ネットの写真やSNS投稿を使いたい|許可はどうやって取る?
映画や動画で、ネット上の写真やSNS投稿を使いたいことがあります。
たとえば、
Instagramの写真をスマホ画面に出したい
Xの投稿を作品内で見せたい
Webサイトに掲載された写真を使いたい
ブログ記事の画像を小道具として出したい
といった場合です。
このとき困りやすいのが、「誰に許可を取ればいいのか」という点です。
ネット上の画像や投稿では、投稿者・掲載者・撮影者・サイト運営者が同じとは限りません。
そのため、許可を取りたいときは、まず「誰が投稿したか」ではなく、「誰がその内容の権利を持っているか」を確認する必要があります。
この記事で分かること
ネット上の写真は誰に許可を取ればいいのか
SNS投稿者に聞けば十分なのか
Webサイトの画像はサイト運営者に聞けばいいのか
権利者が分からない場合どう探すのか
問い合わせるとき何を伝えればよいのか
返事が来ない場合どうするのか
まず、掲載者と権利者を分ける
ネット上で写真を見つけると、「このページの運営者に聞けばいい」と思いやすいのですが、必ずしもそうではありません。
たとえば、
ニュースサイトに掲載された写真
SNSへ転載された写真
ブログに貼られた画像
企業サイトのイメージ写真
などは、掲載している人と著作権者が別の場合があります。
写真なら撮影者、イラストなら制作者、記事なら執筆者や媒体側など、権利者が別にいることがあります。
つまり、「ここに載っているから、この人に聞けば全部解決」ではないということです。
SNSの写真なら投稿者に聞けばいい?
投稿者自身が撮影した写真なら、その投稿者が著作権を持っている可能性があります。
その場合は、投稿者へ利用許可を確認することができます。
ただし、
他人の写真を転載している
商品公式画像を載せている
芸能人の写真を載せている
漫画や映画の画像を投稿している
場合は、投稿者本人が許可を出せるとは限りません。
そのため、まず、「この写真はご本人が撮影・制作されたものですか」と確認するとよいでしょう。
SNS投稿そのものを使う場合
投稿文や写真だけでなく、SNS投稿の画面全体を使いたい場合は、
投稿文
写真
動画
プロフィール画像
アカウント名
など、複数のものが含まれます。
そのため、投稿者から許可を得る場合も、
「投稿画面全体を映画内で使用したい」
と伝えた方が分かりやすいです。
ただし、投稿に第三者の写真や動画が含まれている場合は、その部分について別の権利者確認が必要になることがあります。
DMで許可を取ってもいい?
SNS投稿者本人が権利者で、利用範囲も明確なら、DMでやり取りすることもあります。
ただし、「いいですよ!」だけでは、後から何について許可したのか分かりにくくなることがあります。
少なくとも、
どの投稿か
何を使うのか
どの作品で使うのか
どこまで公開するのか
が分かる形で確認しておくとよいでしょう。
スクリーンショットなどで記録を保存しておくことも大切です。
Webサイトの写真なら誰に聞く?
企業サイトやブログなどに掲載されている写真を使いたい場合は、まずそのサイト内の、
著作権表示
利用規約
写真クレジット
撮影者名
お問い合わせ
を確認します。
写真家名が書かれていれば、その写真家へ確認する必要がある場合があります。
一方で、企業が自社で権利を管理している写真なら、企業の広報や権利担当が窓口になることがあります。
分からない場合は、
「このページに掲載されている〇〇の写真を映像作品で使用したいのですが、利用許諾の窓口を教えてください」
とサイト運営者へ問い合わせます。
Google画像検索から見つけた写真は?
Google画像検索で見つけた写真は、Googleに許可を取るわけではありません。
まず元の掲載ページを開きます。
そこから、
写真家
出版社
企業
素材サイト
SNS投稿者
など、掲載元を確認します。
Google画像検索は、権利者を探す入口として使います。
ネット上の写真の基本については、別記事「Google画像検索で見つけた写真を使っていい?」で詳しく解説しています。
素材サイトの写真なら個別許可は必要?
フリー素材サイトや有料素材サイトでは、利用規約によってあらかじめ利用が許可されている場合があります。
この場合は、個別にメールで許可を取るのではなく、ライセンス条件に従って使うことになります。
確認したいのは、
商用利用
映画・動画利用
広告利用
加工
クレジット
人物写真の制限
などです。
利用条件の範囲内なら、個別許可が不要な場合があります。
フリー素材については、別記事「フリー素材サイトの写真・動画なら自由に使える?」で詳しく解説しています。
権利者が分からない場合はどう探す?
1.元の掲載ページを確認する
まず、転載されたページではなく、できるだけ元の掲載元を探します。
2.クレジットや©表記を見る
写真の下やページ末尾に、
撮影者名
提供元
©表記
会社名
が書かれていないか確認します。
3.公式サイトを探す
作者や会社が分かれば、その公式サイトから問い合わせ窓口を探します。
4.掲載サイトへ聞く
権利者が分からなければ、
「この写真の利用許諾について、どこへ確認すればよいですか」
と掲載サイトへ問い合わせます。
5.それでも分からなければ、別素材も検討する
特定の写真である必要がなければ、権利関係の明確な素材へ変更した方が早いこともあります。
人物写真では本人への確認も必要?
人物写真では、写真の著作権だけでなく、写っている人物についての肖像やプライバシーなどが関係する場合があります。
たとえば、
一般人の顔写真
芸能人
モデル
スポーツ選手
などです。
写真家から利用許可を得たからといって、人物について何でも自由に使えるとは限りません。
特に、
作品内で本人として扱う
犯罪や病気などの設定と結び付ける
広告に使う
場合は慎重に確認します。
問い合わせるとき何を伝える?
許可を取りたい場合は、最低限次の内容を整理します。
使用したい写真・投稿のURL
使用したい部分
画面上での表示方法
使用時間
映画・ドラマ・YouTubeなど作品の種類
どんな場面で使うのか
映画祭・劇場・配信など公開方法
海外利用の有無
利用期間
商用か自主制作か
実際の画面イメージがあるなら、静止画や絵コンテを添える方法もあります。
SNS投稿者へのDM例
たとえば、Instagramの写真を映画内で使用したい場合なら、次のように送れます。
突然のご連絡失礼いたします。現在制作中の短編映画で、こちらの投稿に掲載されている写真を使用させていただけないかと思い、ご連絡いたしました。写真は登場人物がスマートフォンを見る場面で、画面上に約5秒表示する予定です。本作品は映画祭への出品を予定しており、その後、劇場上映や配信を行う可能性があります。こちらの写真はご自身で撮影されたものでしょうか。ご自身が権利をお持ちの場合、上記の範囲で使用させていただくことは可能でしょうか。使用条件やクレジット表記など、ご希望がございましたらあわせてお知らせいただけますと幸いです。
SNSでは、最初から難しい法律用語を並べる必要はありません。
「何を、どこで、どう使いたいか」を具体的に伝える方が分かりやすいです。
Webサイト運営者への問い合わせ例
掲載写真の映像利用についてお伺いいたします。貴サイトの下記ページに掲載されている〇〇の写真を、現在制作中の映像作品内で使用したいと考えております。URL:使用予定は約5秒で、登場人物がWeb記事を見る場面に表示する予定です。本作品は映画祭出品後、劇場上映・配信等を行う可能性があります。当該写真の利用許諾について、貴社でご判断いただけるものでしょうか。別の撮影者・権利者への確認が必要な場合は、問い合わせ先をご教示いただけますと幸いです。
ここでも重要なのは、「あなたが権利者ですよね?」と決めつけないことです。
権利者が別なら案内してもらいます。
使用料は聞いていい?
もちろん構いません。
写真や投稿によっては、
無料
クレジット条件付き
有料
利用不可
など対応が異なります。
問い合わせ時に、「使用料やクレジット等の条件がございましたらお知らせください」と聞いておけばよいでしょう。
「いいですよ」と言われたら何を確認する?
利用許可をもらったら、
どの写真・投稿か
映画内での利用
配信
劇場上映
海外上映
宣伝素材への利用
クレジット
利用期間
加工の可否
など、必要な範囲まで許可されているか確認します。
たとえば映画本編での使用許可だけで、予告編やポスターへの使用までは認められていないこともあります。
記録は保存する
許可が取れたら、
DM
メール
許諾書
元投稿のURL
使用した画像
利用条件
クレジット条件
などを保存します。
SNS投稿は削除されることもあるため、許可時点の投稿内容も一緒に残しておくと確認しやすくなります。
返事が来ない場合は?
返事がないことは許可ではありません。
必要な許可が確認できず、その写真や投稿を意図的に使うのであれば、
別素材へ変更する
自分で撮影する
撮影用の架空投稿を作る
利用条件の明確な素材を使う
方法を考えます。
特定のネット画像でなければ成立しないケースは、それほど多くありません。
権利者が分からない素材に時間をかけ続けるより、差し替える方が制作上合理的なこともあります。
結局、ネットの写真やSNS投稿の許可はどう取る?
1.元の掲載元を探す
転載ページだけで判断せず、できるだけ元の投稿やサイトを確認します。
2.誰が作ったものか確認する
写真なら撮影者、イラストなら作者などを確認します。
3.投稿者やサイト運営者から権利者をたどる
本人が権利者とは限らないため、必要なら問い合わせ先を教えてもらいます。
4.利用方法を具体的に伝える
作品の種類、使用時間、公開範囲などを説明します。
5.許可範囲を確認する
映画本編だけか、配信・予告編なども含むのかを確認します。
6.記録を保存する
DMやメールは消さず、利用した素材と一緒に保管します。
7.確認できなければ別素材へ変更する
その画像である必要がなければ、権利関係の明確なものへ変更します。
まとめ
ネット上の写真やSNS投稿の許可取りでは、掲載している人と権利者が同じとは限らないことが重要です。
SNS投稿者が写真の著作権者とは限らない
Webサイト運営者が掲載写真の権利者とは限らない
元の掲載元とクレジットを確認する
分からなければ掲載者から権利者をたどる
投稿者本人が撮影した写真なら直接許可を取れる場合がある
人物写真では肖像なども確認する
問い合わせでは使用時間・場面・公開範囲を具体的に伝える
許可の範囲と条件を確認する
DMやメールなどの記録を保存する
返事がなければ許可されたことにはならない
権利者が分からなければ別素材へ変更する方法もある
という流れになります。
「ネットに載せた人に聞く」のではなく、「その写真や投稿について許可を出せる人までたどる」。
これがネット素材の許可取りの基本です。
参考
※映画や動画でネット上の写真・SNS投稿・Web掲載画像などを利用する際の権利者や許可の取り方について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
