ニュースをもとに脚本を書いても大丈夫?
ニュースを見て、
「この事件を題材に映画を書きたい」「この出来事をヒントに脚本を作りたい」
と思うことがあります。
結論からいうと、ニュースで報じられた事実そのものをもとに脚本を書くことはできます。
ただし、ニュース記事や番組の、
文章
写真
映像
ナレーション
独自の構成
などをそのまま使う場合は、著作権が関係します。
また、実在する人物や事件を扱う場合は、
名誉
プライバシー
肖像
個人情報
など、著作権以外の問題にも注意が必要です。
つまり、「ニュースを参考にする」のと「ニュース記事そのものを使う」のは別です。
この記事で分かること
ニュースを参考に脚本を書いてよいのか
事実と記事の著作権はどう違うのか
見出しや文章をそのまま使ってよいのか
実際の事件を脚色する場合の注意点
実名を変えれば大丈夫なのか
実際に脚本を書くとき、どう整理すればよいのか
ニュースで報じられた「事実」には著作権はない
たとえば、
事故が起きた
裁判があった
会社で不祥事が起きた
ある人物が逮捕された
ある場所で災害が発生した
といった事実そのものは、著作権で保護されるものではありません。
そのため、ニュースで知った出来事をヒントにして、自分で脚本を書くこと自体は可能です。
でも記事の文章は別
ニュース記事には、記者や媒体が独自に書いた文章があります。
そのため、
記事本文をそのままコピーする
特徴的な表現をそのままセリフにする
記事構成をほぼそのまま使う
といった場合は、記事の著作権が問題になることがあります。
つまり、事件の事実は使えても、記事の表現まで自由に使えるわけではありません。
見出しなら自由に使える?
ニュース見出しは短い表現が多いため、すべてが当然に著作物になるわけではありません。
ただし、独自性の高い表現であれば著作物性が問題になることがあります。
そのため、「見出しだけだから絶対大丈夫」とは決めつけない方がよいでしょう。
特に、有名な見出しを作品内でそのまま使う場合は、その必要性を確認します。
テレビニュースの映像を参考にする場合
テレビニュースで見た映像から、
現場の様子
人物関係
出来事の流れ
を知ることがあります。
その情報をもとに自分で脚本を書くことと、ニュース映像そのものを映画に使うことは別です。
映像をそのまま使いたい場合は、放送局や権利者への確認が必要になることがあります。
実際の事件をそのまま描いていい?
実際の事件を題材にする場合は、著作権だけでなく、
被害者
加害者
家族
関係者
の権利や利益も考える必要があります。
たとえば、
私生活
病歴
家族関係
性的な情報
犯罪歴
などを描けば、プライバシーや名誉の問題が出ることがあります。
そのため、事実だから何でも自由に描けるとは限りません。
実名を変えれば大丈夫?
名前を変えても、
年齢
職業
場所
家族構成
事件内容
時期
などが一致すれば、本人を特定できる場合があります。
そのため、実名を使っていないから安全とは限りません。
実話作品については、別記事「実話をもとに映画を作りたい|本人の許可は必要?」で詳しく解説しています。
複数の記事を参考にした方がいい?
一つの記事だけをもとに脚本を書くと、その記事独自の表現や構成に引っ張られやすくなります。
そのため、実際の出来事を調べるなら、
複数の報道
公的資料
判決文
記者会見
統計
当事者発言
など、できるだけ複数の情報源を確認するとよいでしょう。
そうすることで、
記事そのものを再現するのではなく、事実関係を把握して自分の脚本にする
という整理がしやすくなります。
警察や裁判の情報はどうする?
事件ものでは、
逮捕
捜査
裁判
判決
などを扱うことがあります。
この場合、ニュース記事だけでなく、公開されている公的資料があるなら、そちらも確認するとよいでしょう。
特に法律や手続きに関する部分は、報道向けに簡略化されていることがあります。
ニュース記事を劇中に見せたい場合
脚本の参考にするだけではなく、作品内で実在するニュース記事を表示したい場合は、別の問題です。
その場合は、
記事本文
写真
見出し
ロゴ
などの利用について確認します。
詳しくは、別記事「ネット記事を作品内で見せたい|そのまま使える?」で解説しています。
ニュースをもとに完全なフィクションへ変える方法もある
実際の事件から、
テーマ
状況
社会問題
人間関係
だけを参考にし、登場人物や展開をオリジナルにする方法もあります。
たとえば、「特殊詐欺事件を参考にする」としても、特定の実在事件をそのまま再現する必要はありません。
複数の事例を参考にして、人物や出来事を再構成することで、フィクションとして作りやすくなります。
結局、ニュースをもとに脚本を書くならどうすればいい?
1.事実と記事表現を分ける
事件そのものと、新聞社やテレビ局の表現を区別します。
2.複数の情報源を確認する
一つの記事だけに依存しないようにします。
3.公的資料があれば確認する
裁判、行政、警察などの公開資料がある場合は参考にします。
4.実在人物が特定できるか確認する
名前だけ変えればよいとは限りません。
5.私生活や評価に関わる内容は慎重に扱う
名誉やプライバシーの問題を確認します。
6.記事そのものを映すなら別に権利処理する
脚本参考と記事利用は別です。
まとめ
ニュースをもとに脚本を書く場合は、事実と報道表現を分けて考えることが重要です。
ニュースで報じられた事実そのものには著作権はない
記事本文や映像には著作権がある
見出しだから必ず自由とは限らない
実際の事件では名誉やプライバシーにも注意する
名前を変えても本人が特定できる場合がある
複数の情報源や公的資料を確認すると整理しやすい
実在記事を作品内に出す場合は別に権利確認する
事実だけを参考にしてフィクションへ再構成する方法もある
という整理になります。
ニュースを「脚本の素材」として使うのか、「記事や映像そのもの」を使うのかを最初に分ける。
ここを整理すると、かなり判断しやすくなります。
参考
※ニュースや実際の事件をもとに映画・動画の脚本を制作する際の著作権や権利関係について確認したい場合は、こちらからお問い合わせください。
