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潮位・高波・強風・台風のとき、海辺の撮影はどうする?

8月30日
読了時間: 9分

更新日:9月6日


海辺の撮影では、晴れているかどうかだけでは撮影できるか判断できません。


まず確認したいのは、潮位・波・風と、気象庁の警報・注意報です。


特に、波浪警報・注意報や高潮警報・注意報が出ているとき、台風や発達した低気圧の影響で海が荒れているときは、無理に海岸へ近づいて撮影しないことが基本です。


津波警報・注意報が発表された場合は撮影を中止し、海岸から離れて避難します。


小規模撮影でも、撮影前日と当日に「天気予報」だけでなく「海の状態」まで見る習慣をつけておくと安心です。



この記事でわかること

  • 海辺の撮影前に確認したい気象・海象情報

  • 満潮・干潮で撮影場所がどう変わるか

  • 晴れていても高波になることがある理由

  • 強風時に小規模撮影で気をつけたいこと

  • 台風が離れていても注意したい「うねり」

  • 高潮と高波の違い

  • 津波警報・注意報が出たときの対応

  • 雨天予備日を決めるときの考え方




海の撮影では「天気」と「海況」を分けて見る


撮影前に天気予報を見るのは当然ですが、海辺ではそれだけでは足りません。


例えば、晴れている雨も降っていない風もそれほど強く感じないという日でも、海岸には高いうねりが届いていることがあります。


気象庁は、遠くの台風などで発生した波が「うねり」として伝わり、現地の天気が穏やかでも高波になることがあると案内しています。


そのため撮影前には、天気・風・波・潮位を別々に確認します。




潮位で「使える砂浜の広さ」が変わる


砂浜で撮影するなら、潮位はかなり実務的な情報です。


満潮と干潮では、同じ海岸でも水際の位置が変わります。


ロケハンでは広い砂浜だったのに、撮影時間になると満潮に近く、砂浜がかなり狭くなっているということもあります。


反対に、干潮になると砂浜や干潟が広く現れ、ロケハン時とは景色そのものが変わることもあります。


つまり、「この海岸で撮れるか」だけでなく、「撮影する時間にはどんな状態か」まで見ておく必要があります。




ロケハンと本番はなるべく近い潮位で見る


海辺をロケハンするときは、できれば本番と近い時間帯だけでなく、近い潮位になる時間も意識すると撮影イメージがずれにくくなります。


例えば、


夕方の満潮時に本番予定→ロケハンは午前中の干潮時


では、水際の位置が大きく違うことがあります。


特に、出演者が波打ち際を歩く砂浜に座るカメラを水際近くに置く長い引き画を撮るといった撮影では影響が出やすくなります。


海上保安庁の「海の安全情報」でも、地域ごとの潮汐情報や、風向・風速・波高などの情報を確認できます。




満潮時刻だけ見ればよいわけではない


「満潮が18時なら、それまでは大丈夫」と単純に考えるのも避けた方がよいでしょう。


潮位は満潮時刻になって突然上がるわけではなく、その前から徐々に上昇します。


撮影中に、機材を置いた場所まで水が近づく帰り道となる砂浜が狭くなる岩場や磯への通路が水に浸かるということも考えられます。


水際近くで撮影する場合は、現在の潮位だけでなく、このあと潮が上がるのか下がるのかまで見ておきます。




「今日は晴れだから波も穏やか」とは限らない


海辺で特に覚えておきたいのがうねりです。


波には、その場所の風によって生じる「風浪」と、離れた場所で発生した波が伝わってくる「うねり」があります。


そのため、台風が撮影場所からかなり離れていても、先に高いうねりだけが海岸へ到達することがあります。


気象庁も、台風が日本のはるか南にある場合でも、高波がうねりとして日本の太平洋沿岸へ伝わることがあると注意を呼びかけています。


撮影現場が晴れていることだけを理由に、海際へ近づかないようにします。




「波が今は小さい」も安全の保証にはならない


海をしばらく見ていて、「ずっとこの程度の波だから大丈夫そう」と思うことがあります。

しかし、波の高さは一つ一つ同じではありません。


撮影では、出演者の立ち位置を決めるカメラを固定する同じ芝居を何度も繰り返す

ため、普通に海岸を歩くより同じ場所へ長く留まりやすくなります。


波打ち際で撮影するときは、今来ている波だけを基準に立ち位置を決めないことが大切です。




波浪警報・注意報が出ているときは海へ近づかない


高波のおそれがある場合、気象庁から波浪警報・注意報が発表されます。


気象庁は、波浪警報・注意報が発表されているときには、むやみに海岸へ近づかないよう案内しています。


「撮影場所だけ確認しに行く」

「海には入らず岸から撮るだけ」


であっても、高波が護岸や防波堤を越えてくることがあります。


ロケ日と重なった場合は、撮影内容を縮小して無理に実施するより、場所や日程を変える方が安全です。




強風は波だけでなく撮影機材にも影響する


海辺では風を遮る建物が少なく、陸側より風が強く感じられる場所があります。


小規模撮影で特に注意したいのは、


三脚

小型照明

ライトスタンド

レフ板

傘

布や衣装

紙の小道具


などです。


普段なら問題なく使える小さな機材でも、風を受けると倒れたり飛ばされたりします。


特にレフ板は大きな面で風を受けるため、突然スタッフごと持っていかれることがあります。


風が強くなってきたら、


機材を減らす

三脚を使わず手持ちにする

レフ板を畳む

飛びやすい小道具を使わない


など、撮影そのものを小さくする判断も必要です。




「風速〇mなら中止」という全国共通基準はない


海岸撮影について、風速〇m以上なら撮影禁止という全国共通の基準があるわけではありません。


撮影場所の管理者が利用基準を定めている場合は、その基準に従います。


特に船を使う撮影では、運航事業者や船長が天候・風・波を見て中止を判断することがあります。


陸上の砂浜でも、数値だけではなく、スタッフが安全に立てるか機材を安全に使えるか波が撮影位置まで来ないかまで含めて判断します。


「せっかく全員集まったから」という理由で撮影を続けないことが大切です。




台風が近づいているときは早めに判断する


海辺の撮影では、台風が来る直前まで粘らない方がよいでしょう。


台風による影響は、


雨

強風

高波

高潮


と複数あります。


さらに、台風本体がまだ遠くても、先にうねりが到達することがあります。


そのため、台風の進路上ではないから大丈夫とも限りません。


撮影数日前から台風の影響が予想される場合は、予備日への変更も含めて早めに考えます。




高潮は「波が高いこと」とは別


高波と高潮は別の現象です。


高潮は、台風や発達した低気圧による気圧低下や強風によって、海面そのものが通常より高くなる現象です。


特に強い風が沖から海岸へ向かって吹くと、海水が海岸側へ吹き寄せられて潮位が上昇します。


さらに、高潮に高波が重なると海面は一層高くなり、普段は波が来ない場所まで水が届く可能性があります。


つまり、「いつもの満潮より少し高いだけ」と考えない方がよい現象です。




満潮と台風が重ならなければ安心、でもない


高潮については、「満潮時刻と台風が重ならないから大丈夫」と思うことがあります。


確かに満潮と高潮が重なれば危険性は高まりますが、気象庁は満潮時以外でも高潮被害が発生する可能性があると説明しています。


高潮注意報・警報が出ている場合は、通常の潮汐表だけを見て判断せず、発表されている防災情報を優先します。




津波注意報でも撮影は中止する


津波については判断がさらに明確です。


気象庁は、津波注意報が発表された場合でも、海の中にいる人は直ちに海から上がり、海岸から離れるよう案内しています。


撮影中に、強い揺れを感じた弱くても長い揺れを感じた津波警報・注意報を見聞きした場合は、機材の撤収より避難を優先します。


「カメラだけ取りに戻る」こともしない。


津波は繰り返し到達することがあるため、警報・注意報が解除されるまで海岸へ戻らないことも重要です。




ロケハンで避難場所も見ておく


海辺で撮影するなら、ロケハン時に、


海から離れる方向

高台

津波避難場所

避難経路


も確認しておくと安心です。


特に初めて行く土地では、海岸から駅や駐車場へ戻る道が、そのまま安全な避難方向とは限りません。


小規模撮影では大掛かりな安全計画書まで作らなくても、スタッフ同士で、「何かあったらどちらへ逃げるか」だけは共有しておくとよいでしょう。




雨天予備日は「雨」だけで決めない


海辺のロケでは、雨天予備日という言葉を使いますが、実際には、


強風予備日

高波予備日


でもあります。


雨が降っていなくても、海況によって撮影を延期することがあります。


そのため予備日を設定する場合は、管理者への届出や予約について、天候・海況で延期する場合に予備日へ変更できるかをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。


日付変更で再申請が必要になる場所もあります。




前日と当日に確認するもの


小規模な海辺撮影なら、最低限、気象庁の天気・警報注意報波の予報潮位・満潮干潮時刻風の状況台風情報津波情報を確認しておくとよいでしょう。


海上保安庁の「海の安全情報」では、沿岸部の風向・風速・波高などの現況や潮汐情報を確認できる地点があります。


「昨日見た予報」だけではなく、撮影当日にもう一度確認することが大切です。




まとめ


海辺で撮影するときは、晴れているかどうかだけで撮影可否を判断しません。


特に確認したいのは、


潮位

波

風

台風

高潮

津波情報


です。


小規模撮影でも、潮位によって砂浜の広さが変わり、強風で小さな機材が倒れ、高波によって普段は安全な場所まで波が届くことがあります。


そして、波浪警報・注意報が出ている高潮のおそれがある台風などで海が荒れている津波警報・注意報が出ているといった状況では、撮影予定より安全を優先します。


海辺のロケでは、「撮れる天気か」ではなく「安全にそこへいられる海か」を見ることが大切です。




参考


※潮位や海況を見ても撮影を実施してよいか判断しにくい場合や、管理者への日程変更の確認が必要か迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。


関連記事|海で撮影したい


 
 

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