イラストや音楽を外注したら、制作者が生成AIを使っていた|問題はある?
更新日:9月10日
結論からいうと、生成AIを使っていたこと自体で、すぐに使えなくなるわけではありません。
ただし、外注した側としては、
どのAIサービスを使ったか
商用利用できる条件だったか
既存作品や素材を元にしていないか
完成物を映画や動画で使える状態になっているか
を確認した方がよいです。
つまり、「納品物が完成しているから大丈夫」ではなく、どう作られたものかも少しだけ確認する必要があります。
この記事で分かること
外注先が生成AIを使っていたら問題なのか
依頼者側は何を確認すればよいのか
既存作品を参考にしていた場合はどうするのか
契約では何を書いておけばよいのか
実際に外注先へどう聞けばよいのか
生成AIを使っていたこと自体は問題ではない
たとえば、イラストレーターや作曲家が、
ラフ案づくり
アイデア出し
背景生成
仮メロ作成
音素材の生成
などにAIを使っていることがあります。
それだけで直ちに問題になるわけではありません。
大事なのは、完成物をこちらが予定どおり使えるかです。
まず「何にAIを使ったか」を聞く
同じAI利用でも、範囲はかなり違います。
たとえば、
アイデア出しだけ
ラフだけAIで作成
背景のみAI生成
ほぼ完成品をAIで生成
AI生成物を人が大きく修正
などがあります。
なので、
どの部分に生成AIを使いましたか?
と聞くだけでも整理しやすくなります。
どのAIサービスを使ったかも聞く
次に、
どの生成AIサービスを使いましたか?
と確認します。
サービスごとに、
商用利用
加工
第三者利用
再配布
プランごとの条件
が違うためです。
映画や動画で使うなら、外注先が使ったプランでも商用利用できるかを見ます。
既存作品を元にしていないか聞く
ここは特に大切です。
たとえば、
有名イラストを読み込ませた
特定キャラクターを元に生成した
有名曲に似せて作った
既存写真をAI加工した
という場合。
その元作品の権利が関係することがあります。
なので、
既存作品・既存画像・既存楽曲を入力したり、特定作品を元に生成したものではないですか?
と確認しておくと分かりやすいです。
「AIを使っていたら絶対NG」にする必要はある?
必ずしもありません。
たとえば、
背景案だけAIで出した
最終的には人が描き直した
仮メロだけAIで作って、完成曲は人が作った
という使い方もあります。
そのため、AI使用の有無だけで判断するより、最終成果物と生成過程を見る方が現実的です。
逆に、AIを使ってほしくない場合は?
映画制作側が、
完全手描きを希望している
AI生成物を使いたくない
権利処理をシンプルにしたい
クライアントがAI利用を禁止している
場合は、最初から契約や発注文に書いておきます。
たとえば、
本制作物の制作にあたり、生成AIを使用する場合は事前に承諾を得るものとする。
という形です。
もっと厳しくするなら、
本制作物の制作には生成AIを使用しないものとする。
と決めます。
AI使用を禁止しないなら、何を書けばいい?
禁止しない場合でも、最低限、
AIを使ったら申告する
使用サービス名を伝える
商用利用可能な条件で使う
第三者作品を無断で入力しない
完成物が第三者の権利を侵害しないようにする
くらいは決めておくと分かりやすいです。
実際に外注先へどう聞けばいい?
納品前なら、こんな聞き方で十分です。
今回の制作物について、生成AIを使用している部分があれば教えてください。使用したサービス名と、どの部分に使用したかも分かる範囲でお願いします。また、既存の作品・画像・楽曲などを入力して生成したものではないか、商用利用できる条件で制作されているかも確認させてください。
発注前なら、
生成AIを使用する場合は、使用箇所とサービス名を事前に共有してください。第三者の作品を無断で入力した生成は避け、映画・配信・宣伝等で商用利用できる条件で制作してください。
としておくとよいでしょう。
すでに納品された後でAI使用が分かったら?
まず、
どこにAIを使ったか
どのサービスを使ったか
既存作品を元にしていないか
商用利用できる条件か
を確認します。
問題がなければ、そのまま使える場合もあります。
一方で、
有名作品にかなり似ている元画像を無断で使っていた
商用利用不可のサービスだった
などが分かった場合は、修正や作り直しを依頼した方がよいでしょう。
結局、外注先がAIを使っていたらどうすればいい?
1.AI使用の有無だけで判断しない
何に使ったかを聞きます。
2.サービス名とプランを見る
商用利用できるか確認します。
3.元ネタを聞く
既存作品を入力していないか確認します。
4.問題があれば作り直してもらう
完成後なら、無理にその素材を使う必要はありません。
5.今後は発注時にルールを決める
AI使用の申告や事前承諾を入れておきます。
まとめ
外注先が生成AIを使っていた場合、AI使用そのものを理由にすぐNGと考える必要はありません。
大切なのは、
どの部分にAIを使ったか
どのサービスを使ったか
商用利用できるか
既存作品を元にしていないか
完成物を予定どおり使えるか
です。
AIを使ったかどうかより、「その制作物を安全に使える状態で納品してもらえるか」を見る。
外注では、この考え方が一番実用的です。
参考
※外注したイラスト・音楽・デザイン等に生成AIが使われていた場合の権利関係や契約内容について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
