エキストラにも契約書は必要?
更新日:9月17日
結論からいうと、エキストラだから契約書が不要、というわけではありません。
ただし、主要キャストと同じような長い出演契約書を一人ずつ作る必要もありません。
エキストラの場合は、
何の作品に出演するのか
有償か無償か
交通費は出るのか
撮影した映像を本編で使うこと
映画祭・劇場・配信などで公開すること
予告編・SNS・広告などの宣伝に使うこと
映像から切り出した静止画を使う可能性
などを示し、短い出演同意書や応募フォームなどで、本人が条件を確認した記録を残す方法が使いやすいです。
大人数のエキストラやSNS募集では、書類そのものより、誰がどの条件で参加したのかを後から確認できる管理も重要になります。
この記事で分かること
エキストラにも契約書が必要なのか
出演同意書や応募フォームでもよいのか
無償募集では何を明確にするのか
SNSや募集サイトを使うときの注意
大人数のエキストラをどう管理するか
どこから通常の出演契約へ切り替えるのか
エキストラでも出演条件は決めておく
エキストラは、主要キャストほど大きく映らないことが多いですが、制作側が意図的に参加してもらう出演者です。
たとえば、
通行人
店の客
観客
パーティー参加者
群衆
として作品に出演してもらいます。
そのため、少なくとも、
撮影されること
と、
その映像が作品として公開・利用されること
について、本人と認識を合わせておいた方がよいです。
ただし、
セリフなし
1日だけ
背景出演
無償または少額
というエキストラなら、主要キャスト向けの長い出演契約書より、1~2ページ程度の出演同意書や応募フォームの方が実務に合うことがあります。
大切なのは書類の長さではなく、何に同意したのかが後から分かることです。
何を同意してもらえばいい?
エキストラの出演条件としては、たとえば、
作品名
撮影日
撮影場所
出演内容
出演料の有無
交通費の有無
本編での映像利用
映画祭・劇場・配信などでの公開
予告編・SNS・広告などでの宣伝利用
静止画としての利用
などを考えます。
本編だけでなく、予告編やSNSにも使う可能性があるなら、そこまで最初に示しておきます。
本編の一場面を静止画として切り出して、
ポスター
チラシ
SNS投稿
Webサイト
映画祭資料
などに使う可能性があるなら、その利用も確認しておくと分かりやすいです。
たとえば応募フォームなら、
本作品およびその宣伝のために、出演映像およびその映像から作成した静止画が利用されることに同意します。
という確認欄を設ける方法があります。
出演映像全体の利用範囲については、別記事「出演映像はどこまで使える?」で詳しく解説しています。
無償募集・SNS募集では条件を曖昧にしない
無償で募集する場合は、無償であることを募集段階から明確にしておく方がいいです。
たとえば、
出演料なし・交通費自己負担
なのか、
出演料なし・交通費一律1,000円支給
なのかでは条件が違います。
ほかにも、
食事支給の有無
拘束予定時間
集合場所
延長した場合の扱い
など、参加するかどうかを判断するために必要な情報は、最初から出しておきます。
エキストラは、募集サイトだけでなくXなどのSNSで募集することもあります。
SNS募集は、自主制作や小規模な撮影でも使いやすく、きちんと連絡を取って参加してくれる人もたくさんいます。
一方で、
応募後に連絡が取れなくなる
当日来ない
条件を十分に読んでいない
やり取りがDMの中に埋もれる
ということもあります。
だからSNS募集そのものを避ける必要はありません。
ただし、募集が手軽だからといって、参加者の管理まで曖昧にしないことが大切です。
応募フォームや確認メールなどを併用して、
氏名
連絡先
出演条件
出演料や交通費
映像利用への同意
をまとめておくと管理しやすくなります。
大人数のエキストラはどう管理する?
何十人、何百人というエキストラが参加する撮影で、一人ずつ長い契約書を作るのは現実的ではありません。
その場合は、
募集ページに条件を書く
応募フォームで同意を取る
当日の受付で氏名を確認する
必要なら出演同意書へ署名してもらう
などを組み合わせます。
重要なのは、募集した人と、実際に参加した人と、同意を取った人が対応していることです。
たとえば、
氏名
受付番号
連絡先
同意確認
当日の参加確認
を一覧で管理しておけば、後から確認しやすくなります。
紙の同意書を使うなら受付番号を合わせる。
電子フォームを使うなら応募者一覧と当日の参加者を照合する。
こうした管理をしておくと、
この人は参加していた?
どこまで同意していた?
という確認がしやすくなります。
どこから通常の出演契約に切り替える?
現場で「エキストラ」と呼んでいても、
セリフがある
特定の役を演じる
カメラに大きく映る
複数シーンに継続して出演する
役名が付いている
という場合は、通常の出演者に近くなります。
その場合は、簡単なエキストラ用同意書ではなく、通常の出演契約書に切り替えることを考えます。
大切なのは呼び方ではなく、実際にどんな出演をしてもらうのかです。
主要な出演者との契約については、別記事「俳優・出演者とは何を契約すればいい?」で詳しく解説しています。
後から「顔を消してほしい」と言われたら?
まず確認するのは、参加時にどんな条件で合意していたかです。
たとえば、
本編利用
映画祭・劇場公開
配信
宣伝利用
静止画利用
まで明確にしていたのかを確認します。
一方で、
背景に小さく映るだけと説明されていたのに、ポスターのメインに大きく使われた。
など、募集時の説明と実際の利用が大きく違う場合は、別途対応を考える必要があります。
だからこそ、最初から、どう撮るかだけでなく、どう使う可能性があるかまで伝えておくことが大切です。
なお、撮影中にたまたま映り込んだ一般の通行人と、制作側が募集して参加してもらったエキストラは別に考えます。
エキストラは、制作側が意図的に出演してもらっている人です。
だからこそ、偶然の映り込みとは分けて、出演条件と映像の利用範囲を最初に整理しておくことが大切です。
まとめ
エキストラだから、契約や同意の確認が何もいらないわけではありません。
ただし、主要キャストと同じ長い出演契約書を全員に作る必要もありません。
エキストラなら、
作品名
撮影日
有償・無償
交通費
本編利用
映画祭・劇場・配信
予告編・SNS・広告
静止画利用
など、その作品に必要な条件をまとめた短い出演同意書や応募フォームで整理する方法があります。
募集サイトやSNSも、エキストラ集めには十分活用できます。
ただし、募集は手軽でも、参加者の管理まで手軽にしすぎない。これが大切です。
後から、
そんな条件は聞いていない。
その使い方には同意していない。
となるのを避けるためにも、出演条件と映像利用について記録を残しておきましょう。
参考
※映画・動画制作でエキストラの出演同意書や映像利用条件について個別にご相談が必要な場合は、お問い合わせページをご利用ください。
