道路使用許可と道路占用許可の違い
更新日:9月26日
道路使用許可は警察、道路占用許可は道路管理者へ申請する別の制度です。
道路使用許可は、撮影などによって道路交通へどのような影響が出るかを見るものです。
道路占用許可は、道路に法令上認められた一定の工作物・物件・施設を設けて、継続的に道路を使用する場合の許可です。
そのため、普通の短時間のロケ撮影で三脚や照明を一時的に使うからといって、道路占用許可まで当然に必要になるわけではありません。
撮影ではまず道路使用許可の要否が問題になることが多く、特殊な設備を道路上に設ける場合などには、道路占用許可も関係する可能性があります。
この記事で分かること
道路使用許可と道路占用許可の違い
それぞれの申請先
普通のロケ撮影で道路占用許可が必要なのか
三脚や照明を置く場合の考え方
両方の許可が必要になる場合
私道や公開空地での考え方
東京都内の道路占用許可
道路使用許可とは
道路使用許可は、道路交通法に基づく制度です。
道路上で、本来の通行とは異なる方法で道路を使用し、交通の安全や円滑に影響する行為を行う場合に必要になることがあります。
ロケ撮影では、たとえば、
三脚や照明を設置する
出演者が道路上で演技する
スタッフが一定の場所に滞在する
交通誘導を行う
撮影車両を特殊な方法で使用する
といった撮影で問題になりやすい手続です。
警察庁も、道路におけるロケーション等を道路使用許可の対象となり得る行為として案内しています。
申請先は、原則として道路を使用する場所を管轄する警察署です。
道路占用許可とは
道路占用許可は、道路法に基づく制度です。
道路法上の「道路の占用」は、道路に一定の工作物・物件・施設を設けて、道路の空間を継続的に使用することをいいます。
代表的なものには、
電柱・電線
水道管・ガス管
看板・日よけ
工事用の足場・仮囲い
露店など
があります。
道路上に何かを置けば何でも道路占用になるわけではありません。
道路占用として許可できる物件は、道路法や道路法施行令で定められています。
申請先は警察ではなく、その道路を管理する道路管理者です。
2つの許可は何が違う?
違いを簡単に整理すると、
道路使用許可
道路交通への影響を見る制度
申請先は警察署です。
道路占用許可
道路に一定の物件・施設を設けて継続使用することを見る制度
申請先は道路管理者です。
つまり、同じ道路に関する手続でも、
警察は交通の観点
道路管理者は道路そのものの管理の観点
から確認します。
普通のロケ撮影なら道路占用許可も必要?
通常の短時間のロケ撮影だからといって、道路占用許可まで必ず必要になるわけではありません。
たとえば、
手持ちカメラで撮る
撮影中だけ三脚を置く
一時的に照明を使う
出演者が道路上で演技する
といった撮影では、まず道路使用許可が必要かどうかを検討します。
道路占用許可は、道路法で定められた工作物・物件・施設を道路に設けて継続使用する制度だからです。
したがって、「道路上に機材を置く=道路占用許可」とは考えません。
三脚や照明を一時的に設置する撮影であれば、通常はまず道路使用許可の中で、その配置や交通への影響を整理することになります。
撮影で道路占用許可が関係するのはどんな場合?
撮影で道路占用許可が問題になるのは、通常の撮影機材というより、道路上に設ける設備が道路法上の占用物件に当たるような場合です。
たとえば、
工事用足場に近い大規模な仮設構造物を設ける
仮囲いを設ける
道路上空へ構造物を張り出す
道路上へ法令上の占用物件に当たる設備を継続して設置する
といった場合です。
ただし、大型だから占用、長時間だから占用と単純に決まるわけではありません。
道路占用許可の対象になるには、設置する物件が道路法第32条などで定められた占用物件に該当する必要があります。
特殊な設備を道路上に設ける撮影では、具体的な設備の構造や設置方法を示して道路管理者へ確認します。
道路使用許可と道路占用許可の両方が必要になることもある
道路上へ占用物件を設置し、その設置や作業が道路交通にも影響する場合には、道路使用許可と道路占用許可の両方が必要になることがあります。
たとえば東京都建設局も、都道上へ看板や日よけを設置する場合について、道路法に基づく道路占用許可と、道路交通法に基づく道路使用許可の両方が必要になる場合を案内しています。
整理すると、
道路交通への影響 → 警察
道路占用物件の設置 → 道路管理者
です。
「道路使用許可が取れたから占用もOK」ではない
道路使用許可と道路占用許可は別の制度です。
そのため、道路使用許可を受けたからといって、道路占用まで認められたことにはなりません。
反対に、道路占用許可を受けても、道路交通への影響について必要な道路使用許可がなくなるわけではありません。
両方が必要な場合は、それぞれの基準による許可が必要です。
両方必要な場合は窓口をまとめられることがある
道路使用許可と道路占用許可の双方が必要な場合には、申請者の負担を軽減するため、一方の窓口を経由して両方の申請書を提出できる制度があります。
ただし、これは申請書の提出窓口をまとめられる仕組みです。
道路使用許可と道路占用許可が一つの許可になるわけではありません。
警察と道路管理者が、それぞれ審査します。
道路管理者はどう調べる?
道路占用許可が関係しそうな場合は、その道路を誰が管理しているか確認します。
道路には、
国道
都道府県道
市区町村道
などがあります。
ただし、「国道だから必ず国が管理している」とは限りません。
国が直接管理する国道のほか、都道府県や政令指定都市が管理している国道もあります。
道路番号だけで判断せず、道路管理者を確認します。
東京都が管理する道路については、各建設事務所の道路占用担当が窓口になります。
私道でも道路使用許可が関係することがある
ここは、道路法と道路交通法を分けて考える必要があります。
私道は、通常、道路法上の道路占用許可の対象となる公道とは別に考えます。
しかし、道路交通法上の「道路」は、公道だけではありません。
警察庁は、不特定の人や車が自由に通行できる私道、空地、広場なども、道路交通法上の「道路」に含まれる場合があると案内しています。
そのため、「私道だから道路使用許可は関係ない」とは限りません。
私道の場合は、
所有者・管理者から撮影の承諾が必要か
道路交通法上の「道路」に当たる場所か
道路使用許可が必要な撮影方法か
を分けて確認します。
公開空地も「道路ではないから自由」とは限らない
オフィスビルや商業施設の前には、歩道のように一般の人が通れる公開空地があります。
こうした場所は、道路法上の公道ではなく、民間施設の敷地であることがあります。
その場合は、まず土地・建物の所有者や施設管理者への確認が必要です。
一方で、不特定多数が自由に通行する場所であれば、道路交通法上の「道路」に当たる可能性もあります。
したがって、公開空地=施設管理者だけに確認すれば必ず終わりとも限りません。
撮影場所の管理関係と、道路交通法上の扱いを分けて確認します。
店舗前も「店の敷地」か「公道」かを確認する
店舗前にカメラや照明を置く場合も、場所によって扱いが変わります。
店の前が、
公道の歩道
建物敷地
私道
公開空地
セットバックされた敷地
のどれなのかによって、確認先が異なります。
店舗から撮影許可をもらっていても、カメラを置く場所が公道なら別に道路使用許可が問題になることがあります。
反対に、公道に見えても施設敷地であれば、施設管理者との調整が中心になる場合があります。
まず、実際に機材やスタッフが立つ場所を誰が管理しているのかを確認します。
東京都内の道路占用許可はどこへ申請する?
東京都内でも、道路使用許可と道路占用許可は別です。
道路使用許可は、撮影場所を管轄する警察署へ申請します。
道路占用許可は、その道路の道路管理者へ申請します。
東京都建設局が管理する都道や指定区間外国道については、各建設事務所が道路占用関係の申請を扱っています。
東京都内でも、
国が管理する国道
東京都が管理する道路
区市町村が管理する道路
があります。
「東京都内だから東京都建設局へ出せばよい」わけではありません。
まず道路管理者を確認します。
撮影で迷ったときの考え方
道路撮影で、
道路使用許可だけでいいのか
道路占用許可も必要なのか
迷った場合は、次の順番で考えると整理しやすくなります。
撮影によって交通へ影響する
→ 道路使用許可を確認
道路法上の占用物件に当たる工作物・物件・施設を設けて継続使用する
→ 道路占用許可を確認
両方に当てはまる
→ 両方の手続を確認
普通のロケ機材について、最初から「占用になるか」と考えるより、
何を、どこへ、どのように、どのくらいの時間設置するのか
を具体化して確認する方が実務的です。
道路撮影で確認する順序
撮影場所と撮影区間を確認する
公道・私道・施設敷地など、場所の性質を確認する
撮影による交通への影響を整理する
道路使用許可が必要か管轄警察署へ確認する
道路上へ設置する機材・設備を整理する
道路占用物件に当たりそうな設備がある場合は道路管理者を確認する
道路占用許可が必要か道路管理者へ確認する
両方必要なら申請方法とスケジュールを確認する
私有地を使う場合は所有者・管理者から必要な承諾を得る
まとめ
道路使用許可と道路占用許可は、どちらも道路に関する手続ですが、目的が異なります。
道路使用許可は、道路交通への影響を確認する制度で、警察署が扱います。
道路占用許可は、道路法で定められた一定の工作物・物件・施設を道路に設けて継続使用するための制度で、道路管理者が扱います。
通常の短時間のロケ撮影で三脚や照明を使うだけなら、道路で機材を使うという理由だけで道路占用許可まで必要になるわけではありません。
一方、道路法上の占用物件に当たるような仮設設備などを設置する場合には、道路管理者への確認が必要になります。
また、私道や公開空地でも、所有者・管理者への確認だけでなく、場所の使われ方によっては道路交通法上の「道路」に当たる場合があります。
まず、
どこで撮るのか
交通へどう影響するのか
道路上へ何を設置するのか
を分けて整理することが、必要な手続を判断するポイントです。
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参考
※道路撮影の許可手続について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
