電子契約でも大丈夫?
更新日:9月16日
結論からいうと、映画・動画制作の契約は、電子契約でも大丈夫です。
紙の契約書を印刷して、
署名する
押印する
郵送する
相手から返送してもらう
という方法だけが契約ではありません。
電子契約サービスや電子署名を使えば、紙を使わずに契約内容への合意を残すことができます。
特に、
遠方の出演者
外部スタッフ
フリーランスのクリエイター
ロケ地担当者
制作会社
などと契約するときは、郵送の手間を減らせるので便利です。
大切なのは、紙か電子かではなく、誰が、どの契約内容に合意したのかを後から確認できることです。
この記事で分かること
映画制作の契約を電子契約にしてよいのか
電子契約と電子署名の考え方
PDFをメールで送るだけでもいいのか
電子契約を使うときに確認したいこと
紙の契約書とどう使い分けるか
電子契約でも契約は成立する
契約は、原則として当事者同士が内容に合意することで成立します。
そのため、必ず紙の契約書を作らなければならないわけではありません。
電子契約では、インターネット上で契約書を確認し、電子署名などを使って合意を残します。
たとえば、
出演契約
撮影業務委託
編集業務委託
音楽制作
デザイン制作
ロケ地使用
なども、内容に応じて電子契約で進めることができます。
電子契約のメリット
映画制作では、関係者が同じ場所にいるとは限りません。
出演者は東京
編集者は大阪
作曲家は北海道
ということもあります。
紙の契約書なら、
印刷
署名・押印
郵送
返送
という手間がかかります。
電子契約なら、オンラインで確認して手続きを進められるため、契約締結までの時間を短くしやすくなります。
また、紙の契約書を保管する場所も減らせます。
電子署名って何?
電子署名は、電子文書について、
誰が作成・承認したのか
その後内容が変更されていないか
などを確認するために使われる仕組みです。
電子契約サービスでは、
メールアドレスによる本人確認
電子署名
タイムスタンプ
操作履歴
などを組み合わせて、契約の記録を残すものがあります。
ただし、サービスごとに仕組みは違います。
利用するときは、どのような方法で本人確認や契約記録を残しているのかを確認しておくとよいでしょう。
PDFをメールで送るだけでも契約になる?
PDFをメールで送り、相手から、
この内容で問題ありません。
と返信をもらう方法でも、合意した内容を確認できる場合があります。
そのため、電子契約サービスを使わなければ契約できないというわけではありません。
ただし、単にPDFファイルへ名前を入力しただけでは、
本当に本人が入力したのか
後から内容が変更されていないか
いつ合意したのか
が分かりにくいことがあります。
重要な契約では、電子署名や電子契約サービスなど、本人との結びつきを確認しやすい方法を使う方が扱いやすくなります。
映画制作では電子契約と相性がいい
映画制作では、契約する相手が多くなることがあります。
たとえば、
出演者
カメラマン
録音
編集者
作曲家
デザイナー
イラストレーター
ロケ地
などです。
一人ずつ紙を郵送すると、契約書の管理だけでも大変になります。
電子契約なら、
誰が契約済みか
誰がまだ確認していないか
を管理しやすいサービスもあります。
出演者が多い作品や、複数の外注先がある制作では便利です。
ただし、相手が電子契約に慣れているとは限らない
便利だからといって、すべての相手に電子契約を強制する必要はありません。
たとえば、
個人経営の店舗
高齢の施設所有者
電子契約を使ったことがない人
スマートフォン操作が苦手な人
などでは、紙の方が進めやすい場合もあります。
ロケ地を借りる場合などは、
電子契約でお願いします。
と一方的に決めるより、
電子契約と紙のどちらがよいですか。
と確認してもよいでしょう。
契約方法は、相手が確認しやすいことも大切です。
電子契約でも、中身が曖昧なら意味がない
電子契約を使ったからといって、契約内容まで自動的に良くなるわけではありません。
たとえば、
出演映像を必要に応じて使用できる
だけでは、
映画祭
劇場公開
配信
SNS
広告
海外利用
再編集
まで含まれるのか分かりません。
これは紙でも電子でも同じです。
電子契約は契約を交わす方法であって、契約内容そのものを決めてくれるものではありません。
電子契約サービスを使うときに確認したいこと
サービスを選ぶときは、料金だけでなく、
契約書をどのくらい保存できるか
契約履歴を確認できるか
誰がいつ合意したか分かるか
契約書をダウンロードできるか
解約後も契約データを確認できるか
なども見ておくと安心です。
映画は完成後も長く利用されることがあります。
数年後に、
この出演者とはどんな条件だった?
と確認する可能性があります。
そのため、契約を結ぶ瞬間だけでなく、後から見返せるかも重要です。
契約書は自分でも保存する
電子契約サービスを使う場合でも、サービス上だけに置いておくのではなく、契約書をPDFなどで保存しておくと安心です。
たとえば、
作品名ごと
契約相手ごと
にフォルダを分けておくと、後から探しやすくなります。
映画制作では、
出演契約
ロケ地契約
外注契約
音楽契約
などが増えていくため、最初から保存ルールを決めておくと管理しやすくなります。
紙と電子を混ぜてもいい?
もちろん構いません。
たとえば、
出演者とは電子契約
ロケ地とは紙
制作会社とは相手指定の契約システム
ということもあります。
全員を同じ方法に統一しなければならないわけではありません。
重要なのは、それぞれの契約について、最終的にどの書類が正式な契約なのか分かるようにしておくことです。
紙と電子の両方を使うなら、保存場所やファイル名を整理しておくと混乱しにくくなります。
契約内容を変更するときも記録を残す
電子契約を締結した後に、
撮影日が変わった
報酬が変わった
撮影日数が増えた
利用範囲を広げた
納期を変更した
ということもあります。
重要な変更なら、
変更契約書
覚書
新しい電子契約
などで整理することがあります。
少なくとも、
変更後の条件はこれです。
ということが後から確認できるようにしておきます。
電子契約でも本人確認は意識する
電子契約では印鑑がない分、誰が契約したのかを確認できることが重要です。
たとえば、
本人のメールアドレス
電子署名
電子契約サービスの認証
契約締結の履歴
などが確認材料になります。
特に、
高額な契約
重要な権利譲渡
共同制作
出資
などでは、本人や会社との結びつきを確認できる方法を選んだ方がよいでしょう。
まとめ
映画・動画制作の契約は、電子契約でも進めることができます。
電子契約には、
郵送がいらない
遠方の相手とも契約しやすい
契約状況を管理しやすい
紙の保管を減らせる
といったメリットがあります。
一方で、
誰が契約したのか
契約履歴が残るか
後から契約書を確認できるか
契約内容そのものが具体的か
は確認しておく必要があります。
紙か電子かは、契約の中身とは別の問題です。
大切なのは、双方が内容を確認し、合意したことを後から確認できる状態にしておくことです。
参考
※映画・動画制作の電子契約について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
