契約書と同意書は何が違う?
更新日:9月16日
結論からいうと、契約書は「双方で条件を決めるもの」、同意書は「一方が内容を確認して同意するもの」と考えると分かりやすいです。
ただし、名前だけで法的な意味が決まるわけではありません。
「同意書」と書いてあっても、内容によっては契約として扱われることがあります。
逆に「契約書」と書いてあっても、中身が曖昧なら十分とはいえません。
映画制作では、
出演者との契約
肖像利用への同意
撮影場所の利用
著作権の利用
未成年者の出演
SNSや宣伝での使用
など、場面によって使い分けます。
大切なのは、書類のタイトルではなく、誰が何に同意し、何を約束しているのかです。
この記事で分かること
契約書と同意書の違い
出演者にはどちらを使えばいいのか
同意書だけで足りる場面
契約書にした方がいい場面
映画制作でよくある使い分け
契約書は「お互いの約束」を決めるもの
契約書は、当事者双方が条件について合意した内容をまとめるものです。
たとえば出演者との契約なら、
撮影日
出演内容
出演料
交通費
延期・中止
出演映像の利用範囲
SNSや予告編での利用
などを決めます。
制作側にも、「出演料を支払う」「決めた条件で映像を使う」という約束があります。
出演者側にも、「撮影に参加する」「決めた範囲で出演映像を利用することを認める」という約束があります。
つまり、双方に権利や義務がある関係を整理するのが契約書です。
同意書は「この内容に同意します」を残すもの
同意書は、
この内容について説明を受け、同意します。
という確認を残すために使われることが多いです。
映画制作なら、
顔や姿を撮影すること
出演映像を公開すること
SNSや宣伝に使うこと
特定の撮影内容に参加すること
などへの同意を取る場面があります。
たとえば、
撮影した映像・写真を、作品本編・予告編・SNS・宣伝物に使用することに同意します。
という内容です。
この場合、中心になるのは、相手が利用に同意したことを確認することです。
出演者なら契約書と同意書、どっち?
有償の出演なら、基本的には契約書にまとめた方が分かりやすいです。
なぜなら出演者との間では、
出演してもらう
報酬を支払う
撮影日時を決める
映像を利用する
延期や中止に対応する
など、単なる「同意」だけでは済まない条件が多いからです。
一方で、
無償の短い出演
街頭インタビュー
イベントでの簡単な撮影
協力者としての出演
など、条件が単純な場合は、同意書で整理する方法もあります。
ただし、無償だから同意書で十分とは限りません。
公開範囲が広い
長期間使う
広告・宣伝にも使う
再編集する
といった場合は、同意内容をかなり具体的にする必要があります。
「肖像使用同意書」だけで全部決められる?
肖像使用同意書は、出演者の顔や姿を使うことについて同意を得るためによく使われます。
ただし、それだけで、
出演料
撮影日
拘束時間
再撮影
キャンセル
交通費
宣伝協力
まで決められるとは限りません。
そのため、
出演条件は出演契約書
肖像や出演映像の利用はその中の条項
としてまとめる方法もあります。
書類を分ける場合でも、「どの書類で何を決めているのか」が分かるようにしておくことが大切です。
ロケ地では「同意書」より契約書の方が向いていることが多い
ロケ地を借りる場合は、
使用日時
使用場所
使用料
延長料金
原状回復
破損
キャンセル
雨天延期
店名や施設名の表示
など、双方で決めることが多くなります。
そのため、単に、
撮影に同意します。
だけでは足りないことがあります。
ロケ地では、ロケ地使用契約などで条件を整理した方が実務的です。
著作権は「同意」だけで済まないことがある
イラスト、音楽、写真、脚本などを使う場合も注意が必要です。
たとえば、
この映画で使っていいです。
という同意だけでは、
映画祭
劇場公開
配信
SNS
広告
海外利用
再編集
まで許可されているのか分からないことがあります。
さらに、著作権を譲渡する場合と、利用を許可する場合では意味が違います。
そのため、著作権については、
何を
どこで
どのくらい
どんな方法で
使えるのかを、契約書などで具体的に決めた方が分かりやすいです。
同意書だから簡単でいい、とは限らない
書類のタイトルが「同意書」でも、重要な権利を扱うなら内容は具体的にする必要があります。
たとえば、
撮影・公開に同意します。
だけでは、
どの作品なのか
どの媒体なのか
いつまで使えるのか
宣伝にも使えるのか
編集して使えるのか
が分かりません。
同意書でも、必要な範囲は具体的に書きます。
短い書類でも、曖昧でないことが大切です。
書類の名前より、中身を見る
「契約書」
「同意書」
「承諾書」
「確認書」
「覚書」
など、実務ではいろいろな名前の書類があります。
ただし、タイトルだけで法的な意味が決まるわけではありません。
たとえば、「同意書」という名前でも、双方の約束が細かく書かれていれば、実質的には契約として機能することがあります。
逆に、「契約書」という名前でも、
必要に応じて使用できる
のような曖昧な表現だけでは、後から困ることがあります。
見るべきなのは、書類名ではなく内容です。
迷ったら「双方で決めることが多いか」で考える
使い分けに迷ったら、双方で決める条件が多いかを考えると分かりやすいです。
たとえば、
同意書で整理しやすいもの
撮影への同意
肖像利用への同意
SNS掲載への同意
簡単な無償協力
契約書で整理しやすいもの
有償出演
制作業務の外注
ロケ地の利用
著作権の譲渡・利用許諾
共同制作
出資
という違いがあります。
ただし、最終的には案件ごとに判断します。
まとめ
契約書と同意書の違いは、簡単にいうと、
契約書は、双方で条件を決めるためのもの
同意書は、特定の内容について同意したことを確認するもの
です。
ただし、書類の名前だけで意味が決まるわけではありません。
映画制作では、
出演
肖像利用
ロケ地
著作権
宣伝利用
など、複数の条件が絡みます。
そのため、
何に同意してもらうのか
双方で何を約束するのか
を整理して、契約書と同意書を使い分けることが大切です。
参考
※映画・動画制作の契約書や同意書について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
