昔の映画や小説なら自由に使える?
更新日:9月7日
映画や動画の中で、昔の映画、小説、詩、絵画などを使いたいことがあります。
このときよく出るのが、「古い作品なら著作権は切れているんじゃない?」という疑問です。
たしかに、著作権には保護期間があり、期間が終わった著作物は、いわゆるパブリックドメインとして利用できる場合があります。
ただし、「昔の作品=自由に使える」ではありません。
確認したいのは、
原作品の著作権が切れているか
翻訳や編曲など新しい表現に別の著作権がないか
復刻版や新装版に新しい要素がないか
映像や音源そのものに別の権利がないか
という点です。
この記事で分かること
昔の映画や小説なら自由に使えるのか
著作権の保護期間はどう考えるのか
古典作品でも注意が必要な理由
翻訳や復刻版の権利
古い映画や音源を使う場合の注意点
実際に使う前に何を確認すればよいのか
著作権には保護期間がある
著作権は永久に続くわけではありません。
一定の保護期間が終了すると、その著作物は著作権による保護が終わります。
ただし、保護期間の考え方は、
著作者が個人か
映画の著作物か
公表時期
著作者の死亡時期
などによって変わります。
そのため、単純に「何年前の作品か」だけで判断することはできません。
古典小説ならそのまま使える?
原作小説の著作権が切れている場合、その原文自体は利用できることがあります。
ただし、注意したいのが翻訳です。
たとえば海外の古典作品でも、
新しい日本語訳
現代語訳
注釈付き版
新しい解説
などには、それぞれ別の著作権があることがあります。
つまり、原作はパブリックドメインでも、今売られている日本語版をそのまま使えるとは限りません。
使いたい文章が原文なのか、誰かの翻訳なのかを確認します。
昔の映画なら自由に使える?
古い映画についても、保護期間が終了している作品はあります。
ただし、映画では、
映像
音楽
字幕
吹替
復元
新しい編集
などが加わっている場合があります。
そのため、「古い映画だからそのDVDや配信映像をそのまま使える」とは限りません。
たとえば、原作品の著作権が切れていても、新しく付けられた字幕や吹替音声には別の権利があることがあります。
復刻版・新装版にも注意
昔の本や映画が、
復刻版
新装版
デジタル修復版
リマスター版
として販売されていることがあります。
この場合、元作品とは別に、
新しい装丁
新規イラスト
新しい字幕
新規解説
新たな編集
などが含まれていることがあります。
そのため、「原作の著作権が切れているか」と「今手元にある版をそのまま使えるか」は別問題です。
古い絵画なら?
昔の絵画で、作者の著作権の保護期間が終了している場合は、作品自体はパブリックドメインになっていることがあります。
ただし、Webサイトや美術館のデータベースに掲載されている画像を使う場合は、
撮影画像
デジタルデータ
利用規約
画像貸出条件
などを確認する必要があります。
つまり、作品そのものの著作権が切れていることと、ネット上の画像データを自由に使えることは別です。
古い音楽なら?
クラシック音楽などでは、作曲者の著作権が切れている曲もあります。
ただし、曲がパブリックドメインでも、録音された音源まで自由とは限りません。
たとえば、100年以上前に作曲された曲でも、最近録音されたオーケストラ音源には別の権利があります。
そのため、
曲そのもの
実際に使う録音音源
を分けて確認します。
パブリックドメイン素材サイトなら安心?
パブリックドメイン作品を集めたサイトもあります。
ただし、その場合も、
本当にパブリックドメインか
利用地域はどこか
サイト独自の利用条件はあるか
クレジット条件があるか
新しい加工や編集が加えられていないか
を確認します。
海外サイトでは、日本での著作権の扱いと一致しない場合もあるため注意が必要です。
保護期間は国によって違うことがある
著作権の保護期間は、国によって制度が異なる場合があります。
そのため、海外ではパブリックドメインでも、日本ではまだ保護されているという可能性があります。
映画や動画を日本国内だけでなく海外でも公開する場合は、利用地域も意識した方がよいでしょう。
結局、昔の作品を使いたいときはどうすればいい?
1.原作品の著作者を確認する
作者、作曲者、映画の公表時期などを確認します。
2.保護期間が終了しているか確認する
「古そうだから」ではなく、具体的に確認します。
3.実際に使う版を見る
翻訳、新装版、復刻版、字幕、音源などに新しい権利がないか確認します。
4.ネットから取得する場合は利用条件を見る
美術館、図書館、素材サイトなどの利用規約を確認します。
5.不明なら別の版や素材を探す
同じ古典作品でも、権利関係が明確なデータや版を選ぶ方が扱いやすいです。
まとめ
昔の作品は、著作権の保護期間が終了していれば利用できる場合があります。
ただし、
古いから自由とは限らない
保護期間は作品ごとに確認する
原作が自由でも翻訳には著作権があることがある
復刻版や新装版に新しい権利が加わっていることがある
古い映画でも字幕・吹替・復元版には注意する
古い曲でも最近の録音音源には別の権利がある
Web上の画像やデータには利用条件がある場合がある
海外と日本で保護期間が違うことがある
という整理になります。
「この作品は古いか」ではなく、「今使おうとしている、この具体的な版・映像・音源は自由に使えるか」を確認する。
これが一番大切です。
参考
※映画や動画で古い映画・小説・音楽・美術作品などを利用する際の保護期間や権利関係について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
