道路で撮影するとき、周辺住民へのお知らせは必要?
- 4 日前
- 読了時間: 8分
更新日:9 時間前
道路でロケ撮影をするとき、
「周辺の住民や店舗に、撮影のお知らせを配らないといけない?」
と迷うことがあります。
道路使用許可を取れば、それだけで周辺への説明まで完了するのでしょうか。
結論からいうと、道路撮影について、すべてのロケで一律に「近隣へお知らせを配布しなければならない」という全国共通のルールがあるわけではありません。
ただし、撮影内容によっては、周辺住民や店舗などへの事前説明や協力依頼が非常に重要になります。
警察庁も、ロケ撮影のための道路使用について、地域住民や道路利用者等との合意形成が必要不可欠としており、撮影内容や地域の特性に応じて、合同説明会や協力依頼文の配布などについて警察が助言することがあると案内しています。
つまり、「法律上必ずチラシを配るか」だけではなく、その撮影を周囲とのトラブルなく実施できるかという視点で考える必要があります。
道路使用許可と近隣への説明は別の話
道路使用許可は、道路交通の安全や円滑を確保するために、警察署長から受ける許可です。
一方、周辺住民や店舗への説明は、
騒音が出る
人や機材が集まる
店舗への出入りに影響する
同じ場所を長時間使用する
早朝や夜間に撮影する
といった、撮影によって周囲へ生じる影響を説明し、協力を得るための対応です。
したがって、道路使用許可を取ったから、周辺への説明は一切不要ということにはなりません。
許可の有無と、近隣対応の必要性は分けて考えましょう。
どんな撮影ならお知らせをした方がいい?
特に周辺への事前説明を検討したいのは、次のような撮影です。
大人数のスタッフや出演者が集まる
長時間同じ場所を使用する
店舗や住宅の前で撮影する
機材や車両の搬入出がある
照明を使用する
大きな声や音が出る
早朝・夜間に撮影する
通行人の動線へ影響する
撮影車両を複数台使用する
事件や事故に見える演出をする
こうした撮影では、撮影当日に突然始めるより、「いつ、どこで、何をするのか」
を周囲へ知らせておいた方がトラブルを防ぎやすくなります。
店舗前で撮影する場合
道路ロケでは、店舗の前の歩道を使うことがあります。
たとえば、
店舗から出演者が出てくる
店の前で会話する
店舗外観を背景に撮る
店の前にスタッフが待機する
カメラや照明を置く
といった撮影です。
この場合、道路使用許可が取れていても、撮影によって店舗の営業へ影響することがあります。
入口が入りづらく見えたり、来店客が撮影を避けたり、スタッフや機材によって店の前が混雑したりすることもあります。
特に直接影響を受ける店舗には、できるだけ事前に説明しておいた方がよいでしょう。
住宅前で撮影する場合
住宅地での撮影も注意が必要です。
日中の小規模撮影で大きな影響がなければ、広範囲への告知まで必要ない場合もあります。
一方、
スタッフが長時間滞在する
車両が出入りする
大きな照明を使う
大声を出す
夜間・早朝に撮影する
のであれば、住民への影響は大きくなります。
道路は公共の場所でも、その周囲には普段生活している人がいます。
「公道だから周辺住民には関係ない」という考え方では、ロケを円滑に進めることはできません。
早朝・夜間の撮影は特に注意
道路の交通量が少ない時間帯を選ぶため、早朝や夜間に撮影することがあります。
交通への影響を減らすという意味では合理的ですが、今度は住宅への影響が大きくなることがあります。
たとえば、
スタッフの話し声
台車の音
機材の搬入音
車のドアを閉める音
エンジン音
発電機
照明
などです。
本番中だけ静かにしていても、搬入や撤収時の音が問題になることがあります。
近隣へ説明するときも、撮影本番の時間だけでなく、準備から撤収までの時間を伝えておく方が親切です。
事件や事故に見える撮影
作品によっては、
喧嘩
人が倒れる
追いかける
大声で叫ぶ
血糊を使う
武器のように見える小道具を使う
事故のように見える演出をする
ことがあります。
こうした撮影は、周囲の人から見ると本物の事件や事故との区別がつかない場合があります。
道路使用許可を受けていたとしても、近隣住民が撮影だと知らなければ、当然、警察や消防へ通報する可能性があります。
これは撮影側が悪いというより、周囲から見れば自然な反応です。
そのため、誤認される可能性がある撮影では、警察との事前相談だけでなく、必要に応じて周辺への説明方法も検討しましょう。
お知らせには何を書けばいい?
周辺へ協力依頼文などを配布する場合は、難しい文章にする必要はありません。
最低限、
撮影する日
撮影する時間帯
撮影場所
どのような撮影か
人や車の出入りがあるか
音や照明などの影響
制作会社・制作団体名
現場責任者
問い合わせ先
などが分かるようにしておくとよいでしょう。
必要に応じて、
「通行を完全に止めるものではありません」
「店舗の出入りは可能です」
など、周囲が一番気にしそうな点を具体的に書くと分かりやすくなります。
どこまで配ればいい?
これも全国一律に、「撮影場所から半径○メートル」などと決まっているわけではありません。
必要な範囲は、
撮影規模
音の大きさ
撮影時間
車両の出入り
人数
地域の状況
によって変わります。
直接影響を受ける店舗や住宅を中心に考え、撮影内容によっては町会・自治会・商店街などへの説明が必要になることもあります。
大規模な撮影では、関係者を交えた説明会を行うケースもあります。
警察庁も、ロケ撮影の内容や地域の特性を踏まえ、合同説明会や地域住民への協力依頼文の配布など、必要かつ十分な合意形成方法について警察が助言するとしています。
警察から近隣対応について確認されることもある
道路使用許可の相談時に、
「周辺の店舗には説明していますか」
「住民への周知はどうしますか」
と確認されることも考えられます。
特に周囲への影響が大きい撮影では、近隣対応も含めて撮影計画を考えておいた方がスムーズです。
警察庁も、ロケ撮影について、交通上の調整だけでなく地域住民等との合意形成について警察が助言する取組を明示しています。
フィルムコミッションが調整を支援することもある
地域によっては、フィルムコミッションが周辺との調整を支援してくれることがあります。
警察庁も、フィルムコミッションには、関係機関との事前調整や地域住民等との合意形成において中心的な役割を果たすことが期待されるとしています。
特に、
大規模な映画・ドラマ撮影
複数の関係機関が関わる撮影
地域全体への影響がある撮影
では、撮影地域のフィルムコミッションへ早めに相談する方法があります。
お知らせを出したら、書いた内容を守る
近隣へ、「18時には撮影を終了します」と知らせておきながら、20時まで撮影を続ければ、当然トラブルになりやすくなります。
同じように、
使用する場所
人数
車両
騒音
撮影時間
などについて説明した内容と、実際の撮影が大きく違わないようにしましょう。
予定が変わった場合には、必要に応じて改めて説明することも大切です。
「今回だけ撮れればいい」ではない
道路や店舗、住宅街でのロケは、その制作チームだけで完結するものではありません。
撮影隊の対応が悪ければ、「もう撮影には協力したくない」と思う住民や店舗が出てくることがあります。
その結果、自分たちが次にその場所を使えなくなるだけではなく、後からその地域で撮影したい別の制作チームにも影響することがあります。
撮影に協力してもらう地域との関係を壊さないことも、制作側の大切な仕事です。
特に、無償で協力してもらっている店舗や地域では、
約束した時間を守る
通路を塞がない
ゴミを残さない
騒音を最小限にする
撤収後に原状回復する
苦情があればきちんと対応する
といった基本的な対応を徹底しましょう。
周辺への説明が必要か考えるポイント
撮影前に、次の点を確認してみましょう。
撮影場所のすぐ近くに住宅や店舗があるか
長時間同じ場所を使うか
大人数が集まるか
機材や車両の搬入出があるか
大きな音が出るか
照明が住宅などへ向く可能性があるか
早朝・夜間の撮影か
店舗の営業に影響するか
事件や事故と誤認される演出があるか
周辺の人が普段と違う行動を求められるか
影響が大きいほど、事前説明の必要性も高くなります。
まとめ
道路撮影について、すべてのロケで一律に周辺住民へお知らせを配布しなければならないわけではありません。
しかし、道路使用許可とは別に、撮影によって影響を受ける住民・店舗・道路利用者との調整が必要になることがあります。
警察庁も、ロケ撮影では地域住民や道路利用者等との合意形成が必要不可欠としており、撮影内容に応じて説明会や協力依頼文の配布などを行うことを想定しています。
特に、
大人数
長時間
早朝・夜間
騒音
車両
店舗前
事件や事故に見える演出
などがある場合は、早い段階で周辺への説明方法を検討しましょう。
道路使用許可を取ることだけが道路撮影の準備ではありません。
警察、道路利用者、店舗、住民など、その場所を普段使っている人たちと無理なく共存できる撮影計画を作ることが、安全にロケを行い、その場所を将来も撮影に使える環境につながります。
関連記事
参考
※道路での撮影について、周辺住民・店舗への説明や道路使用許可の進め方で迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。


コメント