海岸・砂浜の撮影許可は誰に相談する?
更新日:9月6日
海岸や砂浜で撮影するときは、まずその海岸を管理している行政機関や施設管理者を確認します。
都道府県が管理する海岸もあれば、市区町村が管理している場所、海浜公園として別の管理者がいる場所もあります。
また、見た目は同じ海辺でも、少し移動すると港湾区域や漁港、公園などに変わることがあります。
そのため、海岸名だけで判断せず、実際にカメラ・出演者・機材を置く地点を確認して相談先を探すのが確実です。
この記事でわかること
海岸・砂浜の管理者は誰なのか
都道府県・市区町村管理の違い
海浜公園になっている場合
港・漁港に隣接する場合
管理者が分からないときの探し方
最初の問い合わせで伝える内容
海岸の管理者は都道府県とは限らない
公共海岸では、都道府県知事が海岸管理者となるのが基本ですが、市町村が管理する海岸もあります。
また、海岸が港湾区域や漁港区域と重なっている場合には、港湾や漁港を管理する地方公共団体が海岸管理者となる場合があります。国土交通省も、実務上の窓口として土木事務所、市役所、港湾事務所、漁港事務所などが考えられると整理しています。
つまり、「砂浜だから県の土木事務所」と最初から決めつけることはできません。
まず撮影場所が、どの管理区域に入っているのかを確認します。
一般的な海岸なら、まず都道府県の海岸管理窓口を探す
特定の施設や港などではない一般的な海岸であれば、まず都道府県のホームページで、
「〇〇県 海岸 管理」「〇〇海岸 管理者」「〇〇海岸 撮影」
などで調べると、担当する土木事務所や海岸管理担当が見つかることがあります。
例えば千葉県では、県管理海岸について、使用する海岸の所在地を管轄する土木事務所を窓口として案内しています。
ただし、千葉県でもすべての海岸を土木事務所が管理しているわけではなく、市町村、港湾事務所、漁港事務所などが管理している場所もあります。撮影場所の詳細を伝えれば、別の管理事務所を案内される場合があることも明記されています。
この考え方は撮影場所を探すときにも参考になります。
まず海岸の所在地を管轄する行政機関を探し、そこから正しい管理者を確認するという進め方です。
港や漁港の中にある砂浜は別に確認する
砂浜だからといって、必ず一般の海岸として管理されているとは限りません。
例えば神奈川県の藤沢土木事務所は、
鎌倉海岸
藤沢海岸
茅ケ崎海岸
を管理していますが、港湾区域・漁港区域は除かれています。
また、平塚土木事務所の案内を見ると、同じ地域でも、
海岸
港
漁港
海岸砂防林
などで管理者が分かれています。
現地では一続きの海辺に見えても、行政上の管理区域は同じとは限りません。
ロケハンのときには、「〇〇海岸で撮る」だけではなく、「〇〇海岸の、この位置で撮る」ところまで決めておいた方が管理者を確認しやすくなります。
港・埠頭なら港湾管理者を確認する
撮影場所が、
港
岸壁
埠頭
港湾施設
などに入っている場合は、一般の海岸とは別に、港湾管理者への確認が必要になることがあります。
港については、このシリーズの「港・埠頭で撮影するとき、許可は必要?」で詳しく扱います。
海を背景にしていても、スタッフやカメラを置く場所が港湾施設であれば、海岸のルールだけを確認しても足りません。
漁港なら漁港管理者を確認する
漁港も一般の海岸とは分けて考えます。
漁港内の、
岸壁
物揚場
船揚場
漁港道路
漁港施設
漁港区域内の海岸
などでは、漁港管理者への確認が必要になることがあります。
例えば千葉県南部漁港事務所では、同事務所が管理する漁港施設や海岸を利用して撮影する場合の手続を案内しています。
漁協への相談が必要になる撮影もありますが、「漁港=漁協が管理者」とは限りません。
行政上の管理者と、現場で漁業を行っている漁協・漁業者は分けて確認する必要があります。
詳しくは、「漁港で撮影するときの許可と漁協への相談」で扱います。
海浜公園なら公園管理者も確認する
「海で撮影したい」と思って探した場所が、実際には海浜公園の中というケースもあります。
この場合、撮影場所が公園区域であれば、公園管理者による撮影ルールが適用されることがあります。
さらに、公園内で準備→砂浜へ移動→海岸で撮影という撮影では、公園と海岸で管理者が分かれる可能性もあります。
どこからどこまでを撮影で使用するのかを確認してから相談した方が安全です。
詳しくは、「海浜公園で撮影するとき――公園と海岸・港湾の管理の違い」で整理します。
観光協会やフィルムコミッションは「管理者」とは限らない
ロケ地について検索すると、観光協会やフィルムコミッションのページが見つかることがあります。
こうした窓口は、
撮影場所の紹介
ロケ支援
管理者との調整
地域情報の提供
などを行っている場合があり、撮影相談の入口として役立つことがあります。
ただし、その団体自体が海岸の管理者とは限りません。
フィルムコミッションから撮影可能と案内された場合でも、別途、海岸管理者への届出や相談が必要になることがあります。
「ロケの相談先」と「その土地・施設の管理者」は分けて確認しておくと分かりやすくなります。
警察署へ海岸の撮影許可を申請するわけではない
道路撮影では道路使用許可があるため、「撮影なら警察署に申請するのでは?」と思うこともあります。
しかし、海岸そのものの利用について警察署が海岸管理者になるわけではありません。
海岸の撮影については、まずその場所の海岸管理者や施設管理者を確認します。
ただし、
海岸沿いの道路で撮影する
道路上に機材を置く
道路から大規模な搬入を行う
など、道路の使用方法によっては道路使用許可など別の手続が関係する場合があります。
海と道路をまたぐ撮影では、海岸側と道路側を分けて確認します。
管理者が分からないときは「撮影場所そのもの」を見せる
管理者を問い合わせるときに、「〇〇海岸で撮影したいのですが」だけでは、場所を特定できないことがあります。
特に長い海岸では、途中から管理区域が変わる場合があります。
そのため、
海岸名
市区町村
住所や目印
地図
撮影地点
カメラを置く場所
出演者が動く範囲
機材を置く場所
まで伝えられるようにしておくと確認しやすくなります。
Googleマップなどで撮影地点を示した画面や、簡単な位置図を用意しておくのも有効です。
問い合わせるときに最初に伝えること
最初の問い合わせでは、詳細な申請書まで完成していなくても、少なくとも次の内容を整理しておくと話が早く進みます。
撮影場所 〇〇海岸の〇〇付近
撮影予定日・時間 〇月〇日 午前〇時~午後〇時
撮影内容 映画、ドラマ、CM、MV、YouTubeなど
人数 出演者〇名、スタッフ〇名
主な機材 手持ちカメラ、三脚、照明など
設置物の有無 テント、セット、大型照明など
車両の有無
この段階で、「この場所はそちらの管理区域でしょうか」と最初に確認すると、管理者違いによるやり直しを減らせます。
管理者が違った場合は、次の窓口を確認する
問い合わせた役所から、「そこは当課の管理ではありません」と言われることもあります。
その場合はそこで終わらせず、「どちらの管理になるか分かりますか」と確認すると、担当する市区町村、土木事務所、港湾事務所、漁港事務所などを案内してもらえる場合があります。
千葉県も、県の土木事務所が管理していない海岸について、詳細な場所を確認したうえで別の管理事務所などを紹介する場合があると案内しています。
最初から完璧に管理者を特定できなくても、撮影地点が正確なら正しい窓口までたどり着きやすくなります。
海岸・砂浜の管理者を探す順序
迷った場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
1 撮影地点を地図で特定する
海岸名だけでなく、実際に撮影する位置まで決めます。
2 その場所が何の区域なのか確認する
一般の海岸なのか、港湾、漁港、公園などに含まれるのかを確認します。
3 都道府県や市区町村の公式サイトで管理者を調べる
「海岸名+管理者」「海岸名+撮影」「海岸名+一時使用」などで検索します。
4 分からなければ海岸管理担当へ場所を示して確認する
土木事務所、河川・海岸担当課などが入口になることがあります。
5 撮影場所が複数の区域にまたがる場合は、それぞれ確認する
公園+海岸、道路+海岸、港+海岸などでは、一つの窓口だけで終わるとは限りません。
まとめ
海岸や砂浜で撮影するとき、最初に確認したいのは、「撮影許可が必要か」よりも、「この場所を誰が管理しているのか」です。
一般の海岸であれば都道府県の土木事務所などが窓口になることがありますが、
市区町村管理の海岸
港湾区域
漁港区域
海浜公園
その他の施設
では管理者が変わります。
さらに、一続きに見える海岸でも途中で管理区域が変わる場合があります。
そのため、ロケハンの段階で実際の撮影地点を地図上で特定してから管理者を確認することが、海岸撮影の手続を進める第一歩になります。
参考
※海岸の管理者や、どこへ撮影の相談をすればよいか迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。
