著作権侵害を指摘されたら|公開前・公開後でどうする?
結論からいうと、著作権侵害を指摘されたら、まず公開前か公開後かで対応を分けます。
公開前なら
問題になっている部分を特定する
本当にその素材が必要か考える
差し替えられるなら差し替える
必要なら権利者へ許可を取る
という順番で対応します。
公開後なら
どの部分が問題なのか確認する
一時的な非公開・削除が可能か検討する
契約や許諾記録を確認する
必要なら権利者と対応を協議する
という流れです。
大切なのは、「侵害だと言われた=必ず侵害している」と即断しないことと、「たぶん大丈夫」で放置しないことです。
この記事で分かること
著作権侵害を指摘されたとき最初に何をするか
公開前ならどう対応すればよいか
公開後ならどう対応すればよいか
SNSやYouTubeで削除申立てを受けた場合の考え方
許可を取っていた場合に何を確認するか
相手に連絡するとき何を聞けばよいか
まず「何が問題だと言われているのか」を特定する
最初に確認するのは、作品のどの部分について指摘されているのかです。
たとえば、
背景に映ったポスター
劇中で流した音楽
映画のワンシーン
写真
イラスト
セリフ
Webサイトの画面
漫画のページ
などです。
「著作権侵害です」とだけ言われても、そのままでは判断できません。
まず、
どの部分について、どの権利を侵害しているとのご指摘でしょうか。
と確認します。
公開前なら、まず差し替えを考える
まだ映画や動画を公開していないなら、対応は比較的しやすいです。
たとえば、
ポスターをぼかす
写真を差し替える
BGMを変更する
映画やテレビの映像を別の画面にする
セリフを変更する
ことで解決できる場合があります。
特に、作品全体に影響しない部分なら、権利関係を何日も調べるより差し替えた方が早いことがあります。
制作段階なら、この判断がかなり重要です。
本当にその素材が必要なら、許可を取りに行く
差し替えたくない重要な素材なら、権利者や管理窓口を確認します。
そのときは、
作品名
使用している部分
使用時間
映画祭
劇場上映
配信
SNS
海外利用
などを伝えて、利用許諾が可能か確認します。
著作権者が分からない場合は、別記事「著作権者が分からない作品を使いたい|どう探す?」のように、出版社や制作会社などから窓口をたどります。
すでに公開している場合は?
公開後なら、まずすぐに被害を広げない対応ができるかを考えます。
たとえば、
YouTube動画を一時的に非公開にする
SNS投稿を削除または非公開にする
Webサイト上の動画を一時停止する
配信会社へ相談する
などです。
必ず削除しなければならない、という意味ではありません。
ただし、権利関係を確認している間も公開を続ける必要がないなら、一旦止めるという判断はできます。
映画祭や劇場公開の場合は?
映画祭や劇場上映が迫っている場合は、問題部分を確認したうえで、
差し替え版を作る
上映素材を変更する
主催者へ事情を説明する
権利者へ緊急で確認する
などを検討します。
たとえば映画祭直前なら、
「このワンカットを残すために上映全体を止めるのか」
という判断になります。
その素材が作品上重要でなければ、修正版を作った方が早いこともあります。
「許可は取っている」は何を確認する?
以前に許可を取っている場合でも、まずその内容を確認します。
見るのは、
誰から許可を取ったか
何を使ってよいと書いてあるか
映画本編だけか
SNSや予告編も含むか
配信を含むか
国内だけか
利用期間はあるか
です。
たとえば本編利用の許可しかない曲を、予告編にも使っていて指摘されることがあります。
その場合、許可がないのではなく、許可範囲の問題かもしれません。
メールや契約書はすぐ出せるようにする
許諾を取った記録があるなら、
契約書
メール
DM
申請書
ライセンス証明
購入履歴
利用規約
を確認します。
特にフリー素材やBGMサービスでは、
利用した時点のプランや利用規約
が重要になる場合があります。
なので、制作時から記録を残しておく方が安心です。
相手から削除要求が来たら、すぐ認めた方がいい?
すぐに、
こちらの著作権侵害でした。
と認める必要はありません。
まだ事実関係が分からないなら、
ご連絡ありがとうございます。ご指摘いただいた内容について確認いたしますので、問題となっている箇所と権利関係についてご教示いただけますでしょうか。
くらいで構いません。
まず事実確認をします。
逆に、無視していい?
おすすめしません。
本当に権利者からの指摘だった場合、そのまま公開を続けることで問題が大きくなることがあります。
少なくとも、
相手は誰か
何を問題にしているか
本当にその権利を管理しているのか
は確認した方がよいです。
YouTubeで著作権の通知が来たら?
YouTubeでは、音楽や映像について著作権関連の通知が来ることがあります。
ただし、通知が来た=即、違法確定という意味ではありません。
たとえば、
正式なライセンスを持っている
自分で作った音源
誤検出
権利者から利用許諾を受けている
こともあります。
その場合は、許諾記録や契約内容を確認して、プラットフォーム上の手続きに沿って対応します。
「数秒だけだから大丈夫」は通用する?
それだけでは判断できません。
著作権には、「数秒なら自由」という一般的なルールはありません。
なので指摘されたときに、「5秒しか使っていません」だけで解決しようとしない方がよいです。
実際の利用方法や、著作権法上の例外に当たるかなどを見ます。
映り込みなら全部削除しないとダメ?
これもケースによります。
背景に偶然小さく映った著作物などは、著作権法上の「写り込み」に関する規定が問題になることがあります。
なので、「著作物が映っている=即侵害」ではありません。
一方で、作品中で意図的に大きく見せている場合は別です。
指摘されたら、実際にどのように映っているかを確認します。
相手と争うより差し替えた方がいいこともある
映画制作では法律上争えるかどうかだけではなく、
作品を予定どおり公開できるか
も大切です。
たとえば背景の写真1枚について、
権利者調査
法的検討
相手との交渉
を続けるより、その写真を差し替えて完成させた方が合理的な場合があります。
特に公開前なら、
簡単に直せるものは直してしまう
という判断も実務的です。
結局、著作権侵害を指摘されたらどうする?
公開前
問題部分を特定する
自分の許諾記録を確認する
差し替え可能か考える
必要なら権利者を確認する
許可を取るか修正する
公開後
問題部分を特定する
必要なら一時非公開を検討する
契約・許諾を確認する
相手の権利関係を確認する
差し替え・追加許諾・協議などで対応する
判断が難しい場合
どの権利が問題なのか
本当に侵害なのか
すでに許諾があるのか
修正した方が早いのか
を整理します。
まとめ
著作権侵害を指摘されたときは、
まず問題部分を特定する
公開前なら差し替えも積極的に検討する
公開後なら一時非公開にできるか考える
許諾済みなら利用範囲を確認する
相手が何の権利を主張しているのか確認する
「数秒だから大丈夫」と決めつけない
「指摘された=侵害確定」とも決めつけない
簡単に直せるものなら修正した方が早いこともある
という順番で対応します。
公開前なら、作品を守るために直す。
公開後なら、まず被害を広げず、権利関係を確認する。
この考え方で整理すると対応しやすくなります。
参考
※映画・動画について著作権侵害の指摘を受け、権利関係や対応方法を確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
