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雨・増水・台風のとき、河川敷撮影はどうする?

8月27日
読了時間: 9分

更新日:9月6日


河川敷では、撮影場所で雨が降っていなくても、上流の雨によって水位が上がることがあります。


大雨・台風・増水のおそれがあるときは、「雨が止んだから撮れる」と判断せず、河川の水位や防災情報を確認します。


特に増水時には、河川敷から早めに離れることが基本です。


撮影前日と当日は、天気予報だけでなく河川の水位や洪水情報まで確認しておくと安心です。



この記事でわかること

  • 雨が降っていなくても増水する理由

  • 河川敷撮影前に確認する情報

  • 台風接近時の考え方

  • 撮影中に水位が上がった場合

  • 機材撤収より避難を優先する場面

  • 雨天予備日の考え方

  • ロケハンで避難経路を見る理由




撮影場所で雨が降っていなくても安心とは限らない


河川の水位は、撮影地点の天気だけで決まるものではありません。


上流でまとまった雨が降っていれば、現地では晴れていても、その後に水位が上昇することがあります。


そのため、「現場は晴れているから大丈夫」という判断だけでは不十分です。


河川敷撮影では、


  • 撮影地点の天気

  • 上流域の雨

  • 現在の河川水位

  • 水位の上昇傾向

  • 洪水予報

  • ダムの放流情報

  • 河川管理者からの注意情報


なども確認しておきましょう。


国土交通省の「川の防災情報」では、全国の河川について、水位、雨量、河川カメラ、洪水予報、ダム放流通知などを確認できます。




増水のおそれがあるときは使用しない


河川の一時使用では、増水時の対応を利用条件として定めている例があります。


たとえば国土交通省庄内川河川事務所の河川敷一時使用届では、気象情報を十分に把握し、河川の増水のおそれがある場合は使用しないこととされています。


また、使用中に危険な状況が発生した場合は、速やかに河川外へ避難し、そのための避難経路をあらかじめ確認しておくことも求めています。


つまり、現場に着いてから考えるのではなく、撮影開始前に「今日は河川敷へ入ってよい状況か」を確認することが重要です。




一時使用届を出していても中止になることがある


一時使用届は、撮影日を保証する予約制度ではありません。


国土交通省琵琶湖河川事務所では、河川区域内の工事、洪水、瀬田川洗堰の操作などによって、届出後であっても工作物の撤去や行事の中止を求める場合があると案内しています。


そのため、届出を提出して受理されても、当日に必ず撮影できるというものではありません。


河川敷では、当日の河川状況による変更や中止を最初から撮影計画に入れておきましょう。


自由使用・一時使用届・占用許可の違いについては、「河川敷の『自由使用』『一時使用届』『占用許可』の違い」で整理しています。




台風が近づいているときは撮影を前提にしない


台風接近時には、


  • 大雨

  • 河川の増水

  • 強風

  • 高波

  • 足元の悪化

  • 飛来物

  • 交通機関の乱れ


など、複数の危険が重なります。


気象庁も、台風や前線を伴う低気圧による大雨によって河川の氾濫などが発生すると案内しています。


撮影現場では、「まだ雨が弱いから、あと1カットだけ」となりがちですが、河川敷では撤収にも時間がかかります。


階段や坂路を使って大量の機材を運び出したり、車両まで長い距離を移動したりする場所もあります。


台風や大雨が予想される場合は、撮影できる限界ではなく、安全に撤収できる時間から逆算することが大切です。




雨が止んだ直後も注意する


雨が止んだからといって、すぐに河川敷が安全になるとは限りません。


上流から流れてきた水によって、雨が止んだ後に水位が上昇することもあります。


また、


  • 地面がぬかるんでいる

  • 護岸や階段が滑りやすい

  • 流木やごみが流れている

  • 普段使える通路が冠水している

  • 河川施設の点検が行われている


といった可能性もあります。


そのため、「雨が止んだ=撮影再開」とは考えず、水位や現地状況を改めて確認しましょう。




水位は「川の防災情報」で確認する


国土交通省の「川の防災情報」では、


  • 河川水位

  • 雨量

  • 河川カメラ

  • 洪水予報

  • 水位到達情報

  • ダム放流通知


などを確認できます。


河川敷撮影では、撮影前に一度見るだけではなく、天候が不安定な日は撮影中も水位の変化を確認するとよいでしょう。


ただし、Web上の水位情報だけを根拠に「安全」と判断するのではなく、河川管理者から退避や使用中止の指示が出ている場合は、その指示に従います。




洪水予報も確認する


国や都道府県が管理する河川のうち一定の河川では、国土交通省または都道府県と気象庁が共同で指定河川洪水予報を発表しています。


気象庁では、


  • レベル2 氾濫注意報

  • レベル3 氾濫警報

  • レベル4 氾濫危険警報

  • レベル5 氾濫特別警報・氾濫発生情報


という形で情報を発表しています。


現在発表されている情報は、気象庁「指定河川洪水予報」で確認できます。


撮影予定の河川についてこうした情報が出ている場合は、「撮影できるか」より先に、安全な場所へ退避できる状況かを考えましょう。




撮影前だけでなく撮影中も確認する


朝の時点で問題がなくても、午後になって天候が急変することがあります。


特に、


  • 夏の雷雨

  • 台風接近時

  • 前線が停滞しているとき

  • 上流で大雨が続いているとき


は注意が必要です。


長時間のロケでは、誰が天気・河川情報を確認するのかを決めておくとよいでしょう。


監督、撮影部、制作部など全員が何となく見ている状態より、現場責任者を決めて判断系統を一本化する方が、撤収判断が遅れにくくなります。




機材はすぐに撤収できる状態にする


河川敷では、増水時に短時間で撤収できることが重要です。


特に、


  • 大型照明

  • テント

  • レフ板

  • モニター

  • 三脚

  • ケーブル

  • 美術

  • 発電機


などを大量に設置していると、撤収に時間がかかります。


琵琶湖河川事務所では、一時使用で設置できるものについて、直ちに撤去することが可能な簡易な工作物を前提としており、洪水などの場合には届出後でも撤去・中止を求めることがあるとしています。


そのため河川敷撮影では、「設置できるか」だけでなく、「緊急時に何分で撤去できるか」まで考えて機材を決めた方が安全です。


車両や機材については、「河川敷へ車両・機材を持ち込むときの注意」で詳しく整理しています。




避難経路をロケハンで確認する


河川敷では、撮影場所だけでなく避難経路もロケハンしておきましょう。


確認したいのは、


  • 堤防上へ上がる階段

  • 坂路

  • ゲート

  • 車止め

  • 最寄りの一般道路

  • 高い場所へ移動する経路

  • 車両の退出経路


などです。


庄内川河川事務所の一時使用届でも、危険な状況が発生した場合に備えて、避難経路等をあらかじめ確認することが求められています。


特に機材が多い撮影では、スタッフは避難できるが、機材の撤収に時間がかかり過ぎるという計画になっていないか確認しましょう。




雨天予備日は最初から相談する


河川敷撮影では、雨天予備日を設定しておくと安心です。


実際に庄内川河川事務所の一時使用届にも、予備日を記載する欄があります。


ただし、「本番日が雨なら、自動的に予備日に変更できる」とは限りません。


河川管理者によって、日程変更時の連絡方法や扱いが異なる場合があります。


最初の相談時に、


  • 本番日

  • 雨天予備日

  • 実施日をいつ確定するか

  • 日程変更時に誰へ連絡するか

  • 新たな届出が必要か


を確認しておきましょう。


相談時期については、「河川敷撮影は何日前までに相談する?」で詳しく紹介しています。




雨天予備日を設定しても「場所の予約」にはならない


河川敷の一時使用届は、通常、撮影隊のために場所を貸し切る予約制度ではありません。


琵琶湖河川事務所でも、一時使用届を提出したからといって排他的・独占的な使用が認められるわけではないと案内しています。


そのため、予備日を届け出ていても、


  • 河川工事

  • 他の利用状況

  • 増水

  • 河川管理上の事情


などによって使用できない可能性があります。




公園や道路まで使う撮影では、それぞれの中止条件も確認する


河川敷撮影では、周辺の公園や道路も一緒に使うことがあります。


その場合、「河川側は使用可能でも公園側が閉鎖されている」「河川敷には入れても道路側で規制が行われている」といったことも考えられます。


複数の場所をまたぐ撮影については、「河川敷と公園・道路をまたいで撮影するとき」で詳しく整理しています。


天候が悪い日は、河川だけでなく、撮影範囲全体の管理状況を確認しましょう。




撮影中止の基準を事前に決めておく


現場に入ってから、「まだ撮れる」「もう危ない」という議論を始めると、判断が遅れることがあります。


制作側でも事前に、


  • 河川管理者から中止指示が出た

  • 洪水予報など危険度の高い情報が出た

  • 水位が急激に上昇している

  • 雷が接近している

  • 強風で機材を安全に固定できない

  • 避難経路が使用できなくなった

  • 機材を安全に撤収できる残り時間が少なくなった


など、撤収を始める条件を決めておくとよいでしょう。


行政上撮影できるかどうかと、現場の安全上、撮影を続けるべきかどうかは別の問題です。




「川を見に行く」こと自体が危険な場合もある


大雨や台風のとき、「現地の水位を見てから決めよう」と河川敷へ行くのは避けましょう。


国土交通省の「川の防災情報」では、河川カメラや水位情報を確認できます。


現地を直接確認しなくても得られる情報は、「川の防災情報」を利用しましょう。


気象庁の「大雨や台風に備えて」でも、大雨や台風による河川氾濫などへの注意を案内しています。




当日の確認項目


河川敷撮影の当日は、少なくとも次の点を確認しておくとよいでしょう。


  1. 撮影地点の天気

  2. 上流域の雨

  3. 現在の河川水位

  4. 水位が上昇傾向にないか

  5. 指定河川洪水予報などの防災情報

  6. ダムの放流情報

  7. 河川管理者からの連絡

  8. 避難経路

  9. 車両の退出経路

  10. 機材を短時間で撤収できる状態か

  11. 雨天予備日の扱い

  12. スタッフへの中止・撤収連絡方法




まとめ


河川敷撮影では、届出や許可が済んでいることと、当日安全に撮影できることは別です。


特に注意したいのは、


  • 現地で雨が降っていなくても上流の雨で増水することがある

  • 雨が止んだ後にも水位が上昇することがある

  • 一時使用届を出していても洪水などで中止になることがある

  • 台風や大雨時は早めに撤収を判断する

  • 水位・洪水予報・河川カメラなどを撮影中も確認する

  • 機材は短時間で撤去できるようにする

  • 避難経路をロケハン時に確認する

  • 雨天予備日の扱いを事前に確認する


という点です。


河川敷では、「あと何分撮影できるか」ではなく、「今から安全に全員が撤収できるか」という基準で考えることが重要です。


撮影前には気象情報と河川情報を確認し、危険が予想される場合は撮影を延期・中止しましょう。



参考


※河川敷での撮影について、雨天予備日の設定や管理者との調整で迷った場合は、お問い合わせからご相談ください。


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