出演料はいくら・いつ払う?
更新日:4 日前
結論からいうと、出演料に一律の相場や決まりはありません。
映画・動画制作では、
出演者の経験や知名度
役の大きさ
撮影日数
拘束時間
リハーサルの有無
使用範囲
制作規模
交通費や宿泊費を含むか
などによって金額が変わります。
大切なのは、金額そのものよりも、
「いくらを、何に対する報酬として、いつ払うのか」
を事前に決めておくことです。
また、出演料は支払方法によって源泉徴収が必要になる場合があります。
そのため、制作側は、
出演料3万円です
だけで終わらせず、支払時期や経費、税金の扱いまで確認しておくと安心です。
この記事で分かること
出演料はどう決めればいいのか
出演料に含める範囲
交通費・宿泊費をどう扱うか
いつ支払えばいいのか
延期・再撮影では追加料金が必要か
出演料の源泉徴収で注意したいこと
出演料に一律の相場はない
俳優の出演料は、
1日なら必ず〇円
と決まっているものではありません。
同じ1日撮影でも、
主演
主要キャスト
数シーンの出演
ワンシーンのみ
セリフのない出演
では条件が違います。
また、出演者自身のキャリアや所属事務所、作品の規模によっても金額は変わります。
そのため、出演料は「一般的な相場」だけで決めるより、今回何をお願いするのかを整理して話し合う方が現実的です。
「1日〇円」なら、どこまでが1日?
ここは意外と重要です。
たとえば、
出演料は1日3万円です。
と決めたとしても、
8時間までなのか
12時間でも同じなのか
深夜まで延びても同じなのか
衣装合わせも含むのか
リハーサルも含むのか
が分かりません。
そのため、
撮影1日につき〇円
とするなら、予定している拘束時間も共有しておいた方がいいです。
撮影が長時間になる可能性がある場合は、延長時の扱いも決めておくと分かりやすくなります。
リハーサルや衣装合わせは出演料に含む?
本番撮影以外にも、
リハーサル
本読み
衣装合わせ
メイクテスト
アクション練習
宣伝用撮影
などが入ることがあります。
これを、
出演料に全部含む
のか、
本番撮影とは別に支払う
のかは、事前に決めます。
特に何日もリハーサルが必要な作品では、
撮影日だけの報酬なのか、準備期間まで含むのか
を曖昧にしない方がいいです。
交通費や宿泊費は別?
出演料と交通費は、分けて考えた方が分かりやすいです。
たとえば、
出演料3万円+交通費実費
なのか、
交通費込みで3万円
なのかで、出演者が受け取る実質的な金額が変わります。
遠方ロケなら、
新幹線
飛行機
ホテル
現地交通費
なども発生します。
撮影が終わってから、
宿泊費は出演者負担だと思っていた
となると揉めやすいので、事前に決めておきます。
無償出演でも経費はどうするか決める
自主制作では、出演料を払わずに協力してもらうこともあります。
その場合でも、
交通費
食事
宿泊費
駐車場代
などを誰が負担するのかは決めておいた方がいいです。
「無償出演」と「出演者が全部自己負担」は同じ意味ではありません。
たとえば、
出演料はありませんが、交通費は実費でお支払いします。
のように整理すると分かりやすくなります。
出演料はいつ払う?
支払時期にも一律のルールがあるわけではありません。
たとえば、
撮影当日
撮影終了後
月末締め翌月払い
全撮影終了後
請求書受領後
などがあります。
重要なのは、出演者がいつ受け取れるのか分かるようにしておくことです。
特に自主制作では、
完成したら払います。
のような曖昧な条件は避けた方がいいです。
映画は完成まで長くかかることがあります。
撮影終了後〇日以内
など、ある程度具体的に決めておく方が分かりやすいでしょう。
撮影が複数日に分かれる場合は?
複数日撮影なら、
1日ごとの金額
全日程まとめての金額
追加日が発生した場合
を決めます。
たとえば、
3日間で出演料9万円
と決めていたのに、撮影が4日になった場合、
4日目も同じ金額に含まれるのか
追加で3万円なのか
別途相談なのか
を決めていないと認識がずれます。
予定日数を超えた場合の扱いも、できれば契約時に決めておきます。
再撮影になったら追加で払う?
再撮影の理由によって考え方は変わります。
たとえば、
監督判断でもう一度撮りたい
機材トラブルで撮れていなかった
ロケ地の問題で撮り直す
出演者側の都合で撮影できなかった
など、事情はさまざまです。
制作側の都合で追加撮影が必要になった場合、最初の出演料に当然含まれるとは限りません。
一方で、
軽微な再撮影は出演料に含む
など、あらかじめ決めておくこともできます。
大切なのは、再撮影になったらその都度ゼロから揉めないようにしておくことです。
延期・中止になったら出演料はどうする?
出演者は撮影日のために予定を空けています。
そのため、撮影が中止になったからといって、
撮っていないので出演料は0円です。
と当然に決まるわけではありません。
たとえば、
何日前までならキャンセル料なし
前日なら〇%
当日中止なら〇%
すでに交通費が発生していたら実費負担
などを決める方法があります。
作品や出演者との関係によって変わるため、あらかじめ条件を整理しておくと安心です。
出演料に「映像を使う権利」も含まれる?
ここは重要です。
出演料を払ったからといって、
どんな媒体でも、いつまでも、自由に出演映像を使える
と自動的に決まるわけではありません。
出演料とは別に、
映画祭
劇場公開
配信
SNS
予告編
宣伝
海外利用
など、出演映像の利用範囲を契約で確認します。
金額と利用範囲は関連しますが、「お金を払った=何でも使える」ではありません。
出演料を払うときは源泉徴収にも注意
映画や演劇などの出演料は、支払先や支払者の状況によって、源泉徴収が必要になることがあります。
国税庁では、映画・演劇その他芸能への出演などの報酬・料金を、源泉徴収の対象となる報酬の一つとして挙げています。
個人の出演者へ支払う場合は、まずその出演料が源泉徴収の対象となる報酬に当たるか、さらに制作側が源泉徴収義務者に当たるかを確認します。
支払者が個人で、給与等の支払者ではない場合など、源泉徴収が不要となる場合もあります。
源泉徴収が必要な場合、原則として報酬・料金の額に対して税額を計算し、差し引いた額を出演者へ支払います。
ただし、誰が支払うのか、相手が個人か法人か、支払者が源泉徴収義務者に当たるかなどによって扱いが変わります。
そのため、
出演料3万円だから、そのまま3万円振り込めばいい
とは限りません。
制作側で会計処理をするときは、源泉徴収の要否も確認します。
「手取り〇円」と約束するときは注意
出演者と、
手取り3万円でお願いします。
と話す場合は注意します。
源泉徴収が必要な場合、
契約上の報酬額
と、
実際に振り込む金額
が違うことがあります。
そのため、
報酬3万円
なのか、
源泉徴収後の手取りを3万円にする
のかで計算が変わります。
金額を決めるときは、税込・税別だけでなく、源泉徴収前の報酬額なのかも分かるようにしておくと安心です。
事務所所属の俳優なら支払先を確認する
芸能事務所に所属している出演者の場合、
出演者本人へ払う
所属事務所へ払う
制作会社から別会社へ払う
など、支払先が変わることがあります。
本人との間で出演料を決めたとしても、実際の請求や支払いは事務所を通す場合があります。
そのため、
契約相手
請求者
支払先
を確認しておきます。
金額より「何が含まれているか」を確認する
出演料で揉めるときは、金額そのものより、
それも含まれていると思っていた
という認識の違いが原因になることがあります。
たとえば、
リハーサル
衣装合わせ
延長
再撮影
宣伝活動
交通費
宿泊費
です。
そのため、出演料〇円だけではなく、その金額でどこまでお願いするのかまで決めておくことが大切です。
まとめ
出演料には、一律の金額や相場があるわけではありません。
出演者との契約では、
出演料
撮影日数
拘束時間
リハーサル等
交通費・宿泊費
支払時期
延長・追加撮影
再撮影
延期・中止
出演映像の利用範囲
源泉徴収
まで考えておくと、後から条件を確認しやすくなります。
特に大切なのは、「出演料はいくらか」だけではなく、「その金額に何が含まれているのか」を決めることです。
撮影後に、
そこは別料金だと思っていた。
とならないように、最初に条件を合わせておきましょう。
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参考
※映画・動画制作の出演契約や出演料について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせからご連絡ください。
