俳優・出演者とは何を契約すればいい?
更新日:4 日前
結論からいうと、俳優・出演者との契約では、最低限、
どの作品に出演するのか
撮影日・拘束時間
出演料
交通費などの経費
出演映像をどこまで使えるのか
予告編・SNS・宣伝への利用
延期・中止・再撮影の扱い
クレジット表記
を決めておくと、かなり整理しやすくなります。
映画制作では、出演そのものよりも、撮影後にその映像をどう使うかで認識がずれることがあります。
そのため、出演契約は、
「撮影日に来てもらう約束」だけではなく、「撮った映像をその後どう使うかまで決める契約」
と考えると分かりやすいです。
この記事で分かること
出演契約で決めたい基本項目
出演料や交通費をどう決めるか
出演映像をどこまで使えるようにするか
SNS・予告編・宣伝利用の考え方
延期・再撮影・中止の扱い
小規模制作でも契約した方がいい理由
まず、どの作品への出演なのかを明確にする
出演契約では、最初にどの作品への出演なのかを明確にします。
たとえば、
作品名
役名
撮影内容
撮影予定日
撮影場所
などです。
作品名が仮題なら、
仮題「〇〇」
としても構いません。
複数作品をまとめて契約するのか、一本ごとなのかも分けて考えます。
撮影日と拘束時間を決める
出演者にとって、撮影日は重要な条件です。
たとえば、
撮影日
集合時間
終了予定
リハーサル日
衣装合わせ
予備日
などがあります。
「一日お願いします」だけでは、
何時から何時までなのか
前日のリハーサルは含まれるのか
予備日も空けるのか
が分かりません。
終了時刻が読みにくい撮影でも、予定時間や延長時の扱いはできるだけ決めておいた方がいいです。
出演料はいくら・いつ払う?
出演料については、
金額
税込・税別
支払時期
支払方法
交通費
宿泊費
延長や追加撮影の扱い
などを確認します。
たとえば、
出演料3万円
だけでは、
交通費込みなのか
撮影1日分なのか
リハーサルも含むのか
再撮影も含むのか
が分かりません。
金額そのものより、何に対する金額なのかを明確にすることが大切です。
出演映像をどこまで使えるのか
出演契約で特に重要なのが、出演映像の利用範囲です。
たとえば、
映画祭
劇場公開
配信
DVD等
テレビ
SNS
公式サイト
予告編
宣伝素材
海外
などがあります。
撮影時には映画祭だけの予定でも、完成後に配信が決まることがあります。
そのため、
この作品本編だけに使う
のか、
本編に加えて予告編・SNS・宣伝にも使う
のかを決めます。
出演者側からすると、どこに自分の顔や演技が出るのかは重要な条件です。
予告編・SNS・宣伝利用も書いておく
本編への出演を了承していても、
宣伝用の切り抜きまで使っていいとは思っていなかった
ということがあります。
映画制作では、完成後に、
予告編
ティザー
ポスター
SNS投稿
配信サービスのサムネイル
劇場用宣伝
メイキング
などを作ることがあります。
そのため、本編利用と宣伝利用を分けて考えると分かりやすいです。
出演契約の中で、必要な範囲まで利用できるように整理しておきます。
出演者の写真を使う場合も確認する
映画では、映像だけでなく出演者の静止画を使うことがあります。
たとえば、
場面写真
宣材写真
ポスター
SNS投稿
映画祭ページ
配信サービスの画像
などです。
動画の一場面を静止画として切り出して使う場合もあります。
そのため、出演映像だけでなく、出演者の写真や静止画を宣伝に使うかも確認しておくと分かりやすいです。
クレジット表記を決める
出演者によっては、クレジット表記も重要です。
たとえば、
本名
芸名
表記しない
英語表記
所属事務所名
などです。
特に芸名で活動している俳優なら、表記名を確認します。
キャストの掲載順まで契約で細かく決める作品もありますが、小規模制作で必ずそこまで必要とは限りません。
ただし、どういう名前で掲載するかは事前に確認しておくと安心です。
延期・中止・再撮影をどうするか
映画制作では、予定変更が起こります。
たとえば、
雨天
ロケ地都合
機材トラブル
他の出演者の都合
制作スケジュール変更
監督判断による再撮影
などです。
そのため、
延期した場合の出演料
予備日の扱い
当日中止の場合
追加撮影の場合
再撮影の場合
を考えておきます。
出演者は、その日のために予定を空けています。
制作側の都合で何度も日程が変わる場合に、最初の出演料だけですべて対応してもらえるとは限りません。
出演者が途中で降板した場合
制作途中で、
もう出演できません。
となることもあります。
この場合、
すでに撮影した映像を使えるのか
撮り直すのか
出演料をどうするのか
代役を立てるのか
などの問題が出ます。
特に主要キャストでは影響が大きいため、途中で出演できなくなった場合の扱いをある程度決めておくと安心です。
ただし、体調不良や事故など、状況によって対応は変わります。
無償出演でも契約した方がいい?
無償出演でも、条件は決めておいた方がいいです。
お金が発生しなくても、
撮影日
利用範囲
SNS・宣伝利用
交通費
再撮影
クレジット
などの問題は残ります。
特に自主制作では、
友達だから大丈夫
で進めて、完成後に公開範囲でもめることがあります。
無償だからこそ、どこまでお願いしているのかを明確にすることが大切です。
エキストラも同じ契約でいい?
主演俳優とエキストラでは、必要な契約内容が違います。
主演や主要キャストなら、
出演料
撮影日
利用範囲
クレジット
再撮影
宣伝利用
などを細かく決めることがあります。
一方、短時間のエキストラなら、出演同意書などで簡潔に整理する方法もあります。
全出演者に同じ長い契約書を使う必要はありません。
役割や出演規模に合わせて調整します。
所属事務所がある俳優は誰と契約する?
俳優が芸能事務所などに所属している場合は注意します。
本人と直接話が進んでいても、出演契約の相手が本人とは限りません。
事務所が出演条件を管理している場合や、出演料の支払先が事務所になる場合もあります。
そのため、
契約相手は本人か
所属事務所か
出演許可は誰から取るのか
報酬は誰へ支払うのか
を確認します。
ここを曖昧にすると、本人とは話が通っているのに事務所側で止まることがあります。
未成年の出演は別に考える
未成年者が出演する場合は、成人の出演者と同じようには考えられません。
年齢によって、
親権者等の同意
撮影時間
学業への配慮
労働関係のルール
なども確認する必要があります。
未成年出演については、通常の出演契約とは分けて考えた方が安全です。
出演契約は「撮影日」だけを見ない
出演契約というと、
〇日に来てもらって、〇円払う
という部分だけに目が行きやすいです。
でも、映画制作では撮影終了後の方が長いことがあります。
完成
映画祭
劇場公開
配信
SNS
海外展開
と続くからです。
だから出演契約では、撮影日の条件と、完成後の利用条件の両方を見ることが重要です。
まとめ
俳優・出演者との契約では、
どの作品に出演するのか
撮影日・拘束時間
出演料・交通費
出演映像の利用範囲
予告編・SNS・宣伝利用
写真や静止画の利用
クレジット表記
延期・中止・再撮影
降板時の扱い
所属事務所との関係
などを確認します。
出演契約は、単に「撮影に来てもらう契約」ではありません。
撮影した映像や写真を、その後どこまで使えるのかを決める契約でもあります。
映画は完成後も長く利用されるため、撮影当日のことだけでなく、その先まで考えて決めておくことが大切です。
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