道路使用許可が必要になりやすい撮影とは
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更新日:3 時間前
道路で撮影するとき、どのような場合に道路使用許可が必要になるのでしょうか。
道路交通法では、道路におけるロケーションなどについて、一定の場合に道路使用許可を受ける仕組みがあります。
ただし、映画だから必要プロの撮影だから必要大きなカメラだから必要というように、作品の種類や機材だけで決まるわけではありません。
道路使用許可が必要か考えるときに重要なのは、撮影によって道路の通常の交通や利用にどの程度影響するかという点です。
少人数の撮影でも道路の使い方によっては許可が必要になることがありますし、反対に、道路の通常利用に近い撮影であれば事情は異なります。
三脚や照明を道路に置く撮影
道路使用許可が問題になりやすい代表的なケースが、道路や歩道に機材を設置する撮影です。
たとえば、
三脚
照明スタンド
レフ板
録音機材
モニター
ケーブル
その他の撮影機材
などを置く場合です。
歩道が広く、「端に置けば邪魔にならない」と思うこともあります。
しかし、機材によって歩行できる範囲が狭くなったり、通行人が避けて歩いたりするのであれば、通常の通行に影響が出ています。
特にケーブルやスタンド類は、転倒や接触の危険にもつながります。
機材が小さいかどうかだけではなく、機材を置いた結果として、人や車が安全に通常どおり通行できるかを考える必要があります。
同じ場所で演技や撮影を繰り返す場合
出演者が道路を歩いているところを一度撮るだけの場合と、同じ場所で何度も演技を繰り返す場合では、道路の使い方が違います。
たとえば、
店から出てきて歩道を歩く
横断歩道へ向かって歩く
道路上で立ち止まって会話する
同じ区間を何度も往復する
決められた位置で何度も演技する
といった撮影です。
テイクを重ねることで、出演者だけでなくカメラやスタッフも同じ場所に長時間滞在することになります。
その結果、歩行者が撮影隊を避けて通ったり、人の流れが変わったりすることがあります。
一回の動作だけを見るのではなく、撮影全体として道路をどのように使うかを考えましょう。
スタッフが道路上に集まる撮影
カメラマンが一人で撮影しているだけなら小規模に見えても、実際の撮影では、
監督
撮影
録音
照明
制作
出演者
ヘアメイク
その他のスタッフ
などが現場に入ることがあります。
カメラに映らないスタッフも、撮影中はどこかで待機しなければなりません。
歩道上に何人ものスタッフが集まれば、機材を置いていなくても通行の妨げになることがあります。
道路撮影を考えるときは、出演者とカメラだけではなく、現場にいる全員の位置まで確認することが重要です。
通行人を止めたり誘導したりする撮影
撮影中、「今だけ少し待ってください」「こちら側を通ってください」などと一般の通行人へ協力をお願いしたくなることがあります。
しかし、道路は撮影隊のためだけに使用する場所ではありません。
一般の歩行者や車両の通行を撮影側の判断で止めたり、自由に誘導したりできるわけではありません。
通行への影響が想定される場合には、
通行スペースを確保する
撮影方法を変更する
時間帯を変える
必要な交通誘導員を配置する
などの対策を含めて、所轄警察署と相談することになります。
警視庁でも、ロケーション等の道路使用許可申請では、道路使用状況図に交通誘導員や資器材の配置状況などを記載するよう案内しています。
通行人が撮影を避ける必要がある場合
制作側が直接、「止まってください」と言わなくても、実際には通行人が撮影隊を避けている場合があります。
たとえば、
カメラの前を横切らないよう遠回りする
撮影をしているため立ち止まる
出演者の演技を避けて歩く
スタッフが作る雰囲気によって入りにくくなる
といった状況です。
制作側が道路を塞いでいないつもりでも、結果として通常の利用に影響しているのであれば、その影響を考える必要があります。
撮影側の感覚ではなく、一般の道路利用者からどう見えるかも重要です。
大人数の撮影
人数が多くなるほど、道路上で使用するスペースも大きくなります。
出演者だけでなく、
エキストラ
撮影スタッフ
制作スタッフ
クライアント
車両
機材
などを含めると、かなりの人数になることもあります。
大人数だから自動的に道路使用許可が必要になる、という単純な基準ではありません。
ただし、人数が増えれば、通行への影響や安全管理が必要になる可能性は高くなります。大規模なロケの場合は、撮影場所や時間帯そのものを含めて、早い段階から警察やフィルムコミッションなどへ相談した方がよいでしょう。
警察庁も、大規模なロケ撮影ではフィルムコミッションとの連携が、関係機関との調整や手続を円滑にする場合があると案内しています。
車両を使用する撮影
車を使った道路撮影は、特に早めに相談したい撮影です。
たとえば、
出演車両を何度も同じ区間で走らせる
車両を道路上で一時停止させる
走行中の車両から撮影する
撮影機材を車両へ取り付ける
撮影車と出演車を並走させる
複数の車両を一定の隊列で走らせる
といった撮影です。
道路交通法上の通常の交通方法とは異なる動きが含まれる場合があります。
また、道路使用許可以外の交通関係の許可・手続が必要になることもあります。
車両を使用するロケでは、「道路使用許可を取れば全部できる」と考えず、具体的な走行方法まで説明して確認することが大切です。
店舗前の歩道を使う撮影
店舗での撮影から、そのまま道路へ撮影範囲が広がることがあります。
たとえば、
店から出演者が出てくる
店舗前で会話する
歩道から店舗外観を撮る
カメラや照明を店舗前へ置く
といった場面です。
店舗から撮影許可を得ていても、店舗前の歩道まで店舗が自由に使用を認められるとは限りません。
道路上を使用するのであれば、道路使用許可の要否を別に確認する必要があります。
また、店舗と歩道の間に私有地や建物の敷地がある場合もあります。
どこからどこまでが道路なのかもロケハン時に確認しておきましょう。
撮影によって人が集まる場合
撮影そのものの人数が少なくても、撮影をしていることで人が集まることがあります。
たとえば、
有名な出演者がいる
人目を引く衣装や演技をする
大きな撮影機材を使用する
特殊な車両を使用する
といった場合です。
周囲に見物人が集まると、その人たちによって歩道が狭くなったり、道路交通へ影響が出たりすることがあります。
警視庁も、道路使用許可の対象となる行為の例として、ロケーション等とともに道路上で人寄せをする行為を挙げています。
撮影隊そのものだけではなく、撮影によって周囲にどのような状況が生じるかも考えておきましょう。
武器・事故・喧嘩などに見える撮影は別の意味でも注意する
作品の中では、
喧嘩
事件
事故
人が倒れる
武器のように見える小道具
大声で争う
といった場面を撮影することがあります。
こうした撮影では、道路交通への影響だけでなく、周囲の人が実際の事件や事故と誤認する可能性があります。
撮影内容によっては、通報につながることも考えられます。
道路使用許可の要否とは別に、周囲への安全配慮や、必要に応じた事前説明・現場管理まで考える必要があります。
この点は「道路撮影当日の安全管理と、許可を受けた後の注意点」で詳しく整理します。
「スマホだから許可不要」ではない
最近では、スマートフォンや小型カメラだけでも高品質な映像を撮影できます。
しかし、使用するカメラの大きさだけで道路使用許可の要否が決まるわけではありません。
スマートフォン1台でも、
出演者が道路で演技する
同じ場所で何度も撮影する
複数人が道路上に滞在する
通行人に影響する
のであれば、道路の通常利用とは違う状況になることがあります。
逆に、大きなカメラを持っているというだけで、必ず許可が必要になるわけでもありません。
あくまで、道路をどのように使用するかを基準に考えます。
早朝・夜間だから自由に使えるわけではない
人通りが少ない早朝や夜間を選べば、交通への影響を小さくできることがあります。
警察庁も、ロケの事前相談では、交通量の多い場所について時期や時間帯を変更して影響を低減する方法を提案することがあると案内しています。
ただし、「人が少ない時間だから許可はいらない」という意味ではありません。
また、早朝・夜間は、
住宅への騒音
照明
車両の出入り
スタッフの話し声
など、別の問題が生じることがあります。
周辺住民への配慮については、「道路で撮影するとき、周辺住民へのお知らせは必要?」で詳しく扱います。
東京都内では
道路使用許可制度そのものは全国共通ですが、具体的にどのロケーションが許可対象となるかは、各都道府県の道路交通規則なども関係します。
東京都内では警視庁が、ロケーション、撮影会等を行い、一般交通に著しい影響を及ぼす場合を道路使用許可の対象として案内しています。
また、申請時には道路使用状況図に、
経路
交通誘導員
資器材
などの配置を記載するよう求めています。
東京都内で撮影する場合も、撮影が大きいか小さいかではなく、実際の交通への影響を整理したうえで、必要に応じて撮影場所を管轄する警察署へ相談しましょう。
道路使用許可が必要になりやすいか確認するポイント
道路撮影を計画するときは、次の項目を確認してみましょう。
三脚や照明などを道路上に設置するか
同じ場所に長時間滞在するか
出演者が道路上で演技を繰り返すか
スタッフが道路上で待機するか
通行人が撮影隊を避ける必要があるか
通行人や車両を止めたり誘導したりする必要があるか
車両を通常とは異なる方法で使用するか
撮影によって見物人が集まる可能性があるか
店舗前など、道路と別の管理場所をまたいで撮影するか
事件・事故などと誤認される可能性がある撮影か
該当する項目が多いほど、道路交通への影響も大きくなる可能性があります。
ただし、このチェックだけで許可の要否を最終判断するものではありません。
迷う場合は、具体的な撮影内容を整理したうえで所轄警察署へ相談しましょう。
まとめ
道路使用許可が必要になりやすいのは、撮影によって道路の通常の交通や利用へ影響が生じる場合です。
三脚や照明を置く、大人数で撮影する、出演者が演技を繰り返す、車両を使用する、といった撮影は、その影響が大きくなりやすい例です。
しかし、「○人以上なら必要」「三脚を置いたら必ず必要」「スマホなら不要」という単純な基準ではありません。
道路の幅、交通量、撮影時間、機材、出演者やスタッフの配置などによって状況は変わります。
まず、その撮影を行ったとき、普段その道路を使っている人や車にどのような影響が出るかを考えてみましょう。
判断が難しい場合は、撮影内容や配置を整理して、十分な余裕を持って所轄警察署へ相談することが大切です。
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参考
※撮影内容が道路使用許可の対象になるか迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。

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