原状回復や破損の責任はどうする?
更新日:9月12日
結論からいうと、ロケ地撮影では、「壊したら弁償する」だけでなく、何をどこまで元に戻すのか、どんな場合に撮影側が責任を負うのかを先に決めておくのが大切です。
特に確認したいのは、
家具や備品を元の位置に戻す
装飾やテープを撤去する
ゴミを持ち帰る
撮影側の責任で付けた傷や破損を修理する
もともとあった傷まで撮影側の責任にしない
という点です。
そのため、撮影前に現状を写真で残しておくと、かなり分かりやすくなります。
この記事で分かること
原状回復とは何をするのか
どこまで撮影側が直すのか
破損したら必ず全額弁償なのか
もともとの傷はどう確認するのか
契約ではどう書けばよいのか
原状回復って何?
簡単にいうと、撮影のために変えた場所を、撮影前の状態へ戻すことです。
たとえば、
テーブルを動かした
椅子の配置を変えた
ポスターを外した
小道具を置いた
装飾を貼った
なら、撮影終了後に元へ戻します。
「掃除して帰る」だけではない
原状回復には、清掃だけでなく、
家具配置
備品
装飾
壁面
床
店内表示
なども含まれます。
撮影前と比べて何か変えたものがあれば、基本的には戻します。
家具は勝手に動かしていい?
できれば事前に確認します。
特に、
重い家具
高価な什器
商品棚
ピアノ
精密機器
などは、移動自体を禁止している施設もあります。
そのため、
このテーブルと椅子を一時的に移動しても大丈夫でしょうか。
と確認します。
壁にテープを貼っていい?
ここはトラブルになりやすいです。
養生テープでも、
壁紙が剥がれる
塗装が傷む
跡が残る
ことがあります。
そのため、
ポスターを貼る予定ですが、使用できるテープの種類はありますか。
と確認しておく方が安全です。
床の養生は必要?
大型機材やスタンドを置く場合は、床を傷つけることがあります。
必要に応じて、
養生シート
マット
ゴム脚
などを使います。
特に、
木床
大理石
畳
古い建物
では事前確認が重要です。
撮影側が壊したらどうなる?
撮影スタッフの不注意などで、
家具を壊した
壁を傷つけた
床をへこませた
商品を破損した
場合は、撮影側が修理費や弁償費を負担することがあります。
契約では、
撮影側の責任によって生じた損害
について責任を負う、と整理する方法があります。
何でも撮影側の責任にする?
必ずしもそうではありません。
たとえば、
もともと壊れていた
経年劣化で外れた
施設側の設備不良だった
という場合まで、すべて撮影側の責任にするのは不自然です。
そのため、
撮影側の故意または過失によって生じた損害
など、責任の範囲を決めます。
「過失」って何?
簡単にいうと、必要な注意を怠った場合です。
たとえば、
機材をぶつけた
飲み物をこぼした
許可なく家具を移動して壊した
などです。
一方、普通に使っていて突然古い椅子が壊れた場合などは、原因を確認する必要があります。
もともとの傷をどうする?
撮影前に、
壁の傷
床のへこみ
家具の破損
がある場合があります。
終了後に、
この傷、撮影中に付けましたよね。
となると困ります。
そのため、撮影前に、
気になる箇所をスマートフォンで写真や動画に残す
方法があります。
写真は誰と確認する?
できれば施設担当者と一緒に、
ここは最初から傷がありますね。
と確認しておくと分かりやすいです。
大規模ロケなら、チェックシートを作る方法もあります。
撮影後も一緒に確認する
撤収後に、
家具が戻っているか
ゴミがないか
傷が増えていないか
忘れ物がないか
を担当者と確認します。
その場で問題がなければ、
引渡し完了
としておくと後から揉めにくくなります。
修理方法は誰が決める?
破損したからといって、撮影側が勝手に修理業者を呼ぶと、施設側が納得しないことがあります。
たとえば高級家具や特殊な内装なら、指定業者があるかもしれません。
そのため、
修理方法および修理業者については施設側と協議する。
としておく方法があります。
すぐ現金で弁償する?
その場で金額が分からないこともあります。
その場合は、
破損状況を確認
写真を撮る
修理見積もりを取る
責任範囲を確認
精算する
という流れにします。
焦ってその場で金額を決める必要はありません。
商品を壊した場合は?
店舗撮影では、販売商品を破損することもあります。
その場合、
販売価格
仕入価格
修理可能か
再販売可能か
などによって損害額が変わることがあります。
契約では「破損したら定価全額」と一律にするより、実際の損害に応じて協議する方法もあります。
営業できなくなった場合は?
大きな破損によって店舗営業ができなくなった場合、修理費だけでなく営業上の損害が問題になることがあります。
そのため、大規模撮影やリスクの高い撮影では、
撮影保険
賠償責任保険
なども検討します。
血のり・水・煙は特に確認する
映画撮影では、
血のり
水
スモーク
泥
塗料
火気
などを使うことがあります。
これらは汚れや損傷のリスクが高いので、
必ず事前に施設側へ伝える
方がよいです。
無断で使うと原状回復できない場合があります。
清掃費は誰が負担する?
通常の清掃は撮影料金に含まれることもありますが、
大量のゴミ
飲食
血のり
砂
特殊美術
などで特別清掃が必要になる場合は、追加費用になることがあります。
そのため、特殊な撮影をするなら清掃費も確認します。
ゴミは置いて帰っていい?
施設によります。
多くの場合、
撮影で出たゴミは撮影側で持ち帰る
という条件があります。
大量に出る場合は、処分方法も事前に確認します。
契約ではどう書けばいい?
たとえば、
撮影者は、使用終了後、使用場所および備品を使用開始前の状態に復して返還する。
さらに、
撮影者の故意または過失により施設、設備、備品等を損傷した場合は、その修理その他通常必要となる費用を負担する。
とする方法があります。
必要なら、
損傷が生じた場合の修理方法については、双方協議のうえ決定する。
と加えます。
施設側にどう確認する?
撮影前に、
家具を数点移動する予定ですが、終了後は元に戻します。壁への装飾も予定していますが、使用可能なテープや禁止事項があれば教えてください。撮影前に傷や備品の状態も一緒に確認させてください。
と伝えておくと分かりやすいです。
結局、原状回復や破損はどう決めればいい?
1.撮影前の状態を確認する
写真・動画を残します。
2.動かしてよい物を確認する
家具や備品です。
3.原状回復の範囲を決める
清掃・家具配置・装飾撤去などです。
4.撮影側の責任範囲を決める
故意・過失による破損などです。
5.終了時に施設側と確認する
その場で引渡し状態を確認します。
まとめ
ロケ地撮影では、
家具
備品
壁
床
商品
装飾
ゴミ
を、撮影終了後に元の状態へ戻します。
破損については、撮影側の責任で生じたものを負担するという形で整理するのが基本です。
そのうえで、
撮影前に現状確認
写真を残す
終了時にも確認
修理方法は双方で協議
としておけば、もともとの傷まで撮影側の責任にされるようなトラブルも避けやすくなります。
「壊したら弁償」だけではなく、「撮影前と撮影後の状態を双方で確認する」ところまで決めておく。
ロケ地契約では、これがかなり重要です。
参考
※ロケ地撮影で原状回復や破損時の責任を契約にどう定めればよいか確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
