予告編・SNS・配信まで使えるようにするには?
結論からいうと、契約書に「映画で使う」とだけ書くのではなく、実際に使う媒体や利用方法まで具体的に入れておくのが大切です。
映画・動画制作では、本編だけでなく、
映画祭
劇場上映
配信
YouTube
予告編
SNS
Webサイト
広告
海外利用
まで広がることがあります。
そのため、最初から「本編+公開+宣伝」まで使える契約にしておくと、後から追加で許可を取り直す手間が減ります。
この記事で分かること
「映画で使う」だけでは足りない理由
予告編・SNS・配信を契約にどう入れるか
広告利用はどこまで書くか
海外利用も入れた方がよいか
契約ではどんな書き方をすればよいか
「映画で使う」だけだと範囲が曖昧
たとえば、
本制作物を本作品に使用できる。
とだけ書いてある場合。
これだけでは、
本編への使用
映画祭上映
劇場公開
Netflix等での配信
SNS宣伝
YouTube広告
まで含まれるのか、はっきりしないことがあります。
なので、実際に予定している使い方をできるだけ具体的に書く方が分かりやすいです。
まず「本編で使う」
基本になるのは、本作品そのものへの利用です。
たとえば、
本制作物を本作品に収録し、利用することができる。
という形です。
ただし、映画は完成後に公開するので、その先まで決めます。
映画祭・劇場上映を入れる
自主制作映画では、
国内映画祭
海外映画祭
自主上映
劇場上映
へ進むことがあります。
そのため、
映画祭への出品および劇場上映
まで利用範囲に入れておくと分かりやすいです。
配信も入れる
配信は特に重要です。
たとえば、
Netflix
Amazon Prime Video
U-NEXT
YouTube
Vimeo
その他の配信サービス
などです。
契約では、個別サービス名を全部書くより、
「インターネットその他の方法による配信」
などと広く書く方法があります。
予告編・ティザーにも使えるようにする
映画本編の素材を、
予告編
ティザー
ダイジェスト
キャスト紹介
に使うことがあります。
そのため、本編利用だけでなく、本作品の宣伝のために編集・利用できることも入れます。
SNS利用も明確にする
SNSでは、
X
Instagram
TikTok
YouTube
Facebook
などに、映像・写真・イラスト・音楽を使うことがあります。
契約には、
SNSその他のオンライン媒体における宣伝利用
などと入れておくと分かりやすいです。
Webサイトにも使う
公式サイトや映画祭ページなどに、
ポスター
出演者写真
劇中写真
音楽
ロゴ
を載せることがあります。
そのため、Webサイトその他の広報媒体も含めることがあります。
広告利用は別に書いた方がいい?
書いた方が分かりやすいです。
単なるSNS投稿と、
Instagram広告
YouTube広告
Web広告
劇場広告
では使われ方が違います。
有料広告まで予定しているなら、広告・宣伝目的での利用を明記しておきます。
作品と関係ない広告には使わない
ここは分けます。
たとえば、映画のポスターを宣伝するために使うのと、そのイラストを制作会社の別サービス広告へ使うのでは意味が違います。
利用許諾が、「本作品およびその宣伝」に限定されているなら、別商品の広告まで使えるわけではありません。
別用途で使うなら、追加許可を取ります。
海外利用も入れる?
海外展開の可能性があるなら、入れておく方がよいです。
たとえば、
海外映画祭
海外配信
海外販売
海外SNS広告
です。
契約では、
日本国内および国外において利用できる。
とする方法があります。
最初は国内だけの予定でも、作品が評価されて海外展開することがあります。
利用期間はどうする?
利用期間も考えます。
たとえば、
3年間
5年間
10年間
期間を定めない
などです。
映画は数年後に再上映・再配信されることがあります。
短すぎる期間だと、そのたびに契約をやり直す必要があります。
長期利用する作品なら、十分な期間を設定します。
媒体が増えたらどうする?
今後、新しい配信サービスやSNSが出てくる可能性があります。
そのため、契約で、
現在または将来利用可能となる媒体
などと広く定める場合もあります。
ただし、何でも無制限に広げるより、本作品の公開・宣伝という目的を明確にしておく方が分かりやすいです。
第三者へ渡すことも考える
映画制作では、
配給会社
配信会社
映画祭
宣伝会社
広告会社
へ素材を渡すことがあります。
そのため、必要なら、
本作品の公開・宣伝に必要な範囲で、第三者へ素材を提供できる
ようにしておきます。
加工できるようにする
予告編やSNSでは、元の制作物をそのまま使うとは限りません。
たとえば、
尺を短くする
トリミングする
字幕を入れる
サイズを変える
一部を切り抜く
ことがあります。
そのため、利用範囲だけでなく、必要な加工・編集をできることも契約に入れます。
契約ではどう書けばいい?
たとえば、
制作者は、制作会社に対し、本制作物を本作品の本編、映画祭への出品、劇場上映、放送、配信、DVD等の頒布、予告編、SNS、公式Webサイト、広告その他本作品の公開・宣伝のため、日本国内および国外において利用することを許諾する。
さらに、
制作会社は、本作品の制作・公開・宣伝に必要な範囲で、本制作物を編集、加工、切除、サイズ変更その他必要な変更を行うことができる。
とする方法があります。
どこまで細かく書けばいい?
全部の媒体名を一つずつ書かなければならないわけではありません。
ただし、本編だけなのか、宣伝や広告まで含むのかは分かるようにします。
特に、
配信
SNS
有料広告
海外利用
は、後から認識がずれやすいため、明記しておくと安心です。
結局、予告編・SNS・配信まで使えるようにするには?
1.本編以外の利用を書いておく
映画祭・劇場・配信などです。
2.宣伝利用を入れる
予告編・SNS・Webサイトなどです。
3.広告利用も考える
有料広告まで使うなら明記します。
4.海外利用を考える
将来の映画祭・配信まで想定します。
5.加工・編集もできるようにする
宣伝素材では形を変えることがあります。
まとめ
映画・動画制作では、契約に、
本編
映画祭
劇場上映
配信
YouTube
予告編
SNS
Webサイト
広告
海外利用
まで入れておくと、完成後の利用がしやすくなります。
重要なのは、「映画で使える」とだけ書かず、「完成後にどこでどう使うか」まで考えることです。
映画は、本編を完成させて終わりではありません。
その後の公開・宣伝・配信まで見越して、最初から利用範囲を契約しておくのが実務的です。
参考
※映画・動画制作で予告編・SNS・配信・広告まで含めた利用範囲を契約にどう定めればよいか確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
