生成AIで作ったものが他人の作品に似ていたらどうする?
更新日:9月18日
結論からいうと、AI生成物が既存作品に似ていると気づいたら、まず利用を止めて、どの段階まで使っているかを確認します。
まだ制作中なら、作り直すのが一番簡単です。
すでに動画やポスターへ組み込んだ後なら差し替えを検討し、公開後に気づいた場合は、公開先や利用状況まで確認して対応します。
生成AIで作った画像や音楽、文章が、
有名なキャラクターに似ている
特定の映画ポスターに近い
既存曲のメロディーに似ている
有名なセリフに近い
ということがあります。
このとき大切なのは、「AIが作ったから仕方ない」と考えず、完成したものと現在の利用状況を見て判断することです。
この記事で分かること
AI生成物が既存作品に似ていたらどうするか
画像・音楽・文章では何を見るのか
一部だけ変えればよいのか
制作中ならどう作り直すか
すでに動画やポスターに使っていた場合はどうするか
公開後に気づいた場合はどう対応するか
生成・修正履歴をどう残すか
まず「似ている」と感じたら、一度利用を止める
制作中に、「これ、何かに似てない?」と思ったら、一度その素材を候補から外します。
この段階なら、
画像を再生成する
曲を作り直す
セリフを書き換える
別の素材へ差し替える
ことができます。
公開してから問題になるより、制作中に変える方がずっと簡単です。
まず確認したいのは、その素材が今どこまで使われているかです。
まだ候補素材の段階
編集中の動画に入れている
ポスターやサムネイルを作成済み
映画祭へ提出済み
YouTubeやSNSですでに公開している
DVDや印刷物として配布している
どの段階かによって、必要な対応が変わります。
画像なら何を見る?
AI画像なら、
キャラクターの顔
髪型
衣装
配色
ポーズ
構図
背景
小物
などを見ます。
一つの要素だけではなく、複数の特徴が重なって、「これ、あの作品にかなり近い」と制作側でも感じる状態なら、実務上は作り直す方が扱いやすいでしょう。
特に、
キャラクターデザイン
映画ポスター
メインビジュアル
サムネイル
劇中で大きく映る画像
など、作品の中心になる素材では慎重に見ます。
音楽なら何を見る?
AI音楽なら、
メロディー
特徴的なフレーズ
サビ
曲の展開
リズム
歌詞
などを確認します。
特に、印象的なメロディーや歌詞が既存曲にかなり近い場合は、そのまま使わない方が実務的です。
BGMとして小さく使うから大丈夫、という話でもありません。
作品の中での使い方とは別に、まず生成された音楽そのものが既存作品とどの程度似ているかを確認します。
文章や脚本なら?
文章や脚本では、
特徴的なセリフ
独特な言い回し
場面の流れ
特徴的な設定
具体的な描写
などを見ます。
一般的なアイデアや設定まで避ける必要はありません。
たとえば、
犯人を追う刑事
閉鎖された家で起きるホラー
幼なじみが再会する恋愛もの
といった抽象的な設定が似ているだけなら、それだけで著作権侵害になるわけではありません。
一方で、具体的なセリフや場面表現、特徴的な描写まで近い場合は書き直すことを考えます。
少しだけ変えれば大丈夫?
必ずしもそうではありません。
たとえばキャラクターについて、
髪の色だけ変える
名前だけ変える
服の色だけ変える
程度では、全体としてまだ元キャラクターに似ていることがあります。
そのため、「何個変えたか」ではなく、完成したもの全体がどう見えるかで考えます。
音楽でも同じです。
楽器だけ変えたり、テンポだけ少し変更したりしても、中心となるメロディーが近いままなら問題が解消したとは限りません。
文章でも、固有名詞だけ変えて特徴的なセリフをそのまま残すような方法では十分とはいえません。
どう作り直せばいい?
まず、何が似ているのかを分解します。
画像なら、
髪型を変更
衣装を変更
配色を変更
年齢を変更
構図を変更
時代設定を変更
背景を変更
小物を変更
など、複数の要素を変えます。
音楽なら、
メロディー
テンポ
楽器
曲構成
リズム
コード進行
歌詞
などを見直します。
文章・脚本なら、
セリフ
人物設定
場面展開
視点
描写
シーンの目的
などを変えます。
一部分だけを直すより、似ている原因になっている部分をまとめて変える方が分かりやすいです。
特定作品を指定して作っていたなら、プロンプトも変える
もし、
「〇〇みたいに」
「〇〇そっくりに」
「〇〇という映画のポスター風に」
など、特定作品を直接指定していたなら、その指定を外します。
代わりに、
ジャンル
時代
色
雰囲気
カメラ位置
光
画面構成
音楽ジャンル
など、自分が本当に欲しい要素を一般的な言葉へ分解して指定する方法があります。
特定作品名を入れた生成物がその作品に近い場合、元作品への依拠性を考えるうえで、そのプロンプト内容も一つの事情になり得ます。
すでに動画やポスターに使っていたら?
まだ公開前なら、差し替えられるうちに対応します。
たとえば、
AI画像を別画像へ差し替える
ポスターを作り直す
サムネイルを変更する
BGMを別の曲へ変更する
セリフや文章を書き換える
劇中素材を別のものへ差し替える
といった方法があります。
映画祭へすでにデータを提出している場合や、配信会社などへ納品している場合は、差し替えが可能かも確認します。
公開前だから何もしなくてよいのではありません。
公開前だからこそ、直せるうちに直す。
この考え方が実務的です。
公開した後に気づいたら?
YouTube、SNS、Webサイトなどですでに公開した後に似ていることへ気づいた場合は、まず利用状況を確認します。
どこで公開しているか
画像・音楽・文章のどの部分を使っているか
差し替えや削除ができるか
広告や宣伝物にも使っているか
映画祭や上映会ですでに使ったか
DVDや印刷物など、すでに配布したものがあるか
そのうえで、変更できるものから対応します。
たとえば、
Web上の画像を差し替える
SNS投稿を削除・差し替える
サムネイルを変更する
動画を編集して再公開する、または公開先で可能な修正方法を確認する
BGMを差し替える
配信先へ差し替えが可能か確認する
といった方法があります。
一方で、
映画祭上映済み
DVD販売済み
印刷物配布済み
広告出稿済み
など、簡単には戻せない利用もあります。
その場合は、どこまで利用が広がっているかを整理したうえで、必要な対応を考えることになります。
似ているか自分で分からない場合は?
自分で作っていると、似ていることに気づきにくいことがあります。
その場合は、制作チームの別の人に、
これ、何か既存作品を連想する?
と見てもらう方法もあります。
特に、
ポスター
メインビジュアル
キャラクター
主題歌
タイトルロゴ
宣伝用画像
など、作品の中心になる素材では第三者の目を入れるとよいでしょう。
ただし、第三者が「大丈夫そう」と言ったから法的に問題がなくなるわけではありません。
あくまで、制作段階で似ているものを見つけるための確認方法の一つです。
生成過程も残しておく
AI生成物を使うなら、
使用したサービス
生成日
プロンプト
修正前の生成物
作り直した履歴
最終版
などを残しておきます。
途中で、
この案は既存作品に似ていたので不採用にした。
という履歴も残っていれば、どのように最終版へ変更したのか確認しやすくなります。
ただし、生成記録を残していれば著作権上問題がなくなるわけではありません。
記録は、制作過程を後から確認するためのものです。
結局、似ていたらどうすればいい?
1.まず利用を止める
制作中なら、一度候補から外します。
2.どの段階まで使っているか確認する
制作中、公開前、提出済み、公開済みなどを確認します。
3.何が似ているか分解する
キャラクター、構図、メロディー、セリフなどを見ます。
4.制作中なら作り直す
似ている部分を複数変更して、別の素材にします。
5.すでに使っているなら差し替えられる場所を確認する
動画、ポスター、サムネイル、BGMなどを見直します。
6.公開後なら利用範囲を整理する
どこで、どの程度使われているのかを確認します。
7.生成・修正履歴を残す
プロンプトや作り直しの経緯を保存します。
まとめ
生成AIで作ったものが他人の作品に似ていると気づいた場合は、まず利用を止めて、今どの段階まで使っているかを確認します。
まだ制作中なら、作り直すのが一番簡単です。
すでに動画やポスターへ組み込んでいるなら差し替えを考え、公開後なら利用先や利用範囲まで整理します。
ポイントは、
AIが作ったことは免責にならない
完成物そのものを見る
一部だけ変えればよいとは限らない
似ている原因を分解して修正する
特定作品を指定したプロンプトは外す
公開前なら直せるうちに直す
公開後なら利用範囲を確認する
生成・修正の履歴を残す
ということです。
これから使う素材なら、「使えるかどうか」をギリギリまで考えるより、似ていないものを作り直す。
すでに使ってしまったなら、どこまで使っているのかを整理して、変更できるところから対応する。
生成AIを使う場合は、この二段階で考えると分かりやすくなります。
参考
※生成AIで作った画像・音楽・文章と既存作品との類似や、公開後の対応について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
