著作権者が分からない作品を使いたい|どう探す?
更新日:9月10日
結論からいうと、著作権者が分からない作品を使いたいときは、「作品名・作者名・掲載元・発行元・権利表記」から順番にたどって探します。
いきなり「誰に許可を取ればいいか分からない」で止まる必要はありません。
まずは、
作品そのもの
クレジット
出版社
制作会社
配給会社
管理団体
公式サイト
を順番に見ていけば、窓口にたどり着けることがあります。
大切なのは、作品を持っている人ではなく、利用を許可できる権利者や管理窓口を探すことです。
この記事で分かること
著作権者が分からないとき、どこから探せばよいか
写真・イラスト・本・映画・音楽では何を見るか
作者本人に直接連絡すればよいのか
出版社や制作会社が窓口になることはあるのか
どうしても権利者が見つからない場合はどうするのか
まず作品に書いてある情報を見る
最初に見るのは、その作品自体です。
たとえば、
作者名
撮影者名
出版社名
制作会社名
配給会社名
©表記
レーベル名
クレジット
などです。
ここに権利者そのものが書かれていなくても、問い合わせ先を探す手掛かりになります。
写真やイラストならどう探す?
写真やイラストなら、
作者名
掲載サイト
SNSアカウント
出版社
素材サイト
©表記
を見ます。
たとえばWeb記事に載っている写真なら、その記事を書いた会社ではなく、別のカメラマンや写真会社が権利を持っていることがあります。
なので、
この写真の映画・動画利用について、権利窓口をご案内いただけますでしょうか。
と掲載元に聞く方法があります。
本や漫画なら?
本や漫画なら、まず奥付を見ます。
そこには、
著者
漫画家
出版社
発行者
などが書かれています。
出版社が著作権者とは限りませんが、利用許諾の窓口を把握している可能性が高いです。
そのため、まず出版社へ、
映画・動画での利用について、どなたが権利窓口でしょうか。
と聞くのが分かりやすいです。
映画やテレビ番組なら?
映画なら、
製作会社
配給会社
製作委員会
公式サイト
などを確認します。
テレビ番組なら、
放送局
制作会社
が入口になります。
映画の一場面やテレビ映像を使いたい場合は、
「二次利用」「映像利用」「素材利用」
などの窓口がないか探します。
音楽なら?
音楽は権利が分かれやすいので、少し注意が必要です。
少なくとも、
曲そのもの
録音された音源
は分けて考えます。
楽曲なら、
JASRACなどの管理団体
音楽出版社
を確認します。
市販音源を使うなら、さらに、
レコード会社
原盤権者
も探します。
つまり、一曲について一か所だけ探せば終わるとは限りません。
作者本人のSNSを見つけたらDMしていい?
問い合わせ自体はできます。
ただし、作者本人=すべての利用許諾を出せる人とは限りません。
たとえば、
出版社が窓口
音楽出版社が管理
制作会社が利用許諾を担当
ということがあります。
なので本人には、
映画での利用を検討しています。利用許諾について、どちらへ問い合わせればよいでしょうか。
と聞く方が安全です。
会社の「お問い合わせ」から聞いてもいい?
専用窓口が見つからなければ、一般のお問い合わせフォームでも構いません。
その場合は、
作品名
作者名
何を使いたいか
映画・動画で利用したいこと
を書いて、
「権利窓口を教えてください」
と聞きます。
いきなり長い企画書を送るより、まず窓口確認だけでも十分です。
問い合わせ例
貴社が関係する作品『○○』について、映画作品内での利用を検討しております。使用を希望しているのは○○の部分です。当該作品の著作権または利用許諾について、どちらが窓口となっているかご案内いただけますでしょうか。
まずはこの程度で構いません。
窓口が分かったら、
使用箇所
使用時間
映画祭
劇場上映
配信
海外利用
などを詳しく伝えます。
検索するときは何と入力する?
たとえば、
「作品名 著作権」
「作品名 利用許諾」
「作品名 二次利用」
「作者名 著作権 管理」
「会社名 映像利用」
「出版社 著作権 問い合わせ」
などです。
公式サイトを優先して探します。
古い作品なら著作権が切れているかも?
あります。
ただし、古い=自由に使えるではありません。
原作の著作権が切れていても、
新しい翻訳
新しい挿絵
映画版
復刻版
などには別の著作権があることがあります。
この点は別記事「古い作品の著作権が切れているか、どう確認する?」で詳しく解説します。
どうしても権利者が見つからない場合は?
探しても、
作者が不明
権利承継先が分からない
会社がなくなっている
相続人が分からない
という場合があります。
日本には、著作権者が不明などの理由で許諾を得ることが困難な場合に利用できる裁定制度があります。
現在は、従来の「著作権者不明等の場合の裁定制度」に加え、2026年4月から「未管理著作物裁定制度」も始まっています。
前者は、著作権者が誰か、またはどこにいるか分からない場合などを対象とする制度です。
後者は、権利者の利用可否に関する意思を確認できない場合に、文化庁長官の裁定と補償金の支払いにより、一定期間利用できる制度です。
どちらを利用できるかは状況によって異なり、単にインターネット検索で権利者が見つからなかっただけで、作品を自由に使えるわけではありません。
結局、著作権者を探すならどうすればいい?
1.作品自体を見る
作者名、©表記、出版社、制作会社などを探します。
2.公式サイトを探す
利用許諾、二次利用、権利関係の窓口を探します。
3.出版社や制作会社へ聞く
著作権者でなくても窓口を知っていることがあります。
4.本人に聞くなら「窓口」を確認する
本人が直接許可できるとは限りません。
5.見つからなければ記録を残す
どこを調べ、誰に問い合わせたか残します。
6.本当に必要な素材か考える
権利者が分からず、別素材で代替できるなら、差し替える方が早いこともあります。
まとめ
著作権者が分からない作品を使いたい場合は、
作者名
クレジット
©表記
出版社
制作会社
配給会社
管理団体
を順番にたどります。
そして、
「この会社が権利者ですか?」ではなく、「利用許諾の窓口はどこですか?」と聞く
のがポイントです。
どうしても見つからない場合には制度上の手続きもありますが、映画制作では、代替できる素材なら別のものへ変更する方が早い場合もあります。
参考
※使用したい作品の著作権者や利用許諾窓口が分からない場合は、こちらからお問い合わせください。
