NDA(秘密保持契約)には何を書けばいい?
結論からいうと、NDA(秘密保持契約)では、「何を秘密にするのか」「誰に開示してよいのか」「いつまで守るのか」を明確にしておくことが大切です。
映画制作では、
脚本
企画書
キャスト情報
撮影場所
未公開映像
公開予定
契約条件
などが秘密情報になりやすいです。
ただし、何でも秘密にすればよいわけではありません。
守りたい情報を、実際の制作に合わせて決めるのが基本です。
この記事で分かること
NDAで決めるべき基本項目
映画制作では何を秘密情報にするのか
曖昧にしないための書き方
まず決めるのは「何が秘密情報か」
NDAで一番重要なのは、秘密情報の範囲です。
たとえば、
未公開の脚本
ストーリー設定
キャスト情報
撮影スケジュール
ロケ地
制作予算
未編集映像
配給・配信の交渉内容
などです。
一方で、すでに公式発表された情報まで秘密にし続ける必要はないことがあります。
そのため、
すでに公表されている情報は秘密情報に含まれない。
と整理する方法があります。
誰に見せてよいのかを決める
秘密情報は、相手本人だけが見るとは限りません。
たとえば制作会社なら、
社内スタッフ
弁護士
税理士
外部スタッフ
などに共有する必要があることがあります。
そのため、業務上必要な範囲で関係者へ共有できるのかも決めておきます。
一方で、SNSや知人への共有は認めない、と区別できます。
何のために使えるのかも決める
受け取った情報を、その案件の検討・制作のためだけに使うと決めることがあります。
たとえば、脚本を受け取った相手が、その内容を別作品の企画会議で使うのは困る場合があります。
そのため、
本件の検討および制作以外の目的で使用しない。
という形で利用目的を限定する方法があります。
いつまで秘密にする?
秘密保持期間も決めます。
映画制作では、
情報解禁日まで
公開日まで
契約終了後3年間
一定の情報は期間を定めず秘密
など、情報によって変えることがあります。
たとえばキャスト情報なら公式発表までで足りる場合があります。
一方、個人情報や内部資料は、その後も秘密にする必要があるかもしれません。
そのため、すべて同じ期間にしなくても構いません。
SNS投稿も入れておくと分かりやすい
映画制作では、秘密保持違反がSNS投稿として起きることがあります。
そのため、
現場写真
出演情報
未公開映像
ロケ地情報
を無断でSNSへ出さないことを明確にしておくと分かりやすいです。
NDAとは別に、出演契約や業務委託契約でSNSルールを決める方法もあります。
契約終了後の資料はどうする?
脚本や企画書を渡している場合、
返却する
削除する
必要な範囲だけ保管する
などを決めることがあります。
デジタルデータなら、
契約終了後、不要となった秘密情報を削除する。
とする方法があります。
ただし、法令や会計、契約管理のために保管が必要な資料まで一律削除にしないようにします。
違反した場合はどうする?
NDAでは、秘密保持義務に違反した場合の責任を定めることがあります。
たとえば、
損害賠償
差止め
契約解除
などです。
ただし、違反したら必ず〇百万円のような高額な違約金を入れれば安心、というわけではありません。
実際の関係やリスクに合わせて決めます。
実際にはどう書けばいい?
NDAでは、少なくとも次の点を整理すると分かりやすくなります。
秘密情報の範囲
利用目的
第三者への開示ルール
SNS等での公開禁止
秘密保持期間
契約終了後の資料の扱い
違反時の対応
たとえば、
本作品に関して開示された未公開の脚本、企画、キャスト、撮影情報、映像その他の情報を秘密情報とし、本件の検討または制作以外の目的に使用しない。
さらに、
相手方の事前承諾なく、秘密情報を第三者へ開示またはSNSその他の方法で公開しない。
とする形があります。
まとめ
NDA(秘密保持契約)では、
何を秘密にするか
何のために使えるか
誰に共有できるか
いつまで守るか
終了後どう扱うか
を決めます。
特に大切なのは、「すべて秘密」とだけ書かず、実際に守りたい情報を具体的にすることです。
映画制作なら、脚本、キャスト、ロケ地、未公開映像、公開予定など、制作段階に合わせて秘密情報を整理すると使いやすくなります。
参考
※個別のNDA(秘密保持契約)や秘密情報の範囲についてご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
