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制作委託契約と業務委託契約は何が違う?

9月11日
読了時間: 7分

更新日:9月13日


結論からいうと、「制作委託契約」と「業務委託契約」は、名前だけで大きく違う契約になるわけではありません。


映画・動画制作では、


  • 撮影

  • 編集

  • 脚本

  • 音楽

  • デザイン


などを外部へ頼む契約を、まとめて「業務委託契約」と呼ぶこともあれば、内容に合わせて「制作委託契約」と呼ぶこともあります。


大切なのは契約書のタイトルではなく、「何を頼み、何を納品してもらい、報酬はいくらで、権利をどうするのか」が中に書かれていることです。



この記事で分かること

  • 制作委託契約と業務委託契約の違い

  • どちらの名前を使えばよいのか

  • 請負と準委任は何が違うのか

  • 映画制作ではどこを確認すればよいのか

  • 契約書には何を書けばよいのか




「業務委託契約」は広い呼び方


実務では、外部の人や会社へ仕事を頼む契約を広く、


業務委託契約


と呼ぶことがあります。


たとえば、


  • カメラマンへ撮影を頼む

  • 編集者へ編集を頼む

  • 脚本家へ脚本を書いてもらう

  • 作曲家へ音楽制作を頼む


といった契約です。


ただし、「業務委託契約」という名前の契約類型が民法にそのままあるわけではありません。

実際の内容によって、請負や準委任などの性質を持つことがあります。




「制作委託契約」は何?


制作委託契約も、一般に、


何かを制作してもらう契約


という意味で使われます。


たとえば、


  • 動画制作

  • ポスター制作

  • ロゴ制作

  • 音楽制作

  • イラスト制作


などです。


なので、


業務委託契約の中でも、制作物を作ってもらう契約を「制作委託契約」と呼ぶ


くらいに考えると分かりやすいです。




契約書のタイトルはどっちでもいい?


内容に合っていれば、どちらでも構いません。


たとえば編集者に映画編集を頼む場合、


映像編集業務委託契約書


でも、


映像編集制作委託契約書


でも考えられます。


タイトルだけで契約内容が決まるわけではありません。


中身の方が重要です。




実際には「請負」と「準委任」を意識する


外注契約では、仕事の内容によって、


  • 請負

  • 準委任


の違いが問題になることがあります。


簡単にいうと、


請負

仕事を完成させることを約束する契約

です。


準委任

一定の業務を行うことを約束する契約

です。


この違いを知っておくと、外注契約を作りやすくなります。




映画編集を頼むなら請負?


たとえば、


90分の映画を編集して、完成データを納品してください。

という契約なら、完成した成果物を求めているので、請負的な性質が強くなります。


一方、


撮影期間中、編集スタッフとして毎週作業してください。

という契約なら、一定期間の業務提供という性質が強くなることがあります。


つまり、同じ「編集」でも頼み方によって違います。




カメラマンの場合は?


カメラマンも同じです。


たとえば、


〇月〇日に撮影業務を担当してください。

なら、一定の業務を行ってもらう契約として整理することがあります。


一方、


商品写真30枚を完成データとして納品してください。

なら、成果物の完成を重視する契約になります。


名前だけで決めず、何を約束しているかを見ることが大切です。




映画制作では混ざることも多い


実際の映画制作では、


業務をしてもらう部分と、成果物を納品してもらう部分が混ざる


ことがあります。


たとえば編集者なら、


  • 編集作業をする

  • 打ち合わせに参加する

  • 修正対応する

  • 完成データを納品する


という内容です。


そのため、「これは100%請負」「これは100%準委任」と単純に分けにくい契約もあります。


ブログを読む制作側としては、まず、


契約名より、何をしてもらう契約なのかを具体的にする


ことを優先すれば大丈夫です。




外注先がフリーランスなら、別のルールも確認する


カメラマン、編集者、脚本家、作曲家などへ仕事を頼む場合、外注先がフリーランス法の対象となることがあります。


その場合は、契約書のタイトルが「制作委託契約」か「業務委託契約」か、請負か準委任かという問題とは別に、フリーランス法上のルールを確認します。


発注時には、例えば、


  • 委託する業務の内容

  • 報酬額

  • 支払期日

  • 納品日・作業日

  • 納品場所や作業場所

  • 検査を行う場合の検査完了日


などの取引条件を、書面またはメール等の電磁的方法で直ちに明示する必要があります。


さらに、発注側の体制や委託期間などによっては、原則60日以内の報酬支払い、受領拒否や報酬減額などの禁止、ハラスメント対策、中途解除等の事前予告といったルールが関係することもあります。


そのため、「口頭で頼んだから対象外」「契約書を作っていないから対象外」ということにはなりません。


映像制作の外注では、契約内容だけでなく、発注時の条件明示や支払い方法まで確認することが大切です。


何を納品してもらうかを書く


制作委託では、納品物を明確にします。


たとえば、


編集

  • 完成動画

  • プロジェクトファイル

  • 字幕データ


デザイン

  • JPEG

  • PNG

  • PDF

  • Illustratorデータ


音楽

  • WAV

  • MP3

  • ステムデータ


などです。


単に、「完成物一式」と書くより、具体的にした方が後から揉めにくくなります。




「完成」の基準も決める


請負的な契約では、何をもって完成とするかが重要です。


たとえば編集なら、


  • 依頼した仕様になっている

  • 指定尺に収まっている

  • 指定形式で納品されている


などです。


「制作側が満足するまで」とだけすると、終わりが分かりにくくなります。




修正回数も契約に入れる


制作物では、


  • 初稿

  • 修正

  • 再修正

  • 最終版


と進みます。


そのため、


修正2回まで報酬に含む。

などと決めます。


大幅変更は追加料金にする方法もあります。




報酬は「作業時間」なのか「完成物」なのか


ここも確認します。


たとえば、


日額   撮影1日50,000円

時間   1時間5,000円

一式   編集一式150,000円


などがあります。


契約によって報酬の考え方が違います。


「一式」なら、どこまでの作業が含まれているかを明確にします。




著作権は別に決める


制作委託契約で特に重要です。


たとえば、


  • 脚本

  • 音楽

  • イラスト

  • デザイン


を納品してもらっても、その制作物の著作権が自動的に依頼者へ移るわけではありません。


そのため、


  • 著作権譲渡

  • 利用許諾


のどちらにするかを契約で決めます。




「納品=権利も全部もらえる」ではない


ここは間違えやすいところです。


たとえばロゴデータを納品してもらっても、


データを受け取ったことと、著作権を取得したことは別


です。


映画制作では、


  • 本編

  • SNS

  • 配信

  • 広告

  • 海外


で使えるよう、利用範囲も確認します。




再委託してもいいか決める


制作会社へ仕事を頼したら、その会社がさらに別のクリエイターへ外注することがあります。


たとえば、


制作会社→編集会社→フリーランス編集者


という形です。


再委託を認めるのか、事前承諾が必要なのかを決めておく方法があります。


未公開作品なら、秘密保持の面でも重要です。




実績公開も決める


外注先が、


  • SNS

  • ポートフォリオ

  • Webサイト


に制作物を掲載することがあります。


公開前作品なら、


実績として公開する場合は制作側の事前承諾を得る。

などと決めます。




契約書には何を書けばいい?


最低限、


  • 契約当事者

  • 業務内容

  • 納品物

  • 納期

  • 報酬

  • 修正回数

  • 追加作業

  • 著作権

  • 利用範囲

  • 再委託

  • 秘密保持

  • 実績公開


を確認します。




実際にはどの契約名にすればいい?


迷ったら、具体的な名前にするのが分かりやすいです。


たとえば、


  • 映像撮影業務委託契約書

  • 映像編集業務委託契約書

  • 脚本制作委託契約書

  • 楽曲制作委託契約書

  • デザイン制作委託契約書


などです。


「業務委託契約書」だけより、何の仕事なのかタイトルから分かる方が管理しやすいです。




結局、制作委託契約と業務委託契約はどう違う?


業務委託契約

外部へ仕事を頼む契約を広く呼ぶ言葉として使われます。


制作委託契約

その中でも、制作物を作ってもらう契約で使われることが多い呼び方です。


重要なのは契約書のタイトルではなく、


  • 何をするのか

  • 何を納品するのか

  • いくら払うのか

  • いつまでか

  • 権利をどうするか


です。




まとめ


制作委託契約と業務委託契約は、名前だけを見て大きく区別する必要はありません。


映画・動画制作では、


  • 撮影

  • 編集

  • 脚本

  • 音楽

  • デザイン


などの外注を、業務委託契約や制作委託契約として整理できます。


大切なのは、


  • 業務内容

  • 成果物

  • 納期

  • 報酬

  • 修正

  • 著作権

  • 利用範囲


が契約書から分かることです。


「何という契約書にするか」より、「頼んだ仕事と完成後の扱いがきちんと書いてあるか」を見る。


これが映画制作の外注契約では重要です。



参考


※映画・動画制作の業務委託契約・制作委託契約の内容について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。


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