店舗を借りて撮影するとき、契約書は必要?
更新日:9月12日
結論からいうと、小規模な撮影でも、店舗を借りて撮影するなら、少なくとも撮影条件を文字で残しておく方が安全です。
必ずしも何ページもある「ロケ地使用契約書」を作らなければならないわけではありません。
ただし、
撮影日時
使用できる場所
撮影料金
延長料金
キャンセル
店名や看板を映してよいか
備品を動かしてよいか
原状回復
公開範囲
などは、メールや書面を含めて明確にしておいた方がよいです。
特に、「撮影していい」と「その映像を作品として公開していい」は、同じ話として曖昧にしないことが重要です。
この記事で分かること
店舗撮影で契約書を作った方がよいケース
口頭の許可だけでもよいのか
撮影前に何を決めるべきか
店名・看板を映してよいか
店内をどこまで変更してよいか
小規模撮影ならどう残せばよいか
店主が「いいですよ」と言えば撮影できる?
店主や管理権限のある人から許可を得られれば、撮影自体は進められることがあります。
ただし、
日曜日ならいいですよ。
だけでは、
何時から何時までか
店全体を使えるのか
営業を止めるのか
客を入れるのか
店名を作品に出してよいのか
料金はいくらか
が分かりません。
小さな撮影ほど口頭だけで進みやすいですが、後から食い違いが起きそうな部分だけでも文字に残す方が安全です。
どんな撮影なら契約書を作った方がいい?
特に、
店舗を貸切にする
撮影時間が長い
大人数で撮影する
照明・機材を多く入れる
家具や商品を動かす
店内を装飾する
店名や看板を作品内で見せる
撮影料金が高い
商業作品として公開する
場合は、契約書を作る意味が大きくなります。
小規模撮影なら契約書なしでもいい?
数人で短時間撮影する場合など、正式な契約書までは作らないこともあります。
その場合でも、
〇月〇日13時〜15時店内奥の席を使用撮影料〇円店名・看板は映さない家具の移動は事前確認終了後は原状回復
といった内容をメールやメッセージで確認しておくと、かなり違います。
契約書があるかないかより、条件が双方で共有されているかが重要です。
誰から許可をもらう?
ここも重要です。
撮影を許可してくれた人が、
店長
アルバイト
テナント入居者
だったとしても、その人に撮影許可を出す権限があるとは限りません。
たとえば商業施設内の店舗では、店舗側だけでなく、
ビル管理会社
商業施設運営会社
への確認が必要になることがあります。
そのため、
この店舗内の撮影について、こちらで許可をいただければ大丈夫でしょうか。施設管理側への確認も必要ですか?
と聞いておくと分かりやすいです。
契約ではまず撮影日時を決める
最低限、
日付
入り時間
撮影開始時間
撤収完了時間
を決めます。
たとえば、
使用時間 9時から15時までうち搬入・撤収時間を含む
という形です。
撮影時間だけ書いて、搬入や撤収時間を忘れると延長扱いになることがあります。
どこまで使えるか決める
「店舗を借りる」といっても、
客席だけ
カウンター内も可
厨房は不可
バックヤード不可
トイレ撮影不可
など、場所ごとに条件が違うことがあります。
契約では、撮影可能な範囲を決めます。
必要なら写真や平面図に印を付けてもよいでしょう。
店名や看板を映していい?
店舗を撮影場所として借りたからといって、実在する店名を作品内でそのまま使用してよいとは限りません。
たとえば、
実在店舗をそのまま作中の店として出す
のか、
架空店舗として撮る
のか、で扱いが変わります。
店名やロゴがはっきり映るなら、
店名・ロゴ・看板を作品内および宣伝素材に表示してよいか
を確認しておく方が安全です。
架空の店にしたい場合は?
実在店舗で撮るけれど、作品上は別の店という設定にすることがあります。
その場合は、
店名を隠す
看板を差し替える
メニューを入れ替える
ポスターを外す
などが必要になります。
どこまで変更してよいか、店舗側に確認します。
店内の物を動かしていい?
撮影では、
テーブル
椅子
商品
ポスター
観葉植物
照明
などを動かすことがあります。
そのため、
店内備品の移動は店舗担当者の確認を得て行う。
などと決めます。
壊れやすいものや高価な商品がある店舗では特に重要です。
壁に貼ったり固定したりしていい?
美術で、
ポスターを貼る
看板を付ける
養生テープを使う
装飾を固定する
ことがあります。
しかし、テープ跡や壁紙の破損が起きることがあります。
そのため、装飾する場合は、何をどこに取り付けるか事前に確認する方が安全です。
撮影料金も明確にする
たとえば、
1時間 〇円
半日 〇円
1日 〇円
最低利用時間 〇時間
などです。
さらに、
搬入時間を含むか
消費税込みか
電気代を含むか
営業補償が別に必要か
も確認します。
延長料金も決める
撮影は押すことがあります。
そのため、
15時を超えた場合、30分ごとに〇円
などと決めておくと、現場で揉めにくくなります。
特に店舗側が営業再開を予定している場合は、金額だけでなく何時以降は延長不可なのかも確認します。
キャンセル条件も決める
撮影では、
出演者の体調不良
天候
スケジュール変更
などでキャンセルが発生します。
そのため、
何日前まで無料か
前日は何%か
当日は何%か
を決めます。
雨天延期があり得る撮影なら、予備日についても先に相談します。
破損したらどうする?
撮影中に、
家具を壊した
床を傷つけた
商品を破損した
場合の扱いも考えます。
基本的には、撮影側の責任で生じた損害について、修理や弁償のルールを決めます。
ただし、何でも撮影側が無条件に全額負担するという書き方ではなく、責任のある範囲を整理します。
原状回復まで含める
撮影終了後は、
家具を元に戻す
装飾を外す
ゴミを回収する
清掃する
など、元の状態へ戻します。
店舗撮影では、
撮影終了=退出ではなく、原状回復して引き渡して終了
と考えると分かりやすいです。
店員さんやお客さんが映る場合は?
店舗の使用許可とは別に考えます。
店員が出演するなら出演の同意、一般客が識別できる形で映るなら、その撮影・公開についても検討が必要です。
そのため撮影時には、
貸切にする
客がいない時間に撮る
エキストラを用意する
などの方法があります。
撮影後に「やっぱり公開しないで」と言われないために
撮影許可だけではなく、
撮影した映像を作品として公開できること
も確認しておきます。
たとえば、
本店舗で撮影した映像を、本作品の上映、配信および宣伝に利用できる。
という形です。
公開後に、
撮影は許可したけれど、配信するとは聞いていない。
となるのを防ぎます。
契約では何を書けばいい?
最低限、
当事者
撮影日時
使用場所
撮影内容
使用料金
延長料金
キャンセル
店名・看板等の利用
備品移動
原状回復
破損時の対応
撮影映像の利用範囲
を確認します。
小規模撮影なら、どう確認すればいい?
正式な契約書を作らない場合でも、たとえば、
〇月〇日13時〜15時、店内で5名程度の映画撮影を予定しています。撮影料は〇円、搬入・撤収を含め15時までに退出します。店内のテーブルを一時的に移動する予定ですが、撮影後は元に戻します。店名・看板は映さず、完成映像は映画祭・配信等で公開する予定です。この条件で問題ないでしょうか。
と送って、相手から了承をもらっておく方法があります。
これだけでも、単に電話で「いいですよ」と言われるより条件が明確になります。
結局、店舗を借りて撮影するときはどうすればいい?
1.許可を出せる人を確認する
店舗だけでなく施設管理者が必要なこともあります。
2.日時と使用場所を決める
搬入・撤収まで含めます。
3.料金・延長・キャンセルを決める
お金の条件を曖昧にしません。
4.店内をどこまで変更できるか確認する
家具・看板・装飾などです。
5.公開範囲まで確認する
映画祭、配信、SNS等で使える状態にします。
まとめ
店舗を借りて撮影するとき、必ず何ページもの契約書が必要というわけではありません。
ただし、
撮影日時
使用場所
撮影料金
延長
キャンセル
店名・看板
店内変更
原状回復
破損
公開範囲
は、できるだけ文字で残しておく方が安全です。
特に重要なのは、「その場所で撮っていい」という許可だけで終わらせず、「撮った映像を作品として公開・配信してよい」ところまで確認することです。
小規模撮影でも、条件さえ整理しておけば、大げさな契約書にしなくてもトラブルをかなり減らせます。
参考
※店舗・施設を借りた撮影で、ロケ地使用条件や契約内容について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
