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共同制作の映画|誰がどこまで権利を持つ?

9月9日
読了時間: 5分

結論からいうと、共同制作だからといって、関わった全員が映画の権利を同じ割合で持つわけではありません。


共同制作では、


  • 誰が映画製作者なのか

  • 誰が脚本や音楽など個別の著作権を持つのか

  • 誰が配信・上映・販売を決めるのか

  • 収益をどう分けるのか


を最初に決めておくことが重要です。


特に自主映画では、


「みんなで作った作品だから、みんなのもの」


という感覚だけで進めると、完成後にかなり揉めやすくなります。



この記事で分かること

  • 共同制作なら全員が著作権者になるのか

  • 監督・プロデューサー・出資者の権利はどうなるのか

  • 映画祭や配信を誰が決めるのか

  • 収益分配と著作権は同じなのか

  • 実際に制作前に何を決めればよいのか




「みんなで作った」だけでは権利関係は決まらない


たとえば、


  • 監督A

  • プロデューサーB

  • 脚本家C

  • 出資者D


の4人で映画を作ったとします。


この4人が全員同じ割合で完成映画の著作権を持つとは限りません。


映画そのものの著作権は、一定の場合には映画製作者に帰属します。


一方で、


  • 脚本家は脚本

  • 作曲家は音楽

  • デザイナーはデザイン


について別の権利を持つことがあります。


そのため、「誰が何を作ったか」と「完成映画を誰が管理するか」を分けて考えます。




出資した人は著作権者になる?


出資しただけで、自動的に著作権者になるわけではありません。


たとえば、


「制作費として100万円出した」


というだけなら、それは資金提供の話です。


著作権を持たせたいのであれば、その点を別に契約で決める必要があります。


つまり、出資割合=著作権割合ではありません。




プロデューサーは?


プロデューサーも、肩書だけで著作権者になるわけではありません。


ただし、その人が実際に、


  • 企画

  • 資金調達

  • 制作管理

  • 完成責任


まで担っているなら、映画製作者との関係が出てきます。


結局は、名前ではなく制作実態を見ることになります。




監督は?


監督は映画全体の形成に創作的に関わっていれば、映画の著作者になることがあります。


ただし、著作者だからといって完成映画の著作権を必ず監督が持つとは限りません。


ここでも、著作者と著作権者は別です。




映画祭に出すかどうかは誰が決める?


ここは制作前に決めておいた方がよいです。


共同制作では、


  • 国内映画祭だけ出したい人

  • 海外映画祭にも出したい人

  • すぐYouTube公開したい人

  • 劇場公開まで待ちたい人


で意見が分かれることがあります。


なので、作品の公開・上映・配信を誰が最終決定するのかを決めておきます。


たとえば、


映画祭出品、劇場上映、配信、販売その他本作品の利用については、制作会社○○が決定する。

という形です。




収益分配は著作権とは別


ここも混同しやすいところです。


たとえば、


「売上を監督50%、プロデューサー30%、出資者20%で分ける」


と決めても、それだけで著作権をその割合で共有していることにはなりません。


著作権の帰属と、収益分配は別の契約事項です。


この2つは分けて書いた方が分かりやすいです。




続編やリメイクは誰が決める?


映画が評価されると、


  • 続編

  • リメイク

  • ドラマ化

  • 海外展開

  • 配信契約


の話が出ることがあります。


そのとき初めて、


「誰が決める権利を持っているの?」


となると揉めます。


なので、可能性があるなら最初から、


  • 続編

  • リメイク

  • 二次利用

  • 海外利用


を誰が決めるかも入れておきます。




クレジットも決めておく


共同制作では、クレジットも揉めやすいです。


たとえば、


  • 監督

  • 企画

  • 原案

  • 脚本

  • プロデューサー

  • 製作

  • 制作


などです。


権利とは別ですが、作品公開後の認識違いを防ぐために、


誰をどのクレジットで載せるか


も決めておくとよいでしょう。




実際には何を決めればいい?


最低限、


  • 映画製作者は誰か

  • 完成映画を誰が管理するか

  • 映画祭・上映・配信を誰が決めるか

  • 収益をどう分けるか

  • 続編・リメイクを誰が決めるか

  • クレジットをどうするか

  • 脚本・音楽など個別素材の権利をどうするか


を決めます。




共同制作なら、こんな形で残しておく


たとえば、


本作品の映画製作者は○○とし、映画祭への出品、劇場上映、配信、販売その他完成作品の利用については○○が管理する。本作品から生じた収益については、別途定める割合により分配する。脚本、音楽、写真その他個別の制作物については、それぞれの契約に従う。

という形です。


これだけでも、


誰が作品を動かせるのか


がかなり分かりやすくなります。




結局、共同制作ではどうすればいい?


1.映画製作者を決める

完成映画を誰が管理するか明確にします。


2.決定権を決める

映画祭、配信、販売などを誰が決めるか整理します。


3.収益分配を別に決める

著作権と混ぜません。


4.個別素材の権利を別に整理する

脚本、音楽、写真などです。


5.文章で残す

友人同士の自主制作でも、最低限残した方が安全です。




まとめ


共同制作映画では、


  • 関わった全員が同じ著作権を持つわけではない

  • 出資しただけで著作権者になるわけではない

  • 監督・プロデューサーの肩書だけでも決まらない

  • 完成映画を誰が管理するか決める

  • 収益分配と著作権は別

  • 映画祭・配信・販売の決定権を明確にする

  • 続編やリメイクまで考えておく

  • 個別素材の権利は別に整理する


という考え方になります。


「みんなで作ったから、みんなのもの」で止めず、「誰が何を決められるのか」まで決める。

共同制作では、ここが一番大切です。



参考


※共同制作映画における著作権、収益分配、公開・配信の決定権などについて確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。


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