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共同制作を始める前に何を決める?

9月12日
読了時間: 8分

更新日:9月13日


結論からいうと、共同制作を始める前に最低限、


  • 誰が何を担当するか

  • 制作費を誰がいくら出すか

  • 作品の権利を誰が持つか

  • 最終判断を誰がするか

  • 売上・利益をどう分けるか

  • 映画祭・配信・販売を誰が決めるか

  • 途中で誰かが抜けたらどうするか


を決めておきます。


共同制作で一番危ないのは、仲が良いから大丈夫だろう、と役割もお金も権利も曖昧なまま始めることです。


完成前は仲が良くても、作品が売れたり、映画祭で評価されたり、逆に制作が止まったりすると、後から「誰の映画なのか」が問題になります。



この記事で分かること

  • 共同制作で最初に何を決めるのか

  • 監督・プロデューサーの役割をどう分けるか

  • 制作費や立替金をどう扱うか

  • 映画の権利を誰が持つのか

  • 売上をどう分けるのか

  • 一人が途中で抜けた場合どうするのか




まず「共同制作」の意味を揃える


同じ「共同制作」でも、実態はかなり違います。


たとえば、


  • 監督とプロデューサーが二人で作る

  • 複数の制作会社で作る

  • 友人同士で制作費を出し合う

  • 一人が資金を出し、一人が制作を担当する

  • 全員が無償で参加する


などがあります。


そのため最初に、誰と誰が、何を共同で行うのかを整理します。




誰が何を担当する?


たとえば、


監督

  • 演出

  • キャスティング

  • 編集方針


プロデューサー

  • 予算管理

  • 契約

  • スケジュール

  • 配給交渉


制作会社

  • 撮影準備

  • スタッフ手配

  • ロケ手配


などです。


もちろん作品によって違います。


重要なのは、肩書だけでなく実際の担当範囲を書くことです。




「二人で全部決める」は危ない


少人数の自主映画では、


何でも二人で相談して決めよう。

となりがちです。


ただ、意見が割れたら決まりません。


たとえば、


監督「この編集で完成」

プロデューサー「あと20分削りたい」


となったとき、どちらが最終判断をするのか決めておいた方がよいです。




最終判断を分野ごとに決める


たとえば、


  • 演出・編集 監督

  • 予算 プロデューサー

  • 契約 制作会社

  • 配給・販売 双方協議


というように分ける方法があります。


何でも一人に決めさせる必要はありません。


どの分野を誰が最終的に決めるかを整理します。




制作費は誰が出す?


制作前に、


  • Aさん 100万円

  • Bさん 50万円

  • 制作会社 50万円


など、誰がいくら負担するかを決めます。


さらに重要なのが、そのお金が、


  • 出資

  • 貸付

  • 制作費負担

  • 立替


のどれなのかです。


同じ100万円でも意味が違います。




立替金も記録する


自主制作では、


  • ロケ代

  • 機材代

  • 交通費

  • 衣装代


を誰かが個人カードで払うことがあります。


そのままにすると、


私の方が30万円多く出している。

という話になりやすいです。


そのため、


誰が何を立て替え、いつ精算するか


を記録します。




追加予算が必要になったら?


映画は予算オーバーすることがあります。


たとえば当初200万円だったのに、追加で50万円必要になった場合です。


そのとき、


  • 同じ割合で追加負担する

  • 誰か一人が出す

  • 外部から資金調達する

  • 制作規模を縮小する


など、どう判断するか決めておくとよいです。




完成した映画は誰のもの?


ここは非常に重要です。


制作費を半分ずつ出したからといって、著作権が自動的に50%ずつになるとは限りません。


映画の著作権については、著作権法上のルールがあります。


一方で共同制作では、


  • 誰が映画製作者なのか

  • 制作会社が権利を持つのか

  • 共同で管理するのか


を整理しておく必要があります。




脚本・音楽・デザインの権利も別


完成映画だけではありません。


共同制作では、


  • 脚本

  • 音楽

  • タイトルロゴ

  • ポスター

  • 写真


など、周辺の権利もあります。


これらについて誰が契約を結び、誰が管理するのか決めます。




映画祭への出品は誰が決める?


意外と揉めやすいところです。


たとえば、


監督「まず海外映画祭へ出したい」

出資者「早く配信して売上を出したい」


という違いが出ることがあります。


そのため、


  • 映画祭出品

  • 劇場公開

  • 配信

  • 販売


の決定方法を決めておきます。




映画祭の賞金は誰のもの?


映画祭によっては賞金があります。


その場合、


  • 制作費へ戻す

  • 出資者へ分配する

  • 監督へ渡す

  • 共同制作者で分ける


などの方法があります。


小額でも、最初に考えておく方がよいです。




売上はどう分ける?


たとえば配信で100万円の売上が出ても、その100万円をそのまま分けるとは限りません。


先に、


  • 配給手数料

  • 広告費

  • 字幕費

  • 映画祭費

  • その他経費


を差し引くことがあります。


そのため、売上なのか利益なのかを明確にします。




制作費を先に回収する?


よくある考え方として、

  1. まず配信等の売上から必要経費を控除

  2. 出資額を回収

  3. 残った利益を一定割合で分配


という方法があります。


たとえば、A 60%・B 40%などです。


ただし、これも自動的に決まるものではありません。


共同制作者間で決めます。




クレジットも決める


共同制作では、


  • Producer

  • Co-Producer

  • Executive Producer

  • Production

  • Presented by


など、クレジットでも意見が分かれることがあります。


「そんなことで揉めるの?」と思うかもしれませんが、作品が評価されるほど重要になります。


必要なら最初に決めます。




アカウントは誰が管理する?


映画祭応募や配信では、


  • FilmFreeway等の応募アカウント

  • YouTube

  • SNS

  • 映画公式メール

  • クラウドストレージ


を使います。


一人の個人アカウントだけで管理していると、その人が抜けたとき困ります。


そのため、作品のアカウント・パスワード・データを誰が管理するかも決めておくと安心です。




元データは誰が持つ?


共同制作では、


  • 撮影データ

  • 編集プロジェクト

  • 音源

  • 契約書

  • 宣伝素材


を誰か一人だけが持っている状態を避けた方がよいです。


少なくとも、責任者や制作会社がアクセスできるようにします。




一人が途中で抜けたら?


ここも最初に決めます。


たとえば、


  • 監督が降板した

  • プロデューサーが離脱した

  • 出資者が途中で辞めた


場合です。


そのとき、


  • 出したお金は返すのか

  • 作品の権利は残るのか

  • クレジットはどうするか

  • 制作を続けられるのか


を考えます。




「辞めるなら全部返して」は簡単ではない


すでに撮影費として使ってしまったお金を、途中離脱した人へ全額返すことはできない場合があります。


そのため、


制作開始後の拠出金は原則として返還しない。

などと決める方法もあります。


もちろん、案件に応じて調整します。




完成しなかったらどうする?


映画が必ず完成するとは限りません。


  • 資金不足

  • 主要キャスト降板

  • 制作会社解散

  • 災害


などで中止になることもあります。


その場合、


  • 残金をどうするか

  • 撮影済み映像をどうするか

  • 未完成素材を公開してよいか

  • 契約を終了するか


まで決めておくとよいです。




秘密保持も考える


共同制作者は、


  • 脚本

  • キャスト

  • 制作費

  • 配給交渉

  • 未公開映像


など多くの情報を共有します。


そのため、制作中の情報を勝手にSNS公開しないことも決めておきます。




口約束だけで共同制作してもいい?


少人数なら、実際には口頭で始めることもあります。


ただし共同制作は、


お金・権利・意思決定がすべて絡む


ので、後から確認できる形を残しておく方が安全です。


正式な共同制作契約書でも、簡単な合意書でも構いません。


最低限重要な事項を文字にします。




契約では何を書けばいい?


たとえば、


  • 共同制作者

  • 作品名・企画内容

  • 各自の役割

  • 制作費負担

  • 追加費用

  • 権利帰属

  • 意思決定方法

  • 売上・利益分配

  • 映画祭・配信等の決定

  • データ管理

  • 離脱時の扱い

  • 制作中止

  • 秘密保持


などです。




実際にはこう確認すると分かりやすい


共同制作を始める前に、


監督は演出・編集の最終判断、プロデューサーは予算・契約を担当する。制作費はAが100万円、Bが50万円負担する。配信等の売上は経費と出資金を回収した後、A60%・B40%で分配する。映画祭出品・配給契約は双方の合意で決定する。どちらかが途中離脱した場合でも、それまで制作した映画の利用を妨げない。

など、重要事項を先に整理します。




結局、共同制作を始める前に何を決めればいい?


1.役割を決める

誰が何を担当し、誰が最終判断するかです。


2.お金を決める

制作費、立替、追加予算を整理します。


3.権利を決める

完成映画や素材を誰が管理するか決めます。


4.収益分配を決める

売上ではなく、何を差し引いた後に分けるかも決めます。


5.終わり方を決める

離脱・中止の場合まで考えます。




まとめ


共同制作を始める前には、


  • 役割

  • 最終判断

  • 制作費

  • 追加費用

  • 権利

  • 映画祭・配信

  • 売上・利益

  • データ管理

  • 離脱

  • 制作中止


を決めておきます。


特に重要なのは、「仲が良いから細かく決めなくても大丈夫」と思わないことです。


映画が完成しなければお金の問題が出ます。


完成して評価されれば、今度は権利や収益の問題が出ます。


だからこそ、うまくいっている制作開始前の段階で、誰が何を持ち、誰が何を決めるのかを文字にしておくことが大切です。



参考


※共同制作・共同出資で映画を制作するときの役割、権利、収益分配について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。


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