銃撃・刃物を使うシーンを撮りたい
更新日:6 日前
結論からいうと、銃撃や刃物のシーンは、本物の危険を作らなくてもかなり本物らしく見せられます。
刃物なら、
本物をそのまま使わない
少なくとも刃を落とす
接触があるカットではダミーナイフを使う
必要なら3Dプリンター製の小道具を使う
といった方法があります。
銃も、発火式モデルガンを使えば、発砲時の火や煙まで実写できるものがあります。
ただし、発砲と弾着は別物です。
撃つ側は比較的作りやすくても、
壁に弾痕ができる
衣装に被弾が出る
身体から血が出る
といった弾着表現は、一気に特殊効果・特殊メイク・VFXの領域へ入ります。
そしてもう一つ大切なのが場所です。
道路や公園で銃撃戦や刃物アクションを撮るのは、通常の撮影許可の延長では考えない方がいいです。
こういうシーンは、最初から貸切できる私有地や撮影施設を探す方が現実的です。
この記事で分かること
刃物シーンでどんな小道具を準備するのか
刃を落としたナイフとダミーナイフをどう使い分けるのか
3Dプリンター製の小道具が使える場面
発火式モデルガンでどこまで撮れるのか
発砲と弾着が別物である理由
刺突や銃創を見せるときに特殊メイクが必要になる理由
道路や公園で銃撃・刃物撮影が難しい理由
どんな場所なら撮影しやすいのか
刃物は、一本ですべて撮ろうとしない
刃物のシーンでは、本物の包丁やナイフをそのまま使う必要はありません。
まず、本当に切れる刃が必要なのかを考えます。
ほとんどの場合、必要ありません。
撮影では、
刃や刃先を落としたもの
ゴムや樹脂製のダミーナイフ
3Dプリンター製の小道具
などを使います。
そして、一本ですべてのカットを撮ろうとしない方がいいです。
たとえば手元のアップでは、金属らしい質感が欲しいことがあります。
一方で、
首元へ近づける
人に突きつける
身体へ押し込むように見せる
というカットでは、ダミーナイフの方が向いています。
画によって小道具を替える。
これだけでも、見た目を落とさずにかなり安全にできます。
ダミーナイフや3Dプリンター製でも十分使える
最近は3Dプリンター製でも、かなり見た目のいい小道具があります。
塗装や仕上げまできちんとすると、画面上では十分に刃物らしく見えます。
特に、
相手の身体へ近づける
顔や首の近くで使う
刺す動きをする
素早く振る
といった場面では、こうした小道具の方が使いやすいです。
画面で必要なのは、本当に切れることではなく、切れそうに見えることです。
ただし、本物らしく見える小道具ほど、撮影現場の外からも本物に見えます。
屋外でむき出しのまま持ち歩かず、本番以外はしまっておく方がいいです。
刺すシーンは、パンチとは少し違う
刺すシーンは、
受け手のリアクションさえ良ければ成立する
というほど単純ではありません。
もちろん芝居は重要ですが、それ以上に、
刃先をどこで隠すか
どの角度から撮るか
刃物が身体へ入ったようにどう見せるか
傷口を見せるのか
血を出すのか
衣装をどう処理するのか
が大きくなります。
身体の陰へ刃先を隠すだけで成立するカットもあります。
逆に、
刺さっているところをアップで見せたい
となると、特殊メイクや造形まで必要になることがあります。
傷口まで見せるなら、特殊メイクの領域になる
刺された後に、
傷口
裂けた皮膚
血
衣装の破れ
まで見せたいなら、メイク・特殊メイクの領域になります。
傷口を作るだけでも、
どこを刺されたのか
傷の形
深さ
血の量
血が流れる方向
衣装の破れ方
を考えます。
さらに血を使うと、撮影順も重要です。
一度血を付けた衣装は、
もう一回、刺される前から撮ろう
とは簡単に戻せません。
そのため、血が出る前のカットを先に撮るなど、段取りまで含めて考えます。
傷口をどこまで見せるかによって、必要な準備はかなり変わります。
痣やちょっとした傷口程度ならラメの入っていないアイシャドウやアイライン、血糊などで作れます。
傷跡やかさぶた程度なら、つけまつげ用などの肌に使用できるグルーを利用する方法もあります。
ただし、製品によって成分が異なり、ラテックスなどにアレルギーがある人もいるため、使用前に成分を確認し、俳優にもアレルギーの有無を確認しましょう。
銃は、発火式モデルガンでもかなり作れる
銃撃シーンでは、発火式モデルガンを使う方法があります。
発火時に、
火
煙
作動
反動らしい動き
が出るものもあり、実写としてかなり使えます。
発火式モデルガンで実写を撮る
必要なところだけVFXで補う
音を後から調整する
という組み方も効果的でしょう。
ただし、撮影用だからといって自己流で火薬量を増やしたり、改造したりしてはいけません。
市販・適法な製品を、メーカーの使用方法に従って扱いましょう。
また、海外製など「玩具」として販売されていても、日本では真正拳銃に該当して所持できないものが確認されています。購入時には適法な製品かどうかにも注意が必要です。
発砲と弾着は、まったく別に考える
銃を撃つ画そのものは、比較的作りやすいです。
大変なのは、その先です。
たとえば、
壁に弾が当たる
弾痕ができる
衣装に穴が開く
血が飛ぶ
身体に銃創ができる
となると、弾着の話になります。
ここは発砲とは別です。
実写で弾着を作る場合は、特殊効果の専門領域になってきます。
人体への被弾なら、
特殊メイク
衣装側の仕掛け
血の表現
VFX
などを組み合わせる方法もあります。
撃つ側より「撃った結果」を作る方が大変ということです。
銃撃シーンを考えるときは、モデルガンだけ準備して終わりではなく、
どこへ弾が当たるのか その結果をどこまで画面に見せるのか
まで先に決めておいた方がいいです。
撃たれる側は、リアクションと弾着をセットで考える
銃撃では、撃たれる側の芝居もかなり重要です。
どこを撃たれたのか
どの方向から撃たれたのか
一発なのか、複数発なのか
で身体の動きは変わります。
そこへ、
発砲音
着弾音
壁や床への衝撃
血
弾痕
が加わると、銃撃としてかなり説得力が出ます。
パンチと違って、弾そのものは画面に見えないことも多いので、
撃つ側のタイミング
撃たれる側の反応
弾着
効果音
を合わせて見せる方が効果的です。
道路や公園で銃撃戦・刃物アクションはかなり難しい
ここは、普通の撮影とは分けて考えた方がいいです。
道路や公園で、
銃を構える
刃物を振り回す
人を追いかける
大声で怒鳴る
誰かが撃たれて倒れる
といった撮影をするのは、一般利用者への影響が大きすぎます。
道路上のロケーション撮影は、一般交通に著しい影響を及ぼす場合には道路使用許可の対象になりますが、道路使用許可は何でも認める制度ではなく、道路交通法上禁止されている行為まで許可できるものではありません。
そして、銃撃戦や刃物アクションとなると、
通報
一般利用者の混乱
安全確保
立入管理
警察対応
まで問題になります。
道路や一般利用者のいる公園で、こうしたシーンを撮る前提にしない方が現実的です。
こういうシーンは、最初から場所を選ぶ
銃撃戦や刃物シーンをしっかり撮りたいなら、
貸切できる私有地
撮影スタジオ
倉庫
撮影用施設
一般利用者と完全に分けられる場所
などを先に探した方がいいです。
貸切できれば、
リハーサル時間を取れる
小道具を出しておける
特殊メイクの準備ができる
血を使う撮影を相談しやすい
周囲の人に事件と誤解されにくい
弾着や特殊効果についても施設側と具体的に相談できる
という利点があります。
作品として銃撃戦をしっかり見せたいなら、撮り方を弱くするより、撮れる場所を選ぶ方がいいです。
屋外で小道具を使うなら、本番時間は短くする
どうしても屋外で銃や刃物に見える小道具を使う場合は、
本番直前まで出さない
カット後はすぐしまう
周辺にスタッフを立てる
撮影中だと分かるようにする
第三者が近づいたら一度止める
必要以上に長く続けない
といった対応が重要です。
撮影側にはモデルガンやダミーナイフでも、第三者には分かりません。
画面では本物らしく、現場では撮影だと分かりやすくする。
ここはかなり大切です。
まとめ
銃撃・刃物を使うシーンでは、本物の危険を作る必要はありません。
刃物なら、
刃を落とす
ダミーナイフを使う
3Dプリンター製の小道具を使う
カットによって小道具を使い分ける
といった方法があります。
刺すシーンでは、
刃先を隠す
画角を作る
血を使う
傷口を特殊メイクで作る
衣装と撮影順を考える
といった準備が必要です。
銃撃なら、
発火式モデルガンを使う
音を調整する
必要なところだけVFXで補う
ことができます。
そして弾着は別です。
壁や人体に弾が当たった結果まで見せるなら、特殊効果・特殊メイク・VFXまで含めて考える。
道路や公園で無理に銃撃戦を成立させるより、最初から貸切できる場所を選ぶ方が、結果的に欲しい画を作りやすくなります。
危険だから迫力を落とすのではなく、本物の危険だけを取り除いて、画面の中ではしっかり見せる。
銃撃・刃物シーンでは、その考え方が大切です。
参考
※個別の銃撃・刃物シーンについて、撮影場所や施設との調整をご相談される場合は、お問い合わせページをご利用ください。
