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店名・看板・ロゴ・商品・店内BGMが映るときの注意

8月20日
読了時間: 11分

更新日:5 日前

店名・看板・ロゴ・商品・店内BGMが映るときの注意

店舗で撮影すると、店名・看板・企業ロゴ・商品・ポスター・キャラクター・店内BGMなど、さまざまなものが映像に入ります。


ただし、画面にロゴや商品が映っただけで、すべて使用許諾が必要になるわけではありません。


何が映るのか、どの程度目立つのか、作品の中でどう使うのかによって考え方が変わります。


一方、店内BGMは映像とは少し違います。


店が店内で音楽を流すための権利処理と、その音楽を映画・MV・YouTubeなどの映像作品へ収録して利用するための権利処理は別です。


店舗撮影では、映像に入るものと音に入るものを分けて確認すると整理しやすくなります。



この記事でわかること

  • 店名や看板が映った場合

  • 企業ロゴ・商標が映る場合

  • 店の商品が映る場合

  • ポスターやキャラクターが映る場合

  • 著作物の「写り込み」の考え方

  • 店内BGMをそのまま録音してよいのか

  • 撮影時にBGMを止めてもらう方法




店名や看板が映るだけで、必ず許可が必要とは限らない


実在する店舗で撮影すれば、店名や看板が映ることがあります。


店名やロゴには商標が使われている場合がありますが、商標権は、登録されたマークについて、その商品・サービスとの関係で使用する権利を保護する制度です。


そのため、映画やドラマの背景に実在店舗の看板が映ったというだけで、直ちに商標権侵害になるとは限りません。


ただし、


  • 作品とその企業が提携しているように見える

  • 企業が作品を推薦しているように見える

  • ロゴを作品の宣伝に積極的に使用する

  • 商品や店舗イメージを作品の重要な要素として利用する


といった場合は、単なる背景としての映り込みとは事情が変わります。


また、法律上問題がない場合でも、店舗との撮影条件として、


「店名は出さないでほしい」

「ロゴは映さないでほしい」


と求められることがあります。


店舗から撮影協力を受ける場合は、店名やロゴを作品内で出してよいかも確認しておくと安心です。




実在する店舗として使うのか、架空の店舗として使うのか


撮影前に確認しておきたいのが、作品の中でその店舗をどのように扱うのかです。


たとえば、実在する〇〇店として登場させる場合と、実際の店舗を借りるが、作品内では架空の店として登場させる場合では、準備が変わります。


架空の店舗として使用する場合には、


  • 店名の看板を隠す

  • 店内のロゴを隠す

  • メニューを差し替える

  • 商品を入れ替える


といった美術処理を行うことがあります。


反対に実在店舗として登場させる場合には、作品の内容を店舗側が確認したいと考えることもあります。


特に、犯罪、事故、暴力、不衛生な描写など、その店のイメージに影響する場面では、撮影許可の段階で十分に説明しておきましょう。




商品やパッケージが映る場合


コンビニ、スーパー、飲食店などでは、商品や商品パッケージが大量に映り込むことがあります。


これも、商品が映っただけで一律にすべて隠さなければならないわけではありません。


ただし、


  • 特定の商品を大きく長時間映す

  • 出演者が商品名を繰り返し口にする

  • 商品をストーリー上重要な小道具として使用する

  • 商品やメーカーに特定の印象を与える描写をする

  • 広告やタイアップのような見せ方をする


といった場合は、単なる背景とは違ってきます。


制作上の判断として、実在商品をそのまま使用せず、ラベルを隠したり架空の商品に差し替えたりすることもあります。


映っていること自体と、作品の中で積極的に利用することは分けて考えると整理しやすくなります。




ポスターや絵画には著作権がある場合がある


店内に貼られているポスターや絵画、写真、イラストなどには、著作権が存在することがあります。


文化庁は、映像を撮影した際に、背景にポスターや絵画などが付随して映り込む場合には、一定の条件のもと、著作権法上の「付随対象著作物」として許諾なく利用できる場合があると説明しています。


たとえば、


人物を撮影したところ、その後ろの壁に掛けられていた絵が小さく映った


といった場合です。


一方で、


その絵やポスター自体を主な撮影対象として大きく見せる

作品の中で重要な意味を持たせ、積極的に利用する


といった場合は、「写り込み」として扱えるとは限りません。


なお、意図的に画面内へ入れたというだけで、直ちに「写り込み」の対象外になるわけではありません。


現在の著作権法では、作品全体の中での付随性や軽微性、利用の目的・態様、著作権者の利益を不当に害しないかなどを踏まえて判断します。




キャラクターグッズにも注意する


店舗によっては、


  • キャラクターのポスター

  • フィギュア

  • ぬいぐるみ

  • イラスト

  • キャラクター商品


などが飾られていることがあります。


背景の一部として小さく映る場合には「写り込み」に該当する可能性があります。


また、出演者にキャラクターのぬいぐるみを持たせた場合でも、それだけで直ちに「写り込み」の対象外になるわけではありません。


ただし、


  • キャラクター自体を大きく見せる

  • 物語上重要な小道具として扱う

  • キャラクターそのものを演出上の中心に置く


など、作品の中での利用の比重が大きくなる場合は、別途許諾が必要か慎重に確認する必要があります。


「店内にもともと置いてあったから自由に使える」とは限りません。




「写り込み」なら何でも大丈夫ではない


著作権法上の「写り込み」は、背景に入ったものすべてを自由に使用できる制度ではありません。


文化庁は、付随する著作物が作品の中で軽微な構成部分であることや、利用の目的・態様、著作権者の利益を不当に害しないことなどを踏まえて判断すると説明しています。


そのため、「背景にあるものだから全部写り込み」と決めつけるのではなく、


  • どれくらい大きく映るか

  • どれくらい長く映るか

  • 作品の中でどの程度重要か

  • どのような目的・態様で利用するのか


などを考えて判断します。


判断が難しいものは、撮影時に外す、隠す、画角を変えるなど、最初から映さない方法を選ぶこともできます。




店舗がBGMを流す許可と、映像で使う許可は別


店舗撮影で見落としやすいのが、店内BGMです。


お店では普段から音楽が流れていることがあります。


しかし、店舗が店内でその音楽を流すことについて許諾を受けていることと、制作側がその音楽を映像に収録して作品として利用できることは別です。


JASRACでも、店舗等でBGMを流す場合の手続と、映画・映像ソフト・広告・インターネット動画などへ音楽を録音・利用する場合の手続を別に案内しています。


そのため、「この店はJASRACと契約しているから、そのまま映画にも入れて大丈夫」ということにはなりません。




市販音源をそのまま使う場合は別の権利もある


既存の楽曲を作品内で意図的に使用する場合には、作詞・作曲に関する著作権だけを考えればよいとは限りません。


市販のCDや配信された音源など、既存の録音音源を使用する場合には、レコード会社や実演家などの著作隣接権が関係することがあります。


JASRACも、動画で市販CDやダウンロード音源などを使用する場合には、著作権とは別に音源製作者などの許諾が必要になると案内しています。


「曲を使う許可」と「その録音された音源を使う許可」は別になることがある、という点に注意しましょう。




音楽を使うとき、どこに許可を取ればいい?


既存の音楽を映画、CM、MV、YouTubeなどで意図的に使用する場合は、主に「曲そのもの」と「録音された音源」を分けて確認します。


まず、作詞・作曲された楽曲そのものの著作権があります。


楽曲によっては、JASRACやNexToneなどの著作権管理事業者が権利を管理しています。


どこが管理しているかは、それぞれの作品検索サービスなどで確認できます。


そして、市販CDや配信サービスなどですでに録音されている音源をそのまま使用する場合には、これとは別に、その録音された音源に関する権利も確認する必要があります。


一般に、レコード会社などが持つレコード製作者の権利や、歌手・演奏者などの実演家の権利が関係します。


たとえば、


有名な曲を自分たちで演奏して録音する場合

と、

有名アーティストが歌っている市販音源をそのまま使う場合


では、必要な確認が同じではありません。


後者では、楽曲の著作権についての手続だけでなく、使用する音源についても権利者の許諾が必要になることがあります。




まず何を調べればいい?


既存音楽を作品に使いたい場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。


  1. 使用したい曲を特定する

  2. 楽曲の著作権を誰が管理しているか確認する

  3. 市販音源などを使用する場合は、その音源の権利者を確認する

  4. 映画、CM、配信、YouTubeなど、どのように作品を利用するのか整理する

  5. それぞれの利用方法について必要な許諾・手続を確認する


JASRAC管理楽曲であれば、JASRACの作品データベース「J-WID」から管理状況を調べることができます。


NexToneにも作品検索サービスがあります。


市販音源を使用したい場合は、CDや配信情報などからレコード会社を確認し、その音源の利用について問い合わせることになります。




YouTubeなら手続不要、とは限らない


YouTubeなど一部の動画投稿サービスは、JASRACなどと包括的な利用許諾契約を結んでいます。


そのため、一定の範囲では、投稿者が楽曲の著作権について個別に手続をしなくても投稿できる場合があります。


ただし、これは市販されている音源そのものまで自由に使えるという意味ではありません。


また、広告目的の動画や企業案件、動画以外での二次利用など、利用方法によって確認が必要になることがあります。


「YouTubeに出すから大丈夫」と一律に判断せず、どの曲を、どの音源で、何の目的に使うのかまで確認しましょう。




店内BGMはどうする?


店舗で撮影しているときに、店内BGMが偶然収録されることがあります。


著作権法上、周囲の音楽が付随的に録り込まれた場合には、条件を満たせば「写り込み」に関する規定で利用できる場合があります。


一方で、


  • 曲がはっきり長時間聞こえる

  • その曲に合わせて演技する

  • 編集でもその曲を積極的に残す

  • 作品の演出として音楽を利用する


といった場合には、「偶然入っただけ」とは考えにくくなります。


そのため、音声収録を行う店舗撮影では、可能であれば撮影中だけBGMを止めてもらうのが権利処理を簡単にする方法の一つです。




撮影前に「映してよいもの」を確認する


店舗の撮影許可を取るときは、場所の利用だけでなく、


  • 店名を出してよいか

  • 看板を映してよいか

  • ロゴを映してよいか

  • 商品をそのまま映してよいか

  • 店内のポスターや絵画はどうするか

  • 店内BGMを止められるか


なども確認しておくと安心です。


店舗側から、


「この看板だけは映さないでほしい」

「この商品棚は撮影しないでほしい」


といった条件を出されることもあります。


ロケハンの段階で確認しておけば、当日になって画角や美術を大きく変更するリスクを減らせます。




店舗撮影で権利関係を確認するポイント


店舗撮影では、次のように整理すると分かりやすくなります。


  1. 店名や看板を作品内で出してよいか

  2. ロゴを積極的に使用する場面があるか

  3. 実在商品を大きく映す場面があるか

  4. 店内のポスター・写真・絵画などが映るか

  5. キャラクター商品が目立って映るか

  6. それらは単なる背景か、作品の中でどの程度重要な役割を持つか

  7. 店内BGMが収録されるか

  8. BGMを止めてもらえるか

  9. 既存音楽を意図的に使用する場合、必要な権利処理を確認したか

  10. 店舗側から映してはいけないものを指定されていないか




まとめ


店舗撮影では、店名、看板、ロゴ、商品などが映ったからといって、すべてについて一律に許可が必要になるわけではありません。


一方で、店舗から撮影許可を得たことと、店内に存在する第三者の著作物や音楽などを自由に利用できることは別です。


ポスター、絵画、キャラクターなどが背景に付随して映り込む場合には、著作権法上の「写り込み」に該当することがあります。


ただし、作品の中での利用の比重が大きい場合や、著作物そのものを主な対象として利用する場合には、別途権利処理が必要になる可能性があります。


特に店内BGMは、店舗がBGMとして流すための許諾と、制作側が映画や動画に録音して利用するための許諾を混同しないことが重要です。


ロケハンの段階で、何が映るのか、何を意図的に見せるのか、何を消したり隠したりするのかを整理しておくと、撮影後の修正や権利処理を減らすことができます。



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参考


※店舗撮影で、店内に映る著作物や店内BGMなどの権利関係で迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。

 
 

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