他人の写真をAI加工して動画に使える?
更新日:9月21日
結論からいうと、他人が撮った写真をAIで加工したからといって、自由に使えるようになるわけではありません。
元の写真に著作権が残っていれば、
色を変える
背景を変える
人物を別の服装にする
イラスト風にする
一部を消す
AIで描き足す
といった加工をしても、元の写真との関係は残ります。
確認したいのは、
元の写真を使ってよいのか
加工してよいのか
加工後の画像を映画や動画で使ってよいのか
人物が写っている場合、肖像権などの問題はないか
加工内容や公開方法が、許可・利用条件の範囲内か
です。
「AIで別の見た目にしたから大丈夫」ではなく、まず元画像を使えるのかを見る。
ここが出発点です。
この記事で分かること
他人の写真をAI加工して使えるのか
加工すれば元の著作権は関係なくなるのか
SNSやネットで見つけた写真をAI加工してよいのか
人物写真をAI加工するとき何に注意するのか
映画や動画で使うなら、どこまで確認すればよいのか
AI加工しても、元の写真の権利は消えない
写真には、撮影者の著作権が認められることがあります。
その写真をAIへ入力して、
映画のワンシーンのようにしてください
アニメ風にしてください
背景を夜にしてください
と加工しても、元写真の著作権がなくなるわけではありません。
加工の程度によっては、元の写真をもとに別の表現へ作り変えることになり、翻案権や、改変内容によっては著作者人格権の同一性保持権が問題になることもあります。
そのため、加工後の画像だけを見るのではなく、そもそも元写真を加工する権限があるかを先に確認します。
SNSやネットで見つけた写真なら?
Google画像検索、SNS、Webサイトなどで見つけた写真も同じです。
ネット上で見られるからといって、自由にAIへ読み込ませて加工してよいとは限りません。
たとえば、
Instagramに投稿された写真
Xに投稿された写真
店舗サイトの写真
ニュース記事の写真
カメラマンの作品
芸能人の写真
などです。
これらを保存してAIに入力し、見た目を変えたとしても、「ネットにあった写真」から「自分の画像」に変わるわけではありません。
元画像を使う権利がなければ、加工後の利用にも問題が残る可能性があります。
どのくらい変えれば別物になる?
ここは、単純に数字では決められません。
たとえば、
色だけ変更した
背景だけ変更した
顔だけ少し変えた
写真をイラスト風にした
構図をほぼそのまま残した
という場合、元の写真の具体的な表現が残っていることがあります。
逆に、AI加工によって大きく変化していても、元画像との関係が完全になくなるとは限りません。
著作権では、単に「何%変えたか」ではなく、元写真の具体的な表現が加工後にも残っているかなど、元写真との関係を見て考えます。
そのため、
50%以上変えれば大丈夫
AIで描き直せば別作品になる
といった決め方はできません。
人物写真なら、著作権だけでは終わらない
他人が写っている写真をAI加工する場合は、写真の著作権だけでなく、人物側の権利も考えます。
たとえば、
顔を別の人物に近づける
衣装を変更する
年齢を変える
表情を変える
別の場所にいるように見せる
実際にはしていない行為をしているように見せる
などです。
この場合は、
肖像権
パブリシティ権
名誉やプライバシー
誤解を招く表現
などが問題になることがあります。
特に、実在人物について、本人が実際にはしていない行為や発言をしているように見せる加工は慎重に扱う必要があります。
映画や動画の中で架空の演出として使う場合でも、実在人物との関係が強いなら別に確認します。
自分で撮った写真なら自由にAI加工できる?
自分で撮影した写真なら、少なくとも他人が撮影した写真より整理しやすくなります。
ただし、写真の中に、
他人の顔
キャラクター
ポスター
美術作品
ロゴ
商品デザイン
などが含まれている場合は、それぞれ別の権利が関係することがあります。
つまり、「自分が撮った写真だから、写っているものまで全部自由」ではありません。
AIで加工する前に、元写真に何が含まれているかも見ます。
許可をもらった写真なら、加工までできる?
これも、許可の内容によります。
たとえば、
この写真をSNSで使っていいですよ
という許可だけでは、
AI加工
合成
色変更
映画への利用
広告利用
商品化
まで認められているとは限りません。
写真をAI加工して映画や動画で使うなら、
加工してよいか
映画・動画で使ってよいか
宣伝にも使ってよいか
SNSにも掲載してよいか
まで確認した方が分かりやすくなります。
必要なら、
写真をAIその他の編集ツールで加工・合成したうえで、映画本編、予告編、SNS、Webサイトその他本作品の宣伝に利用してよいか
という形で確認します。
ストックフォトや素材サイトなら?
素材サイトの写真をAI加工したい場合は、そのサイトの利用規約を確認します。
見るのは、
加工できるか
AIへ入力できるか
商用利用できるか
映画や動画に使えるか
広告利用できるか
再配布にあたらないか
などです。
素材サイトによっては、通常の画像編集は認めていても、生成AIへの入力について別のルールを設けている場合があります。
そのため、「商用利用可」だけを見て終わらせないことが大切です。
映画や動画で使うなら、どう考える?
映画制作で他人の写真をAI加工して使いたい場合は、次の順番で見ると整理しやすくなります。
1.元画像を使えるか確認する
自分で撮った写真なのか、許可を得た写真なのか、素材サイトなのかを確認します。
2.加工してよいか確認する
通常の編集だけでなく、AI加工まで認められているか見ます。
3.加工内容が許可・利用条件の範囲内か確認する
元写真の特徴が残っていること自体が問題なのではありません。
必要な許可を得ている場合は、実際の加工内容や公開方法が、その許可や素材サイトの利用条件の範囲内かを確認します。
許可を得ていない場合は、見た目を変えたことだけを理由に利用できるとは判断しないようにします。
4.人物が写っているなら別に確認する
肖像権や誤解を招く表現にも注意します。
5.公開範囲まで決める
本編、予告編、映画祭、配信、SNS、広告まで使うなら、その範囲も確認します。
まとめ
他人の写真をAIで加工しても、元の写真との権利関係が自動的になくなるわけではありません。
確認したいのは、
元写真を使えるか
AI加工してよいか
加工内容や公開方法が、許可・利用条件の範囲内か
人物写真なら肖像権なども問題にならないか
映画・動画・SNS・広告まで使えるか
という点です。
特に、「AIで見た目を変えたから、自分の画像になった」とは考えない方が安全です。
まず元画像を使えるか。
そのうえで、加工と公開の範囲を確認する。
映画や動画で使うなら、この順番で整理すると分かりやすくなります。
参考
※他人の写真をAI加工して映画・動画に使用する場合の著作権や利用範囲について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
