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古い作品の著作権が切れているか、どう確認する?

9月9日
読了時間: 7分

更新日:9月10日


結論からいうと、「古い作品だから自由に使える」とは判断できません。


まず、


  • 誰が作った作品なのか

  • 著作者がいつ亡くなったのか

  • いつ公表された作品なのか

  • 映画なのか、小説・写真・絵画などなのか


を確認します。


個人が著作者の小説・脚本・写真・絵画などであれば、現在の日本では原則として著作者の死後70年まで保護されます。


確認するときは、まず著作者の死亡年を調べ、その年から70年後の年末まで著作権が残ると考えると分かりやすいです。


たとえば、著作者が1970年に亡くなっているなら、2040年12月31日まで保護され、2041年1月1日から原則として利用できる、という計算です。


ただし、映画や団体名義の作品などは計算方法が違い、古い作品では過去の法律や戦時加算などが関係することもあります。


そのため、公開年だけを見て「70年以上前だから使える」と判断しないことが大切です。



この記事で分かること

  • 著作権は基本的に何年で切れるのか

  • 死亡年からどう計算すればよいのか

  • 映画はどう計算するのか

  • 昔の小説や童話なら自由に使えるのか

  • 原作の著作権が切れていても注意するもの

  • 実際に何を調べればよいのか




基本は「死亡年を確認して、70年後の年末まで」


個人が著作者の小説・脚本・写真・絵画などでは、原則として著作権は、


著作者の生存中+死後70年


保護されます。


実際に調べるときは、


①著作者の死亡年を確認する②そこから70年後の年を見る③その年の12月31日までが保護期間


と考えると分かりやすいです。


たとえば、


1970年死亡→ 70年後は2040年→ 2040年12月31日まで保護→ 2041年1月1日から原則として保護期間満了


です。


つまり、死亡した「月日」まで細かく計算する必要はありません。




映画は「監督の死亡年+70年」ではない


映画の著作物には別のルールがあります。


映画は原則として、公表後70年です。


考え方は同じで、


公表された年から70年後の年末まで


と見ると分かりやすいです。


たとえば、2000年に公表された映画で特例がない場合は、


2000年公表→ 70年後は2070年→ 2070年12月31日まで保護→ 2071年1月1日から保護期間満了


となります。


ただし、古い映画は過去の著作権法や法改正との関係があるため、公開年+70だけで即断しない方が安全です。




会社名義の作品は?


法人など団体名義で公表された著作物も、原則として公表後70年です。


また、創作してから70年以内に公表されなかった場合には、創作後70年という扱いがあります。


そのため、


作者個人の死亡年を調べれば全部分かる


わけではありません。




無名・変名の作品は?


作者名が分からない作品や、一定の変名で公表された作品についても、原則として公表後70年というルールがあります。


ただし、著作者が誰なのか明らかになった場合など、別の扱いになることがあります。


古いポスター、写真、文章などで作者不明の場合は、この点も確認します。




昔の小説なら自由に映画化できる?


原作小説の著作権が切れていれば、原則としてその原作自体は利用できます。


たとえば、


  • 小説を映画化する

  • 登場人物を使う

  • ストーリーを脚本化する


ことが可能になる場合があります。


ただし、現在売られている本をそのまま使えばよいとは限りません。




新しい翻訳には別の著作権がある


海外の古典作品では特に注意します。


原作の著作権が切れていても、


現代の翻訳者が作った日本語訳には別の著作権があります。


たとえば原作がパブリックドメインでも、市販されている新しい翻訳のセリフをそのまま脚本に使えば、翻訳者の著作権が問題になることがあります。


使うなら、


  • 原文から自分で翻訳する

  • 著作権が切れている古い翻訳を確認する

  • 現在の翻訳者から許可を取る


などの方法を考えます。




新しい挿絵やデザインにも著作権がある


昔話や古典小説そのものの著作権が切れていても、


  • 現代の挿絵

  • 表紙デザイン

  • 漫画化作品

  • キャラクターデザイン


まで自由になるわけではありません。


たとえば「不思議の国のアリス」の原作を利用できるとしても、特定の映画会社が作ったアリスの衣装やキャラクターデザインをそのまま使える、という意味ではありません。


原作と、その後に作られた作品は別です。




古い映画を使うなら、その映画自体を見る


原作小説の著作権が切れていることと、昔の映画版の著作権が切れていることも別です。


たとえば、


原作小説は利用できるけれど、1960年代に作られた映画の映像はまだ使えない


ということがあります。


なので映画の映像そのものを使うなら、


原作ではなく、その映画自体の保護期間


を確認します。




「パブリックドメイン」と書いてあれば使っていい?


参考にはなりますが、それだけで判断しない方がよいです。


特に海外サイトでは、


その国ではパブリックドメインでも、日本ではまだ保護されている


ことがあります。


著作権の保護期間は国によって異なります。


日本で映画や動画を制作・公開するなら、日本での保護状況も確認します。




古い作品は昔の法律も関係する


ここが少し面倒なところです。


日本の著作権の保護期間は、昔から現在と同じだったわけではありません。


現在は原則死後70年ですが、以前は50年でした。


さらに古い作品では旧著作権法が関係することもあります。


法改正の際、すでに著作権が消滅していた作品が、後から70年に延びて復活するわけではありません。


そのため、かなり古い作品では、


現在の「70年」という数字だけでは判断できない場合があります。




外国作品では戦時加算にも注意


外国の古い作品では、日本の通常の保護期間に加えて戦時加算が関係する場合があります。


第二次世界大戦中に日本で十分な著作権保護を受けられなかった一部の連合国の作品について、一定期間が加算される制度です。


そのため、「公表から70年以上経っているから大丈夫」と思った外国映画などが、単純計算どおりではないことがあります。




実際には何を調べればいい?


まず次の順番で確認します。


1.作品の種類

  • 小説

  • 脚本

  • 写真

  • 絵画

  • 映画

  • 団体名義作品

のどれなのか確認します。


2.著作者を確認する

個人の作品なら作者名を調べます。


3.死亡年を確認する

個人著作者なら、原則として死亡年が重要です。


4.公表年を確認する

映画、団体名義、無名作品などでは公表年が重要になります。


5.その作品そのものを見る

原作だけでなく、

  • 翻訳

  • 映画版

  • 挿絵

  • 写真

  • デザイン

など、実際に使おうとしているものを確認します。


6.古い作品や海外作品は特例も確認する

旧法や戦時加算などが関係しないか確認します。




著作権が切れているか分からなかったら?


映画制作なら、まず、


本当にその版・その素材を使う必要があるか


を考えるのも一つです。


たとえば古典小説を原作にしたいだけなら、新しい翻訳本をそのまま使わず、原典から脚本を作る方法があります。


古い写真を背景に使いたいだけなら、権利関係が明確な別素材へ差し替えられることもあります。


権利調査に時間がかかる素材なら、撮影前の段階で代替できるものは代替するという判断も現実的です。




結局、古い作品の著作権はどう確認する?


1.「何年前の作品か」だけで判断しない

まず作品の種類を確認します。


2.個人作品なら死亡年を見る

原則は死後70年です。


3.映画などは公表年を見る

映画は原則公表後70年です。


4.実際に使う版を確認する

新しい翻訳・挿絵・映画版などには別の権利があります。


5.海外・古い作品は特例も確認する

旧法や戦時加算が関係することがあります。


6.判断が難しければ別素材も検討する

映画制作では、権利処理に時間をかけるより差し替えた方が早い場合もあります。




まとめ


古い作品の著作権を確認するときは、


  • 原則は著作者の死後70年

  • 映画は原則公表後70年

  • 団体名義なども公表年を基準にする場合がある

  • 期間は翌年1月1日から数える

  • 原作が自由でも新しい翻訳や挿絵は別

  • 原作と映画版の著作権も別

  • 海外サイトの「Public Domain」だけでは判断しない

  • 古い作品では旧法や戦時加算にも注意する


という順番で考えます。


「古そうだから使う」のではなく、「今使おうとしているその素材の権利が切れているか」を確認する。


ここが一番大切です。



参考


※古い映画・小説・写真などの著作権が現在も残っているか確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。


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