脚本を送る前にNDAを結ぶべき?
結論からいうと、脚本を外部の相手に送る前に、必ずNDA(秘密保持契約)を結ばなければならないわけではありません。
ただし、
未公開の企画である
内容を外部に知られたくない
複数社へ提案している
重要な設定やストーリーが含まれている
という場合は、NDAを使う意味があります。
一方で、相手によってはNDA締結前の資料確認を受け付けていないこともあります。
そのため、送る相手と資料の重要度を見て判断するのが現実的です。
この記事で分かること
脚本を送る前にNDAが必要なケース
NDAなしで送る場合に気をつけたいこと
送付前に何を決めておけばいいのか
まず、誰に送るのかで考える
脚本を送る相手によって、NDAの必要性は変わります。
たとえば、
外部の制作会社
出資候補者
共同制作者候補
配給・販売先
外部スタッフ
などです。
相手と今後正式な契約を結ぶ予定があるなら、その前段階としてNDAを使うことがあります。
一方で、業界によっては、企画書や脚本の初期確認段階ではNDAを結ばないという運用もあります。
そのため、「脚本を送る=必ず先にNDA」ではありません。
NDAを結ぶ意味は「内容を守る」こと
NDAを結ぶ目的は、脚本そのものの著作権を発生させることではありません。
主な目的は、受け取った相手が未公開情報を勝手に第三者へ出さないようにすることです。
たとえば、
ストーリー
キャラクター設定
キャスト候補
制作予算
公開予定
企画の進行状況
などを秘密情報として扱うことができます。
NDAがなくても著作権はなくならない
脚本を書いた時点で、著作物として保護される可能性があります。
NDAを結んでいないからといって、相手が自由に脚本をコピーしたり、そのまま使ったりしてよいことにはなりません。
ただし、アイデアそのものと、具体的に表現された脚本は別です。
たとえば、
「無人島で男女が生き残る映画」
というアイデアだけなら、それだけで独占できるわけではありません。
そのため、NDAは著作権とは別の役割を持っています。
NDAなしで送る場合は、何も残さなくていい?
そういうわけではありません。
少なくとも、
誰に
いつ
何を送ったか
は残しておく方が安心です。
メールで送れば、送付記録が残ります。
ファイル名やバージョンも、
「script_最終版」
より、
「作品名_脚本_20260913」
など、後から分かる形にしておくと整理しやすくなります。
まず企画書だけ送る方法もある
いきなり脚本全文を送らず、
企画書
あらすじ
プロット
冒頭数ページ
などを先に見てもらう方法もあります。
相手が興味を持った段階で、必要ならNDAを結んで脚本全文を共有します。
特に、まだ関係性がない相手へ送る場合は、この方法も使いやすいです。
相手から「NDAは結びません」と言われたら?
それ自体は珍しいことではありません。
特に多くの企画を受け取る会社では、
「似た企画がすでに社内にあるかもしれない」
という理由から、提案段階でNDAを結ばないことがあります。
その場合は、
それでも送る
送る範囲を限定する
今回は送らない
のどれにするか判断します。
NDAを結ばない相手が直ちに危険、というわけではありません。
実際にはどう決めればいい?
脚本を送る前に、
相手との関係
資料の重要度
どこまで公開されている企画か
全文を送る必要があるか
相手がNDAに応じるか
を確認します。
たとえば、まだ関係のない相手へ企画を提案するなら、まず企画書やあらすじだけ。
正式な共同制作の話が進んでいるなら、NDAや共同制作契約を結んでから脚本を共有する。
というように段階を分ける方法があります。
NDAを結ぶなら、
本企画に関して開示された未公開の脚本、設定、キャスト情報その他の情報を、開示者の承諾なく第三者へ開示しない。
など、対象となる情報を整理します。
まとめ
脚本を送る前にNDAを結ぶかどうかは、
誰に送るのか
どこまで重要な情報を見せるのか
正式な制作関係に入っているのか
を見て判断します。
NDAは、脚本の著作権を作るための契約ではありません。
未公開情報を外部へ出さないための契約です。
そのため、「脚本を送るなら絶対NDA」ではなく、必要ならNDAを結ぶ。
まだ初期提案なら送る情報を限定する。
という使い分けの方が現実的です。
参考
※個別のNDA(秘密保持契約)や脚本共有時の契約についてご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
