テレビ・映画・ゲーム画面を動画に映していい?
結論からいうと、テレビ番組・映画・ゲーム画面が動画に映ったからといって、すべて公開できないわけではありません。
ただし、
テレビが背景に少し映った
映画の一場面を解説のために短く見せた
ゲーム実況としてプレイ画面を長時間配信した
映画の映像をそのまま切り抜いて動画素材にした
では、意味がかなり違います。
特に大切なのは、「偶然映った」のか、「作品そのものを動画の材料として使っている」のかを分けて考えることです。
この記事で分かること
テレビや映画が背景に映ったら削除しなければならないのか
映画や番組の画面を解説動画で使える場合はあるのか
ゲーム実況はなぜ他の映像作品と扱いが少し違うのか
ゲーム会社の配信ガイドラインは何を確認すればいいのか
サムネイルや切り抜きで作品画像を使うときの注意
テレビが背景に映ったら、全部モザイクが必要?
たとえば、
自宅でVlogを撮っていたら、後ろのテレビに番組が映っていた
飲食店で撮影したら、店内テレビにスポーツ中継が映っていた
という場合です。
こうしたケースでは、動画の目的はテレビ番組を見せることではありません。
ただし、テレビ画面が大きく映り、
番組内容がはっきり見える
長時間映り続ける
音声まで聞こえる
となれば、作品そのものを動画内で利用している程度が大きくなります。
一方で、
画面の端に小さく映る
ピントが合っていない
短時間だけ背景に入る
という場合は、扱いが違ってきます。
そのため、テレビが映った瞬間に必ず全面モザイクと機械的に考える必要はありません。
ただ、動画に必要のないテレビ画面なら、最初から画角を変える、ぼかす、カットする方が簡単です。
映画の一場面を解説動画で使っていい?
映画やテレビ番組について、
このシーンの演出を解説します。
この作品の構成について説明します。
という動画なら、作品の一部を見せる必要があることがあります。
この場合は、著作権法上の引用として利用できる可能性があります。
ただし、「数秒だけだから大丈夫」ではありません。
引用として考えるなら、
公表された作品である
自分の解説や批評が中心である
その映像を見せる必要がある
自分の部分と引用部分が明確に分かる
必要な範囲だけ使う
出所を明示する
といった点を確認します。
つまり、映画を見せることが目的ではなく、その映画について自分が説明することが中心になっている必要があります。
映画を小さく表示すれば引用になる?
なりません。
画面の隅に小さく表示した
枠を付けた
10秒以内にした
というだけでは、引用になるわけではありません。
たとえば、
映画をずっと流しながら、自分が横で少しリアクションする
という動画では、実際には映画を見ること自体が視聴価値の大部分になっていることがあります。
逆に、一場面を大きく表示していても、そのカットについて細かく分析するために必要な場合もあります。
見るべきなのは、サイズや秒数ではなく、作品映像と自分の解説の関係です。
予告編なら自由に使える?
公式予告編も著作物です。
YouTubeで公式配信されているからといって、そのままダウンロードして自分の動画へ自由に組み込めるわけではありません。
ただし、
予告編そのものについて批評する
作品紹介のために必要な部分を引用する
という使い方は検討できます。
逆に、
自分の動画の雰囲気を出すために予告編を背景で流す
映像素材として使う
という場合は、引用とは分けて考えます。
ゲーム実況は映画とは少し事情が違う
ゲーム画面にも著作権があります。
そのため、
自分でプレイしているから、画面も全部自分のもの。
というわけではありません。
ゲームの映像
キャラクター
BGM
ストーリー
ムービーシーン
などには、ゲーム会社などの権利があります。
ただし、多くのゲーム会社は、実況動画や配信について独自のガイドラインを公開しています。
そのためゲーム実況では、まずゲーム会社の配信ガイドラインを見るのが実務上かなり重要です。
映画やテレビ番組では通常、このような一般ユーザー向け実況ガイドラインはありません。
ここが大きな違いです。
ゲーム会社のガイドラインでは何を見る?
会社によって内容は違いますが、よく確認するのは、
YouTube・Twitchなど投稿可能なサービス
収益化の可否
配信してよいゲーム
配信禁止区間
エンディングの扱い
ムービーシーンの扱い
BGMだけを抜き出して使えるか
法人利用が可能か
改造データや不正プレイの扱い
などです。
たとえば、
ゲーム本編の実況はOK
ただし音楽だけを鑑賞する動画はNG
エンディング部分は配信禁止
企業案件は別途問い合わせ
といった条件が付くことがあります。
「ゲーム実況OK」という一言だけ見て終わらせないことが大切です。
ゲームのムービーだけ切り抜いて投稿していい?
ここは実況動画とは分けて考えた方がよいです。
たとえば、
プレイしながら実況する
攻略方法を説明する
という動画と、
ゲーム内ムービーだけを抜き出して、「全イベントシーンまとめ」として投稿する。
場合では、作品の使い方が違います。
後者は、視聴者がその動画を見るだけでゲーム内映像を鑑賞できる状態になります。
会社のガイドラインでも、
ムービーだけの投稿
BGMだけの投稿
ゲーム映像だけを並べた投稿
を禁止していることがあります。
実況を許可しているゲームでも、作品そのものを鑑賞させるだけの動画まで自由とは限りません。
ゲーム実況に入っている音楽も大丈夫?
これもゲーム会社のガイドラインを確認します。
ゲーム内BGMまで含めて実況配信を認めている場合もあります。
一方で、
特定の楽曲だけ権利者が別
外部アーティストの楽曲を使用している
というゲームもあります。
その場合、配信時に、
音楽部分だけミュートされる
著作権の申し立てが付く
といったことがあります。
ゲーム会社が配信を認めていても、ゲーム内のすべての音楽について同じ処理になるとは限らないという点には注意します。
サムネイルに映画やゲーム画像を使っていい?
動画本編で引用として使っていた画像でも、その画像をサムネイルへ使うと意味が変わることがあります。
サムネイルは、「動画の宣伝」「視聴者を呼び込むための表示」として使うものだからです。
たとえば、
映画の場面写真を大きく切り抜く
ゲームキャラクターの公式画像を中央に置く
テレビ番組の画面をそのまま使う
という場合です。
本編の解説に必要だから使うことと、宣伝素材として使うことは別に考えます。
ゲームの場合は、サムネイル利用についてガイドラインに書かれていることもあります。
映画や番組の公式画像を使いたいなら、プレス素材や利用条件がないか確認する方法もあります。
配信サービスの画面を録画して使っていい?
「Netflixなどの配信サービスを画面録画して、映画やドラマの一部を自分の動画に入れたい」というケースもあります。
ここでは、著作権だけでなく、そのサービスの利用規約も関係します。
作品について引用が成立するかという話と、サービス側の機能や規約上、映像を録画・コピーしてよいかという話は別です。
そのため、「引用だから配信サービスの映像を自由に録画していい」とは単純には言えません。
どこから映像を取得するかも確認します。
テレビ番組を撮ったスマホ画面なら大丈夫?
テレビ画面を直接録画する
スマートフォンでテレビを撮影する
スクリーンショットにする
と方法を変えても、作品そのものの権利が消えるわけではありません。
取得方法を変えれば自由になるわけではないという点は、YouTube動画やSNS投稿と同じです。
実際にはどう判断すればいい?
テレビ・映画・ゲーム画面を動画に使いたいときは、次のように分けると分かりやすくなります。
背景に偶然映った
→ どの程度見えるか確認し、不要ならカットやぼかしを検討する。
映画や番組について解説する
→ 必要な範囲で引用できるか確認する。
映像素材として使いたい
→ 引用とは分けて、権利者の許可や利用条件を確認する。
ゲーム実況をしたい
→ まずゲーム会社の配信ガイドラインを見る。
ゲームのムービーやBGMだけ投稿したい
→ 実況許可とは別に、ガイドラインの禁止事項を確認する。
サムネイルにも使いたい
→ 本編とは別に、宣伝素材としての利用条件を確認する。
まとめ
テレビ・映画・ゲーム画面が動画に映る場合、「画面が映った」という一点だけで判断しないことが大切です。
背景に偶然映ったのか
作品について解説するために使うのか
動画素材として使うのか
ゲーム実況として利用するのか
によって考え方が変わります。
映画やテレビ番組なら、解説に必要な場合は引用として使える可能性があります。
ゲーム実況なら、著作権だけでなく、ゲーム会社が公開している配信ガイドラインが非常に重要です。
特に覚えておきたいのは、「数秒ならOK」でも、「小さく映せばOK」でもないということ。
なぜその映像を使うのか
どこまで使う必要があるのか
権利者がどんな利用条件を示しているのか
ここを順番に確認すると判断しやすくなります。
参考
※個別の動画での映画・テレビ番組・ゲーム映像の利用についてご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
