top of page
映像制作の撮影現場

​映像制作を法務面からサポート

​ゆかり行政書士事務所

​ゆかり行政書士事務所

店舗前の道路や建物の共用部分も使う場合

8月20日
読了時間: 9分

更新日:5 日前


店舗から撮影許可をもらっても、店の前の歩道や、建物の廊下・エントランスまで自由に撮影できるとは限りません。


店舗の専有部分を出ると、


  • 公道

  • 建物の共用部分

  • 公開空地

  • 隣接する私有地


など、別の管理者がいる場所に変わることがあります。


ただし、店内から道路が背景に映るだけで道路使用許可が必要になるわけではありません。


確認するのは、カメラ・出演者・スタッフ・機材が実際にどこへ入るかです。



この記事でわかること

  • 店舗の許可で店の前まで使えるのか

  • 店舗前の歩道を使う場合

  • 建物の廊下・エントランスで撮る場合

  • 公開空地とは何か

  • 出演者が店から道路へ出るシーン

  • 道路使用許可が関係する場合

  • 店舗・建物・道路の管理者が違う場合




店舗の許可が及ぶ範囲を確認する


まず確認したいのは、店舗側が撮影を認められる範囲です。


路面店であれば、店内だけでなく入口付近まで店舗が使用しているように見えることがあります。


商業施設内の店舗であれば、店の前の通路まで店舗の一部のように見えることもあります。


しかし、実際には、


  • 店舗の専有部分

  • 建物の共用部分

  • 私有地

  • 道路や歩道


で管理者が異なることがあります。


そのため店舗側に、「撮影について、このお店だけで許可できる範囲はどこまでですか」と確認しておくと分かりやすくなります。




商業施設の通路は店舗だけでは許可できないことがある


ショッピングモール、駅ビル、百貨店、複合ビルなどでは、店舗前の通路やエントランスなどは共用部分として施設側が管理していることがあります。


たとえば、


  • 共用通路

  • エントランス

  • エレベーターホール

  • エスカレーター

  • 階段

  • 駐車場

  • 搬入口

  • 共用の待合スペース


などです。


店舗側から店内撮影の承諾を得ていても、これらの場所を撮影したり、機材を置いたりする場合には、施設管理者への確認が必要になることがあります。


東京ロケーションボックスでも、撮影施設ごとに手続や提出書類は異なり、施設に隣接する道路を使用する場合などは、施設の撮影手続とは別の手続が必要になると案内しています。




撮らなくても「使う」なら確認する


見落としやすいのが、画面には映らない場所です。


たとえば、


  • 共用通路に照明を置く

  • 廊下にスタッフが待機する

  • エントランスに機材ケースを置く

  • 搬入口から大量の機材を運び込む

  • 駐車場を撮影車両用に使う


といった場合です。


その場所自体を撮影しなくても、撮影のために使用するのであれば管理者への確認が必要になることがあります。


「画角に入る場所」だけではなく、撮影隊が占有・使用する場所全体を確認するのがポイントです。




店舗前の道路や歩道は店舗の許可だけでは使えない


路面店では、店舗前の歩道から外観を撮りたいことがあります。


しかし、道路や歩道は、基本的に店舗側の撮影許可だけで自由に使用できる場所ではありません。


道路交通法では、道路においてロケーション等を行う行為について、一定の場合に道路使用許可が必要になる仕組みがあります。


警察庁は、道路における祭礼行事やロケーション等を、道路交通法第77条第1項に基づく道路使用許可の対象となる行為として案内しています。


そのため、「店から許可をもらったから、店の前の歩道にも自由にカメラを置ける」ということにはなりません。




道路に少し出るだけでも撮影方法を確認する


道路使用許可が必要になるかどうかは、


  • 撮影場所

  • 撮影時間

  • 人数

  • 使用する機材

  • 通行への影響

  • 出演者の動き


などによって変わります。


たとえば、


  • 歩道に三脚や照明を置く

  • スタッフが長時間滞留する

  • 出演者が同じ動きを繰り返す

  • 歩行者の流れに影響する

  • 車道を使用する


といった撮影は、通常の通行とは性質が異なります。


「カメラ1台だけだから許可は不要」と人数や機材だけで判断せず、


道路を撮影場所として使用する場合は、撮影方法や通行への影響を整理したうえで、


必要に応じて所轄警察署へ事前相談しましょう。


警察庁も、ロケ撮影については時間的余裕を持って警察へ事前相談することを案内しています。




許可は全国共通の制度


道路使用許可は東京都だけの制度ではありません。


道路交通法に基づく全国共通の制度で、申請は原則としてその道路を管轄する警察署へ行います。


必要書類や手数料、具体的な運用については都道府県警察ごとに確認します。


ロケ撮影では、


  • 撮影場所

  • 撮影時間

  • 人員配置

  • 機材の配置

  • 出演者の動き

  • 通行人や車両への影響


などを説明できるようにして相談するとよいでしょう。




道路使用許可と店舗の許可は別


店舗前で撮影するときは、店舗側の承諾と道路上で撮影するために必要な手続を分けて考える必要があります。


たとえば、店から道路へ出演者が出てくるシーンでは、


「店内・店舗入口については店舗側」

「道路や歩道については道路上の撮影手続」


というように、一つのカットの中で複数の管理者が関係することがあります。


どちらか一方の許可が取れれば全部撮影できるわけではありません。




道路占用許可が関係する場合もある


道路上の撮影でまず問題になりやすいのは道路使用許可ですが、道路の使い方によっては、道路管理者による道路占用許可が関係する場合もあります。


道路使用許可は主に交通の安全や円滑という観点から警察が扱う制度です。


一方、道路占用許可は、道路に一定の物件や施設を設けて継続的に使用する場合などに、道路管理者が扱う制度です。


通常の短時間のロケ撮影で必ず道路占用許可が必要になるわけではありません。


ただし、撮影内容によっては複数の手続が関係することがあるため、特殊な設備を設置する場合などは道路管理者への確認も必要です。


詳しくは「道路使用許可と道路占用許可の違い」の記事で整理しています。




店舗と道路の間に私有地がある場合もある


店舗の入口と歩道の間に、


  • 建物の敷地

  • セットバック部分

  • 私道

  • 公開空地

  • 商業施設の敷地


などがあることもあります。


公開空地とは、ビルや商業施設などの敷地内に設けられ、一般の人が通行や滞在に利用できるよう整備されたスペースです。


見た目は歩道や広場のようでも、道路ではなく、建物や土地の所有者・管理者が管理している場合があります。


そのため、公開空地で撮影する場合も、「誰でも入れる場所だから自由に撮影できる」とは限りません。


カメラや三脚を置く、出演者を立たせる、スタッフを待機させるなど、撮影のために使用する場合は、管理者への確認が必要になることがあります。


また、見た目だけでは、公道なのか私有地なのか分からないことがあります。


このような場所に、


  • カメラを置く

  • 出演者を立たせる

  • スタッフを待機させる


場合は、その場所を誰が管理しているのか確認しましょう。


公道ではなかったから自由に使える、というわけでもありません。


私有地であれば、その土地や施設の管理者との調整が必要になります。




共用部分では他の利用者への影響も考える


建物の共用部分は、他の店舗や一般利用者も使用します。


そのため、


  • 通路を塞がない

  • エレベーターの利用を妨げない

  • 避難経路を塞がない

  • 他店舗の入口を塞がない

  • 大量の機材を放置しない


といった配慮が必要です。


店舗側が撮影に協力的でも、他のテナントや施設利用者へ影響が出れば、施設管理者から撮影方法の変更を求められることがあります。


特に商業施設では、店舗だけでなく施設全体の営業を妨げないことを前提に撮影計画を立てましょう。




東京都内の道路で撮影する場合


東京都内でも、道路上のロケ撮影については道路使用許可制度が適用されます。


東京ロケーションボックスでは、都内の道路・歩道・地下道などでロケを希望する場合、撮影場所を管轄する警察署へ道路使用許可を申請する流れを案内しています。


申請時には、


  • 道路使用許可申請書

  • 地図

  • 道路の使用方法を示す図面

  • 企画書

  • 台本の抜粋


などが必要になる場合があります。


東京ロケーションボックスでは、申請から許可まで通常1週間程度を要すると案内しており、


撮影場所や内容によっては道路・歩道での撮影利用を抑制している区域もあるため、


早めに所轄警察署へ相談するよう案内しています。


これは東京都内での具体的な運用例なので、他の地域で撮影する場合は、その地域を管轄する警察や道路管理者の案内を確認しましょう。




店舗の内外をまたぐ撮影では先に全体図を作る


店舗の中から外へ連続して撮影する場合は、ロケハンの段階で簡単な図を作っておくと整理しやすくなります。


たとえば、


  • 店内のどこにカメラを置くか

  • 出演者がどこを歩くか

  • 歩道に機材を置くか

  • スタッフがどこに待機するか

  • 車両をどこに止めるか

  • 一般の通行人を妨げないか


などを書き込みます。


そうすると、店舗の管理範囲・建物の管理範囲・道路の範囲を分けて確認できます。


店舗側や警察、施設管理者へ説明するときにも使いやすくなります。




店舗の外まで使う場合の確認順序


店舗前の道路や建物の共用部分まで使用する場合は、次の順序で確認すると整理しやすくなります。


  1. 実際に使用する範囲を決める

  2. 店舗側が許可できる範囲を確認する

  3. 共用部分を使用するか確認する

  4. 共用部分の施設管理者を確認する

  5. 道路や歩道を使用するか確認する

  6. 道路使用許可が必要か所轄警察署へ確認する

  7. 必要に応じて道路管理者への手続も確認する

  8. カメラ・機材・出演者・スタッフの配置を整理する

  9. 必要な承諾や許可をそろえて撮影する




まとめ


店舗撮影では、店から撮影の承諾を得れば、周囲の場所まで自由に使えるわけではありません。


店舗の外へ撮影範囲が広がる場合には、店舗の専有部分・建物の共用部分・私有地・道路や歩道を分けて考える必要があります。


特に店舗前の道路や歩道を撮影に使用する場合には、道路交通法に基づく道路使用許可が必要になることがあります。


また、商業施設の通路やエントランスなどを使用する場合には、店舗とは別に施設管理者への確認が必要になることがあります。


重要なのは、「何が画面に映るか」だけでなく、「撮影のために人や機材がどこを使用するか」まで確認することです。


ロケハンの段階で撮影範囲と管理者を整理し、必要な承諾や手続を確認してから撮影を進めましょう。



関連記事



参考


※店舗前の道路や建物の共用部分を含む撮影について、必要な許可や管理者との調整で迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。

 
 

最新記事

すべて表示
公園の撮影許可を取ったあと、内容が変わったら?|日時・人数・機材・撮影内容の変更

公園の撮影許可を取ったあとに、撮影日時や人数、機材、撮影する場面が変わることはあります。 ただし、許可を取ったあとだから、変更した内容でもそのまま撮影してよいとは限りません。 公園の撮影許可は、申請した日時・場所・人数・機材・撮影内容などを前提に出されていることがあります。 そのため、内容が変わった場合は、何が変わったのかを整理して、撮影前に公園管理者へ確認するのが基本です。 特に、 撮影日時が変

 
 
道路使用許可を取った後に内容が変わったら?|時間・場所・車両・予備日の変更

道路使用許可を取った後でも、撮影内容が変わることはあります。 たとえば、 撮影時間が変わった 撮影場所を少し移動したい 車両が増えた 機材や交通誘導員の配置が変わった 雨天のため予備日に変更したい といったケースです。 このとき大切なのは、 「もう許可を取っているから、多少変わっても大丈夫」 と考えないことです。 東京都では、許可内容に実質的な変更がない範囲であれば、「道路使用許可証記載事項変更届

 
 
道路撮影当日は許可証をどうする?|携帯・提示・現場での扱い

道路使用許可を取って撮影当日を迎えたら、許可証は現場ですぐ確認できる状態にしておきます。 「許可は取ってあるから、事務所に置いておけばいい」 という扱いではありません。 現場で警察官から確認を受けた場合や、許可された範囲・条件を確認したい場合に、すぐ許可証を確認できるようにしておく必要があります。 また、制作担当者が許可を取っていても、撮影当日の現場責任者が内容を知らなければ意味がありません。 こ

 
 
bottom of page