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新聞や雑誌の記事を映していい?

9月4日
読了時間: 7分

更新日:9月7日


映画や動画の中で、登場人物が新聞や雑誌を読んでいる場面を入れたいことがあります。


新聞を広げる、雑誌を手に取る、記事を指さす、見出しをアップで見せる、といった演出です。


この場合、新聞や雑誌そのものを小道具として映すことと、中の記事や写真を作品の中で利用することは分けて考える必要があります。


新聞や雑誌には、


  • 記事本文

  • 写真

  • イラスト

  • 広告

  • ロゴ

  • レイアウト


など、複数の著作物や権利が含まれています。


そのため、「紙面が映るか」より、「どこまで内容を見せるか」が重要です。



この記事で分かること

  • 新聞や雑誌を映画や動画に映してよいのか

  • 表紙や紙面が背景に映る場合の考え方

  • 記事や写真をアップで見せる場合の注意点

  • 見出しだけなら使えるのか

  • 引用として使える場合

  • 撮影用の新聞や雑誌を作る方法




新聞や雑誌が小道具として映るだけなら?


たとえば、


  • 喫茶店のテーブルに新聞が置いてある

  • 登場人物が雑誌を持っている

  • 本棚に雑誌が並んでいる

  • 新聞を読んでいる姿を引きで撮る


といった場面です。


このように、作品の中心ではなく背景や小道具として紙面が映る程度であれば、実際の映り方によっては付随的な利用として考えられる場合があります。


ただし、


  • 記事本文がはっきり読める

  • 写真が大きく映る

  • 表紙を長くアップにする

  • 記事そのものがストーリー上重要


となると、単なる背景とは言いにくくなります。


新聞や雑誌があることを見せたいのか、記事の中身を見せたいのかを分けて考えます。




記事本文を見せる場合


新聞や雑誌の記事文章には、創作性があれば著作権が認められます。


そのため、


  • 記事本文を画面いっぱいに映す

  • 数段落を読める状態で見せる

  • 記事をそのままナレーションで読み上げる


といった場合は、記事そのものを利用していると考える必要があります。


単に、「主人公が新聞を読んでいる」ことを表現したいだけなら、実在する記事本文まで読めるように見せる必要はありません。




見出しなら大丈夫?


新聞記事の見出しは短い表現が多いため、すべての見出しが当然に著作物になるわけではありません。


ただし、独自性の高い表現であれば著作物性が問題になることがあります。


また、実在する事件や人物についての見出しをそのまま使うと、


作品内の出来事と現実の報道が結び付いて見える


ことがあります。


そのため、「見出しだけだから絶対大丈夫」と決めるのではなく、その見出しを使う必要があるかを確認した方がよいでしょう。




新聞や雑誌の写真は別に考える


紙面には写真が掲載されていることがあります。


その写真は、


  • 新聞社

  • 出版社

  • 通信社

  • 写真家

  • 提供元


などが権利を持っていることがあります。


記事本文を利用できる場合でも、写真まで同じ条件で利用できるとは限りません。


特に、


  • 人物写真

  • 事件現場の写真

  • 芸能人の写真

  • 商品写真


などを大きく映す場合には注意が必要です。


人物が写っている写真では、著作権以外に肖像やプライバシーなどが関係することもあります。




雑誌の表紙を映す場合は?


雑誌の表紙には、


  • 表紙写真

  • イラスト

  • 雑誌ロゴ

  • キャッチコピー

  • 商品名

  • 人物写真


などが含まれています。


登場人物が雑誌を持つ場面で一瞬映る場合と、表紙をアップで長く見せる場合では事情が違います。


表紙そのものを作品の美術として積極的に使うのであれば、紙面内の権利関係を確認する必要があります。


特に芸能人などの写真が大きく使われている表紙は、写真の著作権だけでなく、写っている人物についての権利も考えます。




広告が載っている場合は?


新聞や雑誌には広告も掲載されています。


広告には、


  • 商品写真

  • ロゴ

  • キャラクター

  • 広告コピー

  • デザイン


などが含まれています。


新聞紙面そのものを使う許可があったとしても、広告部分まで自由に利用できるとは限りません。


撮影で実物の新聞や雑誌を使う場合には、記事だけでなく広告欄まで画面に入ることを忘れないようにします。




「引用」として使える場合は?


映画や動画の中で新聞・雑誌の記事を批評したり、報道内容を検証したりする場合には、著作権法上の「引用」として利用できる可能性があります。


たとえば、


  • 報道内容を検証するドキュメンタリー

  • 雑誌記事について批評する動画

  • 過去の報道を資料として紹介する作品


などです。


ただし、引用として利用するには、


  • 引用する必要性がある

  • 自分の表現と引用部分が明確に区別されている

  • 自分の表現が主で、引用部分が従になっている

  • 必要な範囲で利用している

  • 出所を明示する


などの条件を確認する必要があります。


新聞を画面に出しただけで引用になるわけではありません。


引用については、別記事「『引用』なら映画や漫画を使っても大丈夫?」で詳しく解説しています。




実在する記事が必要でなければ、撮影用に作る


映画やドラマでは、


「主人公が新聞で事件を知る」

「雑誌に主人公の記事が掲載される」


といった演出があります。


この場合、実在する新聞や雑誌を使う必要がなければ、


  • 架空の新聞名

  • オリジナルの見出し

  • 撮影用の記事本文

  • 自分たちで撮影した写真

  • 架空の広告


を使って、撮影用紙面を作る方法があります。


この方法なら、作品の内容に合わせて記事を自由に作れるうえ、権利関係も整理しやすくなります。




昔の新聞や雑誌なら自由に使える?


古い新聞や雑誌であっても、古いから自動的に著作権がなくなっているとは限りません。


記事、写真、イラストなどは、それぞれ保護期間を確認する必要があります。


また、著作権の保護期間が終了している資料でも、


  • データベースの利用条件

  • 図書館やアーカイブの複製物利用条件

  • 写真提供元の条件


などが別に設けられていることがあります。


年代だけで判断せず、実際に使用する資料の権利関係を確認します。




結局、新聞や雑誌を作品に出したいときはどうすればいい?


1.紙面の中身を読ませる必要があるか考える

単に新聞や雑誌を読んでいる芝居なら、紙面の内容まで見せる必要はありません。


2.実在する記事を見せるなら、使う部分を確認する

  • 見出し

  • 記事本文

  • 写真

  • 広告

  • 表紙

など、どこが画面に映るのか確認します。


3.批評や検証なら引用を検討する

実在記事を資料として扱う意味がある場合は、引用の要件を確認します。


4.必要なら媒体や権利者へ確認する

記事や写真を大きく、長く、作品上重要なものとして使う場合には、利用許諾を確認します。


5.実在する新聞・雑誌でなくてよければ撮影用に作る

ドラマ上必要なのが記事内容だけなら、架空紙面を作る方が整理しやすいです。




まとめ


新聞や雑誌を映画や動画に映す場合は、紙そのものより、どこまで中身を使うかを確認します。


  • 背景や小道具として映る程度なら付随的な利用となる場合がある

  • 記事本文を読める状態で見せる場合は著作権を確認する

  • 見出しだから必ず自由に使えるとは限らない

  • 写真や広告は記事本文とは別の権利があることがある

  • 表紙には写真・ロゴ・文章など複数の権利が含まれる

  • 批評や検証では引用として利用できる場合がある

  • 実在紙面が必要なければ撮影用新聞・雑誌を作る方法がある


という整理になります。


撮影で必要なのが「新聞や雑誌そのもの」なのか、「そこに書いてある内容」なのかを先に分けると、判断しやすくなります。




参考


※映画や動画で新聞・雑誌の記事、写真、表紙などを利用する際の著作権や引用について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。


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