YouTube・TikTokの撮影に許可は必要?
結論からいうと、YouTubeやTikTokだから特別な撮影許可が必要になるわけではありません。
見るべきなのは、「どこで、どんな撮り方をするか」です。
スマホを手持ちして短時間撮るだけなら、行政上の許可が必要とは限りません。
一方で、
道路上で出演者を立たせる
三脚や照明を置く
何度も同じ場所で撮り直す
複数人で長時間とどまる
公園や店舗など管理者のいる場所を使う
となると、話が変わってきます。
さらに重要なのは、「撮影してよい」と「その動画を公開してよい」は別の問題だということです。
この記事で分かること
スマホ撮影でも許可が必要になる境目
道路・公園・店舗では何が違うのか
撮影OKでも、そのまま公開できるとは限らない理由
スマホを手持ちして歩くだけでも道路使用許可は必要?
道路で動画を撮ったからといって、すべて道路使用許可が必要になるわけではありません。
警視庁は、道路で行う「ロケーション、撮影会等」のうち、一般交通に著しい影響を及ぼす場合を道路使用許可の対象として案内しています。
つまり、カメラを向けた瞬間に許可が必要になるわけではありません。
たとえば、
歩道を普通に歩きながらスマホを手持ちして撮影し、通行を妨げないようなケース
と、
出演者を一定位置に立たせる
三脚や照明を置く
スタッフが周囲に立つ
何度もテイクを重ねる
というケースでは道路の使い方が違います。
「YouTubeだから許可不要」でも、「道路で撮るなら全部許可」でもありません。
撮影によって道路を通常の通行とは違う形で使い、交通へどの程度影響するかを見ることになります。
三脚を置いたら即アウト?
これも、三脚を置いたという一点だけで一律に決まるものではありません。
ただし三脚を使うと、その場にとどまる時間が長くなったり、歩行者の動線を狭めたりすることがあります。
出演者、カメラ、照明などを道路上に配置するなら、スマホを手持ちして歩く撮影より、許可の確認が必要になる可能性は高くなります。
たとえば、
出演者2名、カメラ1台、三脚1台で、歩道上の同じ場所から30分程度撮影したい。
というところまで具体的にしたうえで、管轄警察署へ確認する方が話は早いです。
単に、
YouTubeを撮りたいんですが、許可はいりますか?
と聞いても、警察側も撮影状況が分からないので判断しにくくなります。
公園なら、スマホ撮影でも申請が必要になることがある
公園では、道路とは別に公園管理者のルールがあります。
たとえば都立公園では、個人の風景写真や家族の記念撮影は原則として申請不要とされています。
一方で、営利・非営利にかかわらず、園内を一定時間、排他的・独占的に使用する撮影については、事前申請・許可が必要と案内されています。
動画撮影やモデル撮影などが例として挙げられています。
ここで大事なのは、「収益化しているかどうかだけでは決まらない」という点です。
収益化していないYouTubeでも、園内を一定時間使う撮影なら申請対象になることがあります。
逆に、収益化しているアカウントでも、何が必要かはその公園のルールを確認する必要があります。
公園ごとに、
撮影可能な時間
撮影場所
三脚使用
人数
禁止期間
などが違うこともあります。
店舗では「店に撮影OKをもらえば全部OK」ではない
飲食店やショップの中で撮影するなら、まず店舗側の承諾が必要です。
ただし、店から
撮影して大丈夫です。
と言われても、それだけで動画内のすべてが自由に使えるとは限りません。
たとえば、
他のお客さんの顔
従業員
店内に飾られた写真やポスター
店内BGM
他社の商品やキャラクター
など、別の問題が出てくることがあります。
つまり、店舗からの撮影許可は「その場所で撮ってよい」という話。
映ったものをそのままYouTubeやTikTokで公開できるかは、別に考える必要があります。
ここはSNS動画では特に混同しやすいところです。
「収益化しているYouTube=商用撮影」なの?
ここも、一律には決められません。
施設側が、
広告・PR目的
収益化チャンネル
企業アカウント
商品紹介
などを「商用撮影」として扱っている場合があります。
一方で、単にYouTubeの広告収益があるだけで、あらゆる法律上の手続が自動的に商用撮影扱いになるわけではありません。
重要なのは、施設側がどのような基準で撮影を区分しているかです。
そのため、
YouTubeに公開予定です。広告収益のあるチャンネルですが、企業案件ではありません。
のように伝えると、相手も判断しやすくなります。
「個人撮影です」とだけ言って、実際にはPR案件だった、という伝え方は避けた方がよいでしょう。
SNS動画で特に気をつけたいのは「撮影許可」と「公開」の違い
YouTube・TikTokでは、撮ることより公開した後に問題が見つかることがあります。
たとえば店舗で撮影許可をもらった。
でも、隣の席のお客さんがはっきり映っていた。
店内BGMもそのまま入っていた。
背景のポスターが大きく映っていた。
こうした場合、「店から撮影許可をもらったから大丈夫」とは限りません。
撮影場所の許可と、
肖像
著作権
音楽
プライバシー
は別に確認します。
YouTube・TikTokは、その場で撮って終わりではなく、不特定多数へ公開することが前提になりやすいので、ここまで考えておく必要があります。
実際にはどう動けばいい?
まず、撮影前に次の4つを整理します。
どこで撮るか
何人で撮るか
どんな機材を使うか
どれくらいの時間、その場所を使うか
そのうえで、
道路なら、交通への影響がありそうなら管轄警察署
公園なら、公園管理者
店舗なら、店舗または施設管理者
駅なら、鉄道会社
というように確認先を分けます。
聞くときは、
YouTube用の動画を撮影予定です。出演者2名、撮影者1名、スマートフォンと三脚1台を使用します。〇月〇日の14時頃から30分程度、〇〇付近で撮影したいのですが、この規模でも事前申請や許可は必要でしょうか。
くらい具体的に伝えると判断してもらいやすくなります。
まとめ
YouTube・TikTokの撮影に許可が必要かどうかは、YouTubeだから、TikTokだからでは決まりません。
見るべきなのは、
撮影場所
撮影人数
機材
滞在時間
通行や他の利用者への影響
施設管理者のルール
です。
スマホを手持ちして短時間撮るだけなら、行政上の許可が必要とは限りません。
一方で、三脚や照明を使い、出演者やスタッフが一定場所を使う撮影なら、確認が必要になることがあります。
そしてもう一つ重要なのが、
撮影の許可を取ったからといって、その動画をそのまま公開してよいとは限らないこと。
場所の許可と、映った人・音楽・著作物の問題は分けて考えます。
この2つを切り分けるだけでも、YouTube・TikTok撮影のトラブルはかなり避けやすくなります。
参考
※個別のYouTube・TikTok撮影についてご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
