top of page
映像制作の撮影現場

​映像制作を法務面からサポート

​ゆかり行政書士事務所

​ゆかり行政書士事務所

営業中の撮影と、来店客・従業員への配慮

8月20日
読了時間: 8分

更新日:5 日前


営業中の店舗でも、店側が了承すれば撮影できることはあります。


ただし、店舗から撮影許可をもらったことと、来店客や従業員を自由に撮影できることは別です。


小規模撮影なら、


  • 客が入ったら撮影を止める

  • 客席の一部だけを使う

  • 人の少ない時間帯を選ぶ

  • 背景に一般客が入らない画角にする


など、営業と両立できる方法を考えると撮影しやすくなります。


営業への影響が大きい場合は、営業時間外や店休日に撮影する方法もあります。



この記事でわかること

  • 営業中の店舗で撮影できるのか

  • 来店客が映る場合の注意

  • 来店客の利用や動線への配慮

  • 従業員が映る場合・業務への配慮

  • 店内BGMや周囲の音への注意

  • 撮影中であることを知らせる場合

  • 店舗の営業と撮影を両立するための考え方




営業中の撮影ができるかは店舗ごとに違う


店舗によっては、営業中でも撮影を受け入れているところがあります。


たとえば、


  • 少人数での撮影

  • カメラ1台程度の小規模な撮影

  • 店内の一角だけを使用する撮影

  • 一般客の動線を妨げない撮影

  • 短時間で終了する撮影


などです。


一方で、


  • 大人数のスタッフが入る

  • 大型照明を設置する

  • 店内を広く使用する

  • 音声収録のため静かな環境が必要

  • 同じ場面を何度も撮影する

  • 一般客が映り込む可能性が高い


といった撮影では、営業中の実施が難しいことがあります。


その場合は、開店前、閉店後、定休日、貸切などを検討することになります。




一般の来店客が映り込む可能性がある


営業中に撮影すると、撮影に参加していない一般の来店客がカメラに入る可能性があります。


人物が映った場合には、映り方や利用方法によって、肖像やプライバシーへの配慮が必要になります。


たとえば、


  • 顔がはっきり分かる

  • 特定の人物として認識できる

  • 長時間大きく映る

  • 会話の内容まで収録される


といった場合は、単なる背景の映り込みとは違って考える必要があります。


撮影内容によっては、


  • 撮影範囲を限定する

  • 一般客が入らない時間帯に撮影する

  • 本人に撮影・使用について確認する

  • 編集で顔などを処理する


といった対応を検討します。




来店客に撮影を強制しない


店舗側から撮影許可を得ていても、来店客全員が撮影への参加を承諾しているわけではありません。


営業中の店内で、


「撮影しているのでこちらを通らないでください」

「しばらく席を動かないでください」


など、一般客に過度な協力を求めることは避けるべきです。


店舗を利用している人にとっては、通常どおり店を利用することが本来の目的です。


撮影側が営業中の店舗を使わせてもらっている場合は、来店客の利用を優先することを前提に撮影方法を考える必要があります。


一般客の動線を止めなければ撮れないような場面であれば、営業中ではなく貸切や営業時間外での撮影を検討した方がよいでしょう。




従業員の業務を妨げない


営業中の撮影では、店舗スタッフも通常どおり仕事をしています。


たとえば、


  • 注文を取る

  • 料理を運ぶ

  • レジ対応をする

  • 商品を補充する

  • 清掃する

  • 来店客を案内する


といった業務があります。


撮影スタッフが通路を塞いだり、機材を作業場所に置いたりすると、通常業務に支障が出ます。


また、


「撮影中なので少し待ってください」


という状況が何度も続けば、店舗側に大きな負担がかかります。


事前に、


  • カメラを置く位置

  • 照明の位置

  • スタッフの待機場所

  • 機材置場

  • 出演者の動線


を確認し、店舗スタッフの動線をできるだけ妨げないようにしましょう。




店員さんが映る場合も確認する


営業中の店舗では、実際の従業員が映像に入ることもあります。


背景として一瞬映る程度なのか、接客する姿がはっきり映るのか、セリフや演技をお願いするのかによって扱いは変わります。


特に、店舗スタッフに作品への出演をお願いする場合は、単に店舗から撮影許可を得るだけではなく、本人への説明と承諾も必要です。


出演内容や公開方法、必要に応じて出演料なども確認しましょう。


店舗側が「スタッフも映って大丈夫です」と言っていても、個々の従業員本人への配慮は別に必要です。




店内の音にも注意する


店舗内では、


  • 店内BGM

  • 厨房の音

  • レジの音

  • 店員と客の会話

  • 店外から入る交通音


など、さまざまな音が発生します。


音声を収録する撮影では、これらが収録に影響することがあります。


しかし、撮影のために、


「BGMを止めてほしい」

「厨房の作業を止めてほしい」

「お客さんに静かにしてほしい」


と求めれば、店舗の通常営業に影響します。


必要な音声環境と店舗側の営業を両立できるか、ロケハンの段階で確認しておきましょう。


店内BGMについては、音質上の問題だけでなく著作権上の確認が必要になることもあります。


詳しくは「店名・看板・ロゴ・商品・店内BGMが映るときの注意」の記事で整理しています。




撮影していることを知らせる場合もある


営業中の店舗で撮影する場合、撮影規模や店舗の判断によっては、


  • 店頭に案内を掲示する

  • 入店時に撮影中であることを案内する

  • 撮影範囲を表示する

  • スタッフが来店客へ説明する


といった対応を行うことがあります。


特に一般客が映り込む可能性がある撮影では、撮影中であることが分かるようにすることで、来店客自身が映り込みを避けやすくなります。


ただし、案内を掲示しているからといって、すべての人物を自由に撮影・使用できるとは限りません。

撮影内容や映り方に応じた対応が必要です。




営業への影響は事前に店舗側と相談する


営業中の撮影では、


  • 何席使うのか

  • どの通路を使うのか

  • 何時から何時まで撮影するのか

  • 一般客を入れるのか

  • 店舗スタッフの協力が必要か

  • 何分程度営業を止める可能性があるか


などをできるだけ具体的に伝えます。


店舗側が撮影内容を把握していれば、


「この時間帯なら空いている」

「この席なら営業に影響しにくい」

「開店前なら貸切にできる」


といった提案をしてもらえることもあります。


制作側だけで撮影方法を決めるのではなく、実際に店を運営している人の意見を聞きながら計画することが大切です。




小規模撮影では店との関係も大切


個人経営の店舗では、店主の協力によって営業中でも柔軟に撮影させてもらえることがあります。

ただし、それは店舗側の好意によるものです。


撮影側が、


  • 約束した人数を守る

  • 使用範囲を勝手に広げない

  • 時間を守る

  • 一般客を優先する

  • 店員の指示に従う

  • 原状回復をする


といった基本的なことを守ることで、店舗との信頼関係が維持されます。


撮影終了後にきちんとお礼を伝え、作品が完成したら知らせるなど、関係を大切にすることも、次の撮影につながることがあります。




その店だけの問題ではない


店舗で撮影を受け入れてもらうことは、制作側にとって貴重な機会です。


しかし、撮影時の対応が悪ければ、その制作チームが次回使えなくなるだけではありません。


店舗側が、「撮影はもう受けたくない」と考え、今後すべての撮影依頼を断るようになることもあります。


無断で使用範囲を広げる、時間を守らない、一般客に迷惑をかける、片付けをせずに帰る、といった対応は、その後にその場所を使いたい別の制作チームにも影響します。


ロケ地は一つの制作チームだけのものではありません。


次にその場所を使う撮影者のためにも、店舗との約束を守り、周囲への配慮と原状回復まで責任を持って撮影を終えることが大切です。




営業中に撮影するときの確認ポイント


営業中の店舗で撮影する場合は、次の点を確認しておくと整理しやすくなります。


  1. 営業中の撮影が認められているか

  2. 撮影に使用できる範囲

  3. 一般客の動線を妨げないか

  4. 一般客が映り込む可能性

  5. 従業員が映る可能性

  6. 店員に協力をお願いする場面があるか

  7. 機材が営業の邪魔にならないか

  8. 店内BGMや周囲の音

  9. 撮影中であることを案内する必要があるか

  10. 営業に影響が出た場合の対応

  11. 貸切や営業時間外へ変更する必要がないか




まとめ


営業中の店舗で撮影する場合は、店舗から撮影許可を得るだけではなく、通常営業との両立を考える必要があります。


一般の来店客は撮影のために店を訪れているわけではありません。


また、従業員も撮影スタッフではなく、通常の業務を行っています。


そのため、来店客や従業員の動線を妨げないこと、撮影への参加を当然と考えないことが重要です。


営業中の撮影が難しい場合には、営業時間外、定休日、貸切など別の方法を店舗側と相談しましょう。


特に小規模な撮影では、店舗側との信頼関係によって柔軟に協力してもらえることもあります。


その好意を次の撮影にもつなげられるよう、約束した条件を守り、店舗や一般利用者への配慮を忘れずに撮影を行いましょう。



関連記事



参考


※店舗での撮影について、営業中の撮影方法や来店客・従業員への配慮で迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。

 
 

最新記事

すべて表示
公園の撮影許可を取ったあと、内容が変わったら?|日時・人数・機材・撮影内容の変更

公園の撮影許可を取ったあとに、撮影日時や人数、機材、撮影する場面が変わることはあります。 ただし、許可を取ったあとだから、変更した内容でもそのまま撮影してよいとは限りません。 公園の撮影許可は、申請した日時・場所・人数・機材・撮影内容などを前提に出されていることがあります。 そのため、内容が変わった場合は、何が変わったのかを整理して、撮影前に公園管理者へ確認するのが基本です。 特に、 撮影日時が変

 
 
道路使用許可を取った後に内容が変わったら?|時間・場所・車両・予備日の変更

道路使用許可を取った後でも、撮影内容が変わることはあります。 たとえば、 撮影時間が変わった 撮影場所を少し移動したい 車両が増えた 機材や交通誘導員の配置が変わった 雨天のため予備日に変更したい といったケースです。 このとき大切なのは、 「もう許可を取っているから、多少変わっても大丈夫」 と考えないことです。 東京都では、許可内容に実質的な変更がない範囲であれば、「道路使用許可証記載事項変更届

 
 
道路撮影当日は許可証をどうする?|携帯・提示・現場での扱い

道路使用許可を取って撮影当日を迎えたら、許可証は現場ですぐ確認できる状態にしておきます。 「許可は取ってあるから、事務所に置いておけばいい」 という扱いではありません。 現場で警察官から確認を受けた場合や、許可された範囲・条件を確認したい場合に、すぐ許可証を確認できるようにしておく必要があります。 また、制作担当者が許可を取っていても、撮影当日の現場責任者が内容を知らなければ意味がありません。 こ

 
 
bottom of page