河川敷の撮影許可は誰に相談する?
更新日:9月6日
河川敷で撮影するときは、まず実際に撮影する場所の管理者を確認します。
通常の河川敷なら、国土交通省の河川事務所や都道府県・市区町村などの河川管理者が相談先になります。
ただし、河川敷の中でも公園・グラウンド・緑地などとして別の管理者がいる場所では、その施設管理者への確認が必要になる場合があります。
「〇〇川だからこの役所」と川の名前だけで判断せず、撮影地点を地図上で特定してから管理者を調べるのが基本です。
この記事でわかること
河川敷撮影の最初の相談先
河川管理者とは誰なのか
国・都道府県・市区町村管理の違い
同じ川でも管理者が変わる場合
公園やグラウンドになっている場合
橋や道路まで使う場合の考え方
まず確認するのは「河川管理者」
河川は、河川法に基づいて管理されています。
撮影場所が通常の河川敷であれば、まず確認する相手は河川管理者です。
河川によって、
国土交通省の河川事務所
都道府県
市区町村
などが管理しています。
たとえば東京都内でも、荒川や多摩川の一部は国土交通省が管理し、隅田川などは東京都が管理しています。
東京都建設局も、同じ河川でも区域によって問い合わせ先が異なる場合があると案内しています。
そのため、「荒川だから荒川の〇〇事務所」と名前だけで判断するのではなく、撮影地点の住所や位置を確認してから所管を調べましょう。
国が管理する河川では河川事務所へ相談する
国土交通省が管理する河川では、地域ごとに河川事務所や出張所があります。
東京都内の例では、
多摩川 → 京浜河川事務所
荒川・綾瀬川の一部 → 荒川下流河川事務所
荒川の別区間 → 荒川上流河川事務所
江戸川など → 江戸川河川事務所
といった形で管理されています。
撮影場所が国管理区間であれば、該当する河川事務所へ撮影内容を相談します。
河川事務所によっては、撮影用の一時使用届を設けている場合があります。
荒川下流河川事務所では、撮影専用の一時使用届をオンラインで受け付けており、利用日の10営業日前までの提出を案内しています。
都道府県が管理する河川では建設事務所などへ相談する
都道府県管理の河川では、都道府県庁そのものではなく、地域ごとの建設事務所などが窓口になることがあります。
東京都の場合も、河川の場所によって担当する建設事務所が分かれています。
たとえば隅田川でも、
第一建設事務所
第五建設事務所
第六建設事務所
など、区域によって所管が異なります。
つまり、「隅田川で撮影したい」だけでは相談先を特定できない場合があります。
撮影する住所、橋、テラスの位置などを確認して、どの建設事務所が担当しているか調べましょう。
隅田川テラスは場所によって申請先が違う
隅田川テラスは、河川敷撮影の中でも特に分かりやすい例です。
東京都では、隅田川テラスなどについて「テラス護岸等一日利用制度」を設けており、映画・テレビ・ビデオ・写真などの撮影について事前届出を求めています。
しかし、隅田川テラス全体を一つの事務所が管理しているわけではありません。
たとえば第六建設事務所では、台東区・荒川区・足立区・北区の河川区域内について届出を受け付けており、その他の区域では、それぞれを所管する建設事務所へ届け出る必要があると案内しています。
隅田川テラスについては、別記事「隅田川テラスで撮影したい――届出・利用時間・申請先」で具体的に整理します。
河川敷が公園になっている場合は、公園管理者も確認する
ここが河川敷撮影で特に混乱しやすいところです。
河川区域内に、
公園
野球場
サッカー場
運動広場
バーベキュー場
などが整備されていることがあります。
この場合、土地としては河川区域でも、実際の施設は自治体などが占用して管理している場合があります。
その場所で撮影するなら、河川管理者だけではなく、公園や施設の管理者への許可・確認が必要になることがあります。
つまり、「河川敷だから河川事務所に届出を出せば終わり」とは限りません。
実際に使う施設の管理者を確認しましょう。
公園として管理されている場所の撮影については、「公園の撮影許可はどこへ申請する?」でも詳しく紹介しています。
グラウンドや運動施設を使う場合
河川敷の野球場やサッカー場などでは、自治体や指定管理者が予約・利用管理を行っていることがあります。
撮影のために、
グラウンドを占有する
ベンチや施設を使用する
通常利用とは異なる形で使う
のであれば、施設管理者への相談が必要です。
河川事務所へ一時使用届を出したとしても、施設の使用許可まで自動的に得られるわけではありません。
河川側の手続と施設側の手続を分けて考えることが重要です。
堤防や河川管理用道路を使う場合
河川敷には、堤防や河川管理用道路があります。
撮影車両や機材車を入れたい場合には、撮影場所そのものとは別に、車両進入について河川管理者へ確認する必要があります。
荒川下流河川事務所では、河川敷道路への進入について、許可された車両以外は進入できないと案内しています。
また、見た目が道路でも、
河川管理用道路
公道
公園内通路
では管理者が違う可能性があります。
車両や機材の搬入を予定している場合は、撮影場所だけでなく搬入経路も含めて相談しましょう。
橋の上や橋の周辺は、河川管理者だけとは限らない
川を撮影するとき、
橋の上にカメラを置く
橋から河川敷を撮影する
出演者が橋を渡る
橋と河川テラスを一続きで撮影する
ことがあります。
この場合、橋そのものの管理者と河川管理者が別の場合があります。
道路橋であれば道路管理者や警察への確認が関係することもあります。
そのため、「川の上にあるから河川管理者」と一括して考えないことが大切です。
桜橋など隅田川周辺の橋を使った撮影については、「隅田川の橋やテラス周辺で撮影するときの注意――桜橋を例に」で、管理区分も含めて具体的に扱っています。
どの管理者か分からないときはどうする?
撮影場所の管理者が分からない場合は、まず位置を正確に整理します。
用意しておくとよいのは、
住所
最寄りの橋
公園名
グラウンド名
河川名
撮影地点を示した地図
現地写真
です。
これらをもとに、自治体や河川事務所へ、「この場所でロケ撮影をしたいのですが、管理者はこちらでしょうか」と確認すると話が進みやすくなります。
問い合わせ先が違った場合でも、担当部署を案内してもらえることがあります。
「河川管理者」と「撮影の受付窓口」が同じとは限らない
制度上の河川管理者と、実際に撮影届を受け付ける窓口が、必ずしも同じ名称とは限りません。
たとえば東京都では、河川管理は東京都でも、実際の相談や届出は地域の建設事務所が担当します。
第六建設事務所では、河川区域内の撮影やイベント利用には届出が必要で、隅田川テラスについては専用の担当窓口を設けています。
第五建設事務所でも、河川区域・河川保全区域、河川法、河川占用許可、隅田川テラスの利用や撮影について、管理課の河川管理担当を問い合わせ先として案内しています。
そのため、公式サイトを見るときは「河川管理者」という言葉だけでなく、「一時使用」「撮影」「占用」「河川管理」「テラス利用」などのページも探してみましょう。
複数の管理区域をまたいで撮影する場合
河川沿いを長く移動する撮影では、複数の管理区域にまたがることがあります。
たとえば、
長い距離を出演者が歩く
自転車で河川沿いを移動する
複数地点で撮影する
隅田川テラスの複数区間を使う
場合です。
東京都も、同じ河川でも区域によって問い合わせ先が異なる場合があると案内しています。
複数区域を使う場合は、最初の相談時に撮影範囲全体を示し、どの事務所へ何を届け出ればよいか確認しましょう。
河川敷と道路・公園をまたぐ場合は並行して相談する
撮影によっては、
河川敷⇔公園⇔堤防⇔道路
と複数の管理区域を移動することがあります。
この場合、河川管理者から許可や受理を得たあとで別の管理者へ相談する、という順番にすると時間がかかることがあります。
撮影計画がある程度決まった段階で、
河川管理者
公園管理者
道路管理者
警察署
など、必要な相談先を洗い出し、並行して確認する方が効率的です。
詳しくは「河川敷と公園・道路をまたいで撮影するとき」で整理します。
河川敷撮影の相談先を探す順序
河川敷で撮影するときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
撮影地点を地図上で特定する
河川名を確認する
国・都道府県・市区町村のどこが管理しているか確認する
所管する河川事務所・建設事務所などを確認する
公園や運動場など別の施設管理者がいないか確認する
堤防・管理用道路・駐車場の管理者を確認する
橋や一般道路を使う場合は別の管理者・警察への確認を検討する
撮影内容を整理して各窓口へ相談する
まとめ
河川敷の撮影で最初に確認するのは、実際の撮影場所の管理者です。
河川によって、
国土交通省
都道府県
市区町村
などが管理しており、さらに河川敷の公園や運動場には別の施設管理者がいることがあります。
また、同じ河川でも区域によって所管が変わる場合があります。
東京都でも、荒川・多摩川などの国管理河川と、隅田川などの都管理河川があり、隅田川の中でも場所によって担当する建設事務所が異なります。
そのため、「〇〇川で撮影したい」だけではなく、撮影する地点を正確に特定することが重要です。
河川敷の中に公園やグラウンドがある場合や、橋・道路・管理用道路まで使用する場合は、それぞれ別の管理者への確認が必要になることがあります。
撮影場所が決まったら、地図や現地写真を用意して、早めに担当窓口へ相談しましょう。
参考
※河川敷での撮影について、管理者や相談窓口が分からない場合は、お問い合わせからご相談ください。
