問題です。
映り込んでいるものによって、確認先は変わります。
たとえば、
ポスターなら広告主や制作会社などから窓口を探す
写真なら撮影者や出版社などからたどる
絵画なら作者や管理者を確認する
キャラクターなら権利を管理する会社を探す
といった方法があります。
ただし、目の前にある物の所有者と、著作権を持っている人が同じとは限りません。
そのため、許可を取りたいときは、まず「何が映っているのか」を整理し、そこから権利者や許諾窓口を探していきます。
この記事で分かること
映り込んだポスターや写真の許可は誰に取るのか
店に置いてあるものなら店に聞けばよいのか
権利者が分からない場合の探し方
問い合わせるとき何を伝えればよいのか
メールで許可をもらえばよいのか
権利者が分からない・返事がない場合の裁定制度
返事が来ない場合どうするのか
許可を取った後に何を残しておけばよいのか
まず、「店のもの」と「著作権者」は分けて考える
たとえば、飲食店に飾ってある映画ポスターが映り込んだとします。
そのポスターを店が所有していたとしても、通常、その映画ポスターの著作権まで店が持っているとは限りません。
同じように、
店に飾ってある写真
レストランの絵画
店頭のキャラクターグッズ
雑誌の表紙
なども、物を所有している人と著作権者が別の場合があります。
つまり、「お店がOKと言ったから著作権もOK」ではないということです。
もちろん、店側が権利者との窓口を知っていることもあるので、最初の問い合わせ先として店に聞くことはできます。
ただし、最終的に誰の許可が必要なのかは別に確認します。
ポスターが映っている場合
映画、舞台、商品広告などのポスターには、
写真
イラスト
デザイン
ロゴ
キャラクター
などが含まれていることがあります。
まず、ポスターに記載されている、
会社名
映画会社
配給会社
出版社
広告主
制作会社
などを確認します。
映画ポスターなら
映画会社や配給会社の公式サイトに、
お問い合わせ
ライセンス
商品化
映像利用
権利関係
などの窓口がないか探します。
分からない場合は、一般問い合わせ窓口に、
「映画作品のポスターを映像作品内で使用したいのですが、権利担当窓口を教えてください」
と聞けば構いません。
最初から担当者を正確に探し当てる必要はありません。
写真が映っている場合
写真の場合は、まず撮影者を確認します。
たとえば、
写真集
雑誌
ポスター
店舗装飾
Webから印刷した写真
などによって探し方が変わります。
写真集や雑誌なら、出版社へ問い合わせる方法があります。
写真家名が分かるなら、写真家本人や所属事務所の窓口を探します。
ただし、出版社が写真の著作権を持っているとは限りません。
そのため、
「この写真の映像利用について、どこへ確認すればよいですか」
と、まず窓口を確認する形でも構いません。
絵画や美術作品の場合
絵画や彫刻などでは、
作者本人
作者の遺族
ギャラリー
美術館
著作権管理団体
権利を譲り受けた法人
などが窓口になることがあります。
作品を展示している施設が、必ず著作権者というわけではありません。
ただし、美術館やギャラリーが権利者との連絡窓口になっていることもあります。
そのため、作者や権利者が分からない場合は、まず展示施設へ、
「この作品を映像内で使用したいのですが、著作権についてどこへ確認すればよいでしょうか」
と問い合わせる方法があります。
キャラクターグッズの場合
キャラクター商品は、
キャラクターを制作した会社
出版社
アニメ制作会社
ライセンス管理会社
などが権利を管理していることがあります。
商品本体に、
©表記
会社名
ライセンス表記
があれば、そこから権利者や窓口を探せる場合があります。
有名キャラクターの場合は、公式サイトにライセンス関連の窓口が設けられていることもあります。
権利者が分からない場合はどうする?
最初から著作権者が分からないことは珍しくありません。
その場合は、順番にたどります。
1.映っている物そのものを確認する
ポスター、商品、雑誌などに書かれている会社名や©表記を確認します。
2.公式サイトを探す
権利者と思われる会社や作者の公式サイトで、
お問い合わせ
ライセンス
著作権
商品化
二次利用
メディア利用
などを探します。
3.分からなければ一般窓口へ聞く
担当部署が分からなくても問題ありません。
一般窓口に、
「映像作品で使用したいので、著作権・ライセンス担当の窓口を教えてください」
と問い合わせます。
4.そこから権利者や担当窓口を紹介してもらう
問い合わせ先が権利者本人でなくても、
「その件は〇〇社へお問い合わせください」
と案内してもらえることがあります。
最初から正解の窓口を見つけるというより、今分かっているところから権利者まで順番にたどる
と考えると分かりやすいでしょう。
問い合わせるとき何を伝える?
「使っていいですか?」だけでは、相手も判断しにくくなります。
最低限、次の内容をまとめます。
使用したい作品・写真・ポスターなど
どの部分を使うのか
どの程度の大きさで映るのか
何秒程度映るのか
映画・ドラマ・CM・YouTubeなど作品の種類
どんな場面で使うのか
公開予定の媒体
公開地域
公開期間
商用作品か自主制作か
映像がすでに撮影済みなら、必要に応じて該当カットの静止画を添えると伝わりやすくなります。
問い合わせメールの例
たとえば、店内に飾られていた映画ポスターを使用したい場合なら、次のように問い合わせられます。
映像作品内での使用についてお伺いいたします。現在制作中の短編映画の店内シーンにて、御社作品「〇〇」のポスターが背景に約5秒間映っております。ポスターは画面の右奥に表示され、作品内容や出演者の顔が判別できる程度の大きさです。本作品は映画祭への出品を予定しており、その後、劇場上映・配信等を行う可能性があります。当該ポスターを映像内で使用する場合の許諾について、確認先または必要な手続きがございましたらご教示いただけますでしょうか。
これで十分、話を始められます。
最初のメールで長い契約条件まで書く必要はありません。
まず「誰が判断する案件なのか」を確認するところから始めます。
使用料はいくらですか、と聞いていい?
もちろん構いません。
許諾が必要な場合、
無料
一定の使用料
使用条件付き
使用不可
など、対応は権利者によって異なります。
許可をもらえる前提で進めず、
「使用が可能な場合、使用料や条件があればあわせて教えてください」
と聞いておくと分かりやすいでしょう。
メールで「使用していいです」と言われたら十分?
案件によります。
小規模な利用であれば、メールで利用範囲が明確に確認できれば、その記録を保存しておくこともあります。
一方で、
商業映画
CM
大規模配信
海外展開
長期間の利用
などでは、正式な許諾書や契約書を求められることがあります。
重要なのは、何を、どの作品で、どの範囲まで使用してよいのかが分かる状態にしておくことです。
単に「大丈夫です」だけでは、後から公開範囲が広がったときに困ることがあります。
許可をもらった記録は保存する
許可が取れたら、
メール
許諾書
契約書
使用条件
使用料の記録
添付した画像
該当カット
などを保存します。
作品公開後にも確認できるよう、制作資料として残しておくとよいでしょう。
権利者が分からない・返事がない場合には裁定制度もある
著作権者が誰か分からない、所在が分からない、亡くなった権利者の相続人やその所在を確認できないといった場合には、文化庁の「著作権者不明等の場合の裁定制度」を利用できることがあります。
また、2026年4月からは、著作物の利用可否について権利者の意思を確認できない場合に利用できる「未管理著作物裁定制度」も始まっています。
一定の要件を満たした場合、文化庁長官の裁定を受け、補償金を支払うことで、最長3年間、権利者の許諾を得ずに一定の範囲で利用できる制度です。
ただし、メールを一度送って返事がなかっただけで、自動的に利用できる制度ではありません。
制度ごとに対象となる著作物や申請要件、必要な確認・手続きがあります。
そのため、小規模な映像制作では、
別のカットを使う
ぼかす
差し替える
といった対応の方が現実的な場合もあります。
一方で、どうしてもその著作物を使用する必要があり、通常の許諾取得が難しい場合には、裁定制度も選択肢になります。
返事が来ない場合は?
返事が来ないからといって、許可されたことにはなりません。
その著作物を積極的に映していて、通常の許諾を確認できない場合は、
再度問い合わせる
別の窓口を探す
裁定制度の対象になるか確認する
ぼかす
カットを変更する
別テイクを使う
撮影用素材へ差し替える
といった方法を検討します。
特定のポスターや美術作品である必要がないなら、差し替えの方が早いこともあります。
結局、許可を取りたいときはどうすればいい?
1.何が映っているか特定する
まず、ポスター、写真、絵画、キャラクターなど、何を利用しようとしているのか確認します。
2.表示されている会社名や作者名を探す
©表記、出版社、メーカー、作者名などが手掛かりになります。
3.公式窓口へ問い合わせる
担当部署が分からなければ、一般問い合わせから始めても構いません。
4.使い方を具体的に伝える
秒数、大きさ、作品の種類、公開媒体、公開地域などを伝えます。
5.許可条件を記録する
メールや許諾書などは制作資料として保存します。
6.通常の許諾が難しければ、別の方法を考える
権利者や利用可否を確認できない場合には、裁定制度の対象になるか確認する方法もあります。
その著作物である必要がなければ、ぼかしや差し替えも検討します。
まとめ
映り込んだ著作物について許可を取りたい場合は、まず権利者や許諾窓口を探すところから始めます。
店や施設の所有者と著作権者は別の場合がある
ポスターなら映画会社・配給会社・広告主などから窓口を探す
写真なら撮影者や出版社などからたどる
美術作品なら作者・施設・管理団体などを確認する
キャラクターなら©表記や公式窓口から探す
担当部署が分からなければ一般問い合わせから確認してよい
問い合わせでは利用方法を具体的に伝える
許可の範囲や条件は記録しておく
返事が来ないことは許可ではない
権利者や利用可否を確認できない場合には裁定制度が利用できることもある
特定の著作物である必要がなければ差し替える方法もある
という流れになります。
「著作権者を自力で一発で見つける」のではなく、「今分かっている窓口から権利者までたどっていく」。
この考え方で進めると、許可取りを整理しやすくなります。
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参考
※映画や動画に映り込んだポスター・写真・美術作品などについて、権利者や許可の取り方を個別に確認したい場合は、お問い合わせからご相談ください。
